社労士になる子ちゃん
学習ガイド

社会保険労務士試験とは?

試験の概要・選択式と択一式の形式・合格基準・受験資格・合格率・登録までの流れまで、受験を決める前に知っておきたいことを一気に確認できます。まずは全体像をつかみましょう。

試験日

8月第4日曜

年1回のみ

受験手数料

¥15,000

申込は5/31まで

合格率

6.9%

令和6年度(第56回)

学習時間

800〜1,000h

全10科目

社会保険労務士とはどんな資格か

社会保険労務士(社労士)は、労働・社会保険に関する法令の専門家として、 企業の人事労務と社会保険手続きを支える国家資格です。 労働社会保険諸法令に基づく申請書の作成・提出代行、帳簿書類の作成、 そして人事労務に関する相談・指導を業務とします。 このうち申請書等の作成・提出代行と帳簿書類の作成は、社労士でなければ報酬を得て行えない独占業務です。

1号業務

労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成と、行政機関への提出代行・事務代理。社労士の独占業務。

2号業務

労働者名簿・賃金台帳・就業規則など、法令で備え付けが求められる帳簿書類の作成。こちらも独占業務。

3号業務

人事・労務管理に関するコンサルティング。独占業務ではないが、実務では中心的な収益源になりやすい領域。

受験資格:誰でも受けられる試験ではない

社労士試験には受験資格があります。次の3つのうちいずれか1つを満たしていれば受験できます。 自分がどのルートに当たるかを確認し、必要な証明書類を申込までに用意しておきましょう。

学歴

大学・短期大学・高等専門学校(5年制)の卒業、または大学において所定の単位数を修得していること。専門学校の専門課程を修了した場合も、修業年限や総授業時間数の条件を満たせば該当します。

実務経験

労働社会保険諸法令に関する事務、社労士事務所や弁護士事務所での補助業務、法人の労務担当役員としての従事などを通算3年以上。勤務先が発行する証明書が必要です。

厚生労働大臣が認めた国家試験の合格

行政書士試験の合格者など、厚生労働大臣が認めた国家試験に合格していること。学歴要件を満たさない場合、行政書士から社労士へ進むルートがよく使われます。

受験資格の細かい条件は毎年の受験案内で確認するのが確実です。 判断に迷う場合は、申込期間の前に全国社会保険労務士会連合会 試験センターへ問い合わせておくと安心です。

試験の全体像:1日で選択式と択一式を受ける

社労士試験は1日完結のマークシート試験です。 午前に選択式、午後に択一式を受験します。記述式や面接はありません。 ただしマークシートだからといって易しいわけではなく、条文の細部と数字要件を正確に問う出題が中心です。

午前

選択式

8科目×5問=40点/80分

文章中の5つの空欄に、選択肢の中から当てはまる語句を選ぶ形式。 条文の言い回しや白書の数値がそのまま問われるため、択一式の知識だけでは埋まらない空欄が出ます。

午後

択一式

7科目×10問=70点/210分

5肢択一のマークシート。210分という長時間で70問を解くため、 知識だけでなく時間配分と集中力の維持も問われます。徴収法はこの択一式のみで出題されます。

科目の数え方が2通りあることに注意。選択式は8科目(労基・安衛/労災/雇用/労一/社一/健保/厚年/国年)、 択一式は7科目(労基・安衛/労災+徴収/雇用+徴収/一般常識/健保/厚年/国年)です。 一方で市販テキストは学習しやすさから10分冊が標準なので、本サイトも10科目を学習単位としています。

年間スケジュール

4月中旬

受験案内の公布・申込受付開始

受験資格の証明書類を準備しておく

5月31日

受験申込の締切

年1回のため、ここを逃すと1年待ち

7月上旬

受験票の到着

試験会場の確認・移動手段の手配

8月第4日曜

本試験(選択式・択一式)

1日で両方を受験する

10月上旬

合格発表

合格基準と科目ごとの補正が同時に公表される

合格後

事務指定講習または実務経験2年 → 登録

登録して初めて社労士として活動できる

※ 日程は例年の目安です。受験年度の正確な日程は全国社会保険労務士会連合会 試験センターの受験案内で確認してください。

出題科目:労働法パートと社会保険パート

出題範囲は大きく「労働に関する法令」と「社会保険に関する法令」に分かれます。 前半の労働法パートは条文と判例、後半の社会保険パートは給付要件と数字の暗記が中心になり、 学習の性質がかなり違います。

