平成27年度 第1問 空欄E 解説
問題文
▼ 空欄 E に入る語句を選んでください。 〔問 1〕 次の文中の の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全 な文章とせよ。 1 最高裁判所は、海外旅行の添乗業務に従事する添乗員に労働基準法第 38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし労働時間制が適用され るかが争点とされた事件において、次のように判示した。 「本件添乗業務は、ツアーの旅行日程に従い、ツアー参加者に対する案 内や必要な手続の代行などといったサービスを提供するものであるとこ ろ、ツアーの旅行日程は、本件会社とツアー参加者との間の契約内容とし てその日時や目的地等を明らかにして定められており、その旅行日程につ き、添乗員は、変更補償金の支払など契約上の問題が生じ得る変更が起こ らないように、また、それには至らない場合でも変更が必要最小限のもの となるように旅程の管理等を行うことが求められている。そうすると、本 件添乗業務は、旅行日程が上記のとおりその日時や目的地等を明らかにし て定められることによって、業務の内容があらかじめ具体的に確定されて おり、添乗員が自ら決定できる事項の範囲及びその決定に係る選択の幅は 限られているものということができる。 また、ツアーの開始前には、本件会社は、添乗員に対し、本件会社とツ アー参加者との間の契約内容等を記載したパンフレットや最終日程表及び これに沿った手配状況を示したアイテナリーにより具体的な目的地及びそ の場所において行うべき観光等の内容や手順等を示すとともに、添乗員用 のマニュアルにより具体的な業務の内容を示し、これらに従った業務を行 うことを命じている。そして、ツアーの実施中においても、本件会社は、 添乗員に対し、携帯電話を所持して常時電源を入れておき、ツアー参加者 との間で契約上の問題やクレームが生じ得る旅行日程の変更が必要となる 場合には、本件会社に報告して指示を受けることを求めている。さらに、 ツアーの終了後においては、本件会社は、添乗員に対し、前記のとおり旅程の管理等の状況を具体的に把握することができる添乗日報によって、業 務の遂行の状況等の詳細かつ正確な報告を求めているところ、その報告の 内容については、ツアー参加者のアンケートを参照することや関係者に問 合せをすることによってその正確性を確認することができるものになって いる。これらによれば、本件添乗業務について、本件会社は、添乗員との 間で、あらかじめ定められた旅行日程に沿った旅程の管理等の業務を行う べきことを具体的に指示した上で、予定された旅行日程に途中で相応の変 更を要する事態が生じた場合にはその時点で個別の指示をするものとさ れ、旅行日程の終了後は内容の正確性を確認し得る添乗日報によって業務 の遂行の状況等につき詳細な報告を受けるものとされているということが できる。 以上のような業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、本件会社と 添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態 様、状況等に鑑みると、本件添乗業務については、これに従事する添乗員 の勤務の状況を具体的に把握することが困難であったとは認め難く、労働 基準法38条の2第1項にいう「 A 」に当たるとはいえないと解す るのが相当である。」 2 最高裁判所は、労働基準法第39条第5項(当時は第3項)に定める使用 者による時季変更権の行使の有効性が争われた事件において、次のように 判示した。 「労基法39条3項〔現行5項〕ただし書にいう「事業の正常な運営を妨げ る場合」か否かの判断に当たつて、 B 配置の難易は、判断の一要 素となるというべきであるが、特に、勤務割による勤務体制がとられてい る事業場の場合には、重要な判断要素であることは明らかである。した がつて、そのような事業場において、使用者としての通常の配慮をすれ ば、勤務割を変更して B を配置することが客観的に可能な状況に あると認められるにもかかわらず、使用者がそのための配慮をしないこと により B が配置されないときは、必要配置人員を欠くものとして 事業の正常な運営を妨げる場合に当たるということはできないと解するのが相当である。そして、年次休暇の利用目的は労基法の関知しないところ である〔……〕から、勤務割を変更して B を配置することが可能な 状況にあるにもかかわらず、休暇の利用目的のいかんによつてそのための 配慮をせずに時季変更権を行使することは、利用目的を考慮して年次休暇 を与えないことに等しく、許されないものであり、右時季変更権の行使 は、結局、事業の正常な運営を妨げる場合に当たらないものとして、無効 といわなければならない。」 3 労働基準法第64条の3では、 C を「妊産婦」とし、使用者は、 当該女性を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業 務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない としている。 4 労働安全衛生法に定める「事業者」とは、法人企業であれば D を 指している。 5 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、労働安全衛生法施行令第 20条で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許 を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る 技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなけ れば当該業務に就かせてはならないが、労働安全衛生法施行令第20条で 定めるものには、ボイラー(小型ボイラーを除く。)の取扱いの業務、つり 上げ荷重が5トン以上のクレーン(跨線テルハを除く。)の運転の業務、 E などがある。 (出典)第47回(平成27年度)社会保険労務士試験 選択式 問1/全国社会保険労務士会連合会試験センター
解説
就業制限業務(安衛法61条・令20条)には、ボイラーの取扱い、つり上げ荷重5トン以上のクレーンの運転のほか、「最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転」などがあります。 アーク溶接やチェーンソーによる伐木は特別教育の対象で、就業制限業務ではありません。免許・技能講習が要る就業制限業務と、特別教育で足りる業務の線引きが繰り返し問われます。 ▶ テキスト: 労働安全衛生法「就業制限がかかる業務」
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