不服申立てと国民年金基金
会社員には厚生年金保険という2階部分がありますが、自営業者には1階しかありません。その不公平を埋めるために作られたのが国民年金基金です。
地域型と職能型の2種類があり、加入できるのは第1号被保険者と一部の任意加入被保険者だけです。給付の水準には下限が定められていて、付加年金や死亡一時金の付加加算額を下回ってはいけないことになっています。
簡単にいうと
会社員の2階建てに対して、自営業者にも上乗せを用意する制度です。
国民年金基金制度は、国民年金にのみ加入する第1号被保険者と、厚生年金保険に加入する第2号被保険者とのバランスを図り、第1号被保険者がゆとりある老後を送れるよう、基礎年金の上乗せ年金となる給付を行う制度です。
会社員は「厚生年金+国民年金」の2階建てですが、自営業は国民年金だけです。この差を埋める受け皿が国民年金基金になります。
基金は2種類あります。
・地域型国民年金基金 … 原則として第1号被保険者であって、基金の地区内に住所を有する者をもって組織される都道府県ごとの法人
・職能型国民年金基金 … 原則として第1号被保険者であって、基金の地区内において同種の事業又は業務に従事する者をもって組織される全国単位の法人
地域型は都道府県ごと、職能型は全国単位という違いを押さえてください。
なお、平成31年(令和元年)4月より、全国47都道府県の地域型基金が合併してできた全国国民年金基金が、ほとんどの職能型基金を吸収合併し、今に至っています。
具体例
同じ業種の自営業者が集まって作る基金が職能型で、全国どこに住んでいても加入できます。地域型は住所地の都道府県の基金に加入する形になります。
試験のポイント
簡単にいうと
免除者は入れません。ただし産前産後免除者だけは入れます。
第1号被保険者は、基金に申し出て加入員となることができます。
ただし、保険料免除者(産前産後期間の保険料免除者を除く)は、基金の加入員となることはできません。本体の保険料すら納めていない状態で上乗せだけ買うことはできない、という理屈です。
ここでも産前産後期間の免除だけが例外になっています。この免除は「保険料納付済期間」として扱われる特別な性格を持つため、基金にも加入できます。付加保険料を納付できるかどうかについても同じ扱いでした。
任意加入被保険者については、基金に加入できるのは次の2パターンだけです。
・日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の任意加入被保険者
・日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者
逆にいえば「日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる任意加入被保険者」は基金に入れません。
また、特例任意加入被保険者はすべて基金に加入することができません。受給資格期間を満たすための制度なので、上乗せを考える段階ではないという整理です。
試験では、日本国籍を有し日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は加入員となることができない、という誤りの選択肢が出題されたことがあります。この人は加入できます。
簡単にいうと
付加年金と死亡一時金の付加加算額を「超える」水準が求められます。
基金の給付は2種類あります。
・加入員又は加入員であった者に対する年金の支給(老齢)
・加入員又は加入員であった者の死亡に関する一時金の支給
年金は、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給されるものでなければなりません。一時金は、加入員又は加入員であった者が死亡した場合において、その遺族が死亡一時金を受けたときに支給されるものでなければなりません。
給付の水準には下限があります。
・年金(老齢)の額 … 200円に加入員期間の月数を乗じて得た額を超えるものでなければならない
・一時金(死亡)の額 … 8,500円を超えるものでなければならない
この2つの数字には見覚えがあるはずです。200円×月数は付加年金の額そのもの、8,500円は死亡一時金の付加加算額そのものです。基金は付加年金の代わりになる制度なので、それを下回ってはいけないという趣旨になります。
「超える」という書きぶりであって「以上」ではない点にも注意してください。同額ではだめで、上回っていなければなりません。
簡単にいうと
解散事由は健康保険組合と同じ形。連合会はiDeCoの実施者です。
基金は次の理由により解散します。
・代議員の定数の4分の3以上の多数による代議員会の議決
・基金の事業の継続の不能
・厚生労働大臣による解散の命令
最初の2つの理由により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。この構造は健康保険組合の解散(組合会議員の定数の4分の3以上の議決/事業の継続の不能/大臣の解散命令)とまったく同じです。
吸収合併についても定めがあります。基金は厚生労働大臣の認可を受けて他の基金と吸収合併をすることができますが、地域型基金と職能型基金との吸収合併については、その地区が全国である地域型基金が吸収合併存続基金となる場合を除き、これをすることができません。
最後に国民年金基金連合会です。基金は、中途脱退者及び解散基金加入員に係る年金及び一時金の支給を共同して行うため、国民年金基金連合会を設立することができます。
ここでいう中途脱退者とは、基金の加入員の資格を喪失した者であって、その者の当該基金の加入員期間が15年に満たない者をいいます。
そして国民年金基金連合会は、個人型確定拠出年金(iDeCo)の実施者でもあります。基金の受け皿という役割と、iDeCoの運営という役割を兼ねているということです。
動画・テキスト・過去問・図解まですべて網羅!
予備校代の1/10以下で、独学の不安をまるごと解決できます
具体例
海外に住む日本国籍の任意加入被保険者は、国民年金基金に加入できます。一方、厚生年金の老齢給付を受けられるために任意加入している国内居住者は加入できません。
試験のポイント
具体例
基金の加入員が20年(240月)加入した場合、基金から支給される年金は200円×240月=48,000円を超える額でなければなりません。付加年金と同じ水準では足りないということです。
試験のポイント
具体例
加入員期間が10年で基金をやめた人は中途脱退者にあたり、その分の年金は国民年金基金連合会から支給されます。15年以上加入していれば基金自身が支給します。
試験のポイント
プレミアムプラン
¥7,800/ 購入日から1年間有効(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。