労働に関する法令

労働基準法

労働時間・賃金・解雇。判例からの選択式出題が定番

労働安全衛生法

安全衛生管理体制の選任要件が最頻出。範囲を絞るのが定石

労働者災害補償保険法

療養・休業・障害・遺族の給付体系を図で押さえる

雇用保険法

基本手当の受給要件と所定給付日数の表が核心

労働保険徴収法

択一式のみで6問。範囲が狭く得点効率が最も高い

労務管理その他の労働に関する一般常識

諸法令+白書・統計。選択式の足切り最大要因

社会保険に関する法令

健康保険法

被扶養者の認定と傷病手当金。社会保険3法の土台

厚生年金保険法

老齢・障害・遺族の報酬比例部分と加給年金。最重量級

国民年金法

保険料の免除制度と基礎年金。厚年の前提になる科目

社会保険に関する一般常識

国保・介護・社労士法など。社労士法は毎年の定番

合格基準:総得点だけでは合格できない

社労士試験の最大の特徴が科目最低点(足切り)です。 選択式・択一式のそれぞれについて「総得点の基準」と「科目ごとの最低点」の両方を満たす必要があり、 総得点が十分でも1科目が最低点を下回れば不合格になります。

形式満点総得点の基準科目最低点
選択式40点28点以上各科目 3点以上
択一式70点44点以上各科目 4点以上

補正(救済)について

上の数値は原則の基準です。実際には年度ごとの難易度に応じて総得点の基準が上下し、 特定の科目の最低点が引き下げられる補正が入る年もあります。 ただし補正は毎年あるとは限らないため、救済を前提にした学習計画は立てないのが原則です。

科目合格制度はない:1年で全科目を仕上げる

税理士や中小企業診断士のような科目合格の積み上げは、社労士試験にはありません。 受験するたびに全10科目が対象になります。 つまり「今年は労働法だけ仕上げて、来年に年金をやる」という分割はできません。

この制度と足切りが組み合わさるため、社労士試験の学習は「1科目を深く」より「全科目を落とさず回す」設計になります。 得意科目を伸ばして稼ぐ発想より、手薄な科目をつくらない発想のほうが合格に直結します。

合格率の推移

年度受験者数合格者数合格率
令和2年度(第52回)34,845人2,237人6.4%
令和3年度(第53回)37,306人2,937人7.9%
令和4年度(第54回)40,633人2,134人5.3%
令和5年度(第55回)42,741人2,720人6.4%
令和6年度(第56回)43,174人2,974人6.9%

合格率は6〜7%前後で推移しており、年度による振れ幅は数ポイントです。 受験者の多くが働きながら学習している社会人であることを踏まえると、 低い合格率の主な要因は問題の難しさそのものより、10科目を最後まで回しきれるかどうかにあります。 出典は全国社会保険労務士会連合会 試験センターの公表資料です。

よくある質問

受験資格はありますか?+
あります。①学歴(大学・短大・高専の卒業、または大学で所定の単位を修得など)、②実務経験(労働社会保険諸法令に関する事務等を通算3年以上)、③厚生労働大臣が認めた国家試験の合格(行政書士試験など)のいずれかを満たす必要があります。誰でも受験できる試験ではないので、申込前に必ず受験資格を確認してください。
試験は年に何回ありますか?+
年1回だけです。例年8月の第4日曜日に実施され、申込は4月中旬から5月31日まで、合格発表は10月上旬です。年1回しかないため、受験年度を決めたら逆算して学習計画を立てることが重要になります。
科目合格制度はありますか?+
ありません。1年で全科目に合格する必要があります。ここは中小企業診断士や税理士と大きく違う点で、「得意科目だけ先に取っておく」戦略が使えません。そのため全科目を並行して仕上げる学習設計が不可欠です。
科目最低点(足切り)とは何ですか?+
選択式・択一式のそれぞれに、総得点の基準とは別に「科目ごとの最低点」が設けられています。総得点が合格基準に達していても、1科目でも最低点を下回れば不合格です。合格者の多くが「総得点は足りていたのに1科目の足切りで落ちた」経験を語るのは、この仕組みがあるためです。
合格基準は毎年同じですか?+
原則の基準(選択式は総得点28点以上・各科目3点以上、択一式は総得点44点以上・各科目4点以上)が示されていますが、実際には年度ごとに難易度に応じた補正が入ります。特定の科目の最低点が引き下げられる「救済」が入る年もあり、基準は毎年の合格発表とあわせて公表されます。
合格後すぐに社労士として働けますか?+
いいえ。合格後に「2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験」または「事務指定講習の修了」のいずれかを満たし、社会保険労務士名簿に登録することで社労士として活動できます。実務経験がない場合は事務指定講習を受けるのが一般的なルートです。
社労士になる子ちゃん編集部

この記事を書いた人

社労士になる子ちゃん編集部

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