令和6年度 第10問 解説
問題文
▼ 次の問いに答えてください。 〔問 10〕 厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。 ア 厚生年金保険の被保険者であった18歳のときに初診日のある傷病について、その障害認定日において障害等級3級の障害の状態にある場合にその者が20歳未満のときは、障害厚生年金の受給権は20歳に達したときに発生する。 イ 障害手当金は、疾病にかかり又は負傷し、その傷病に係る初診日において被保険者であった者が、保険料納付要件を満たし、当該初診日から起算して5年を経過する日までの間にまだその傷病が治っておらず治療中の場合でも、5年を経過した日に政令で定める程度の障害の状態にあるときは支給される。 ウ 年金たる保険給付(厚生年金保険法の他の規定又は他の法令の規定によりその全額につき支給を停止されている年金たる保険給付を除く。)は、その受給権者の申出により、その全額の支給を停止することとされている。 ただし、厚生年金保険法の他の規定又は他の法令の規定によりその額の一部につき支給を停止されているときは、停止されていない部分の額の支給を停止する。 エ 現在55歳の自営業者の甲は、20歳から5年間会社に勤めていたので、厚生年金保険の被保険者期間が5年あり、この他の期間はすべて国民年金の第1号被保険者期間で保険料はすべて納付済みとなっている。もし、甲が現時点で死亡した場合、一定要件を満たす遺族に支給される遺族厚生年金の額は、厚生年金保険の被保険者期間を300月として計算した額となる。 オ 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る脱退一時金については、その者の2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に係る被保険者期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有する者に係るものとみなして支給要件を判定する。 (出典)第56回(令和6年度)社会保険労務士試験 択一式 厚生年金保険法 問10/全国社会保険労務士会連合会試験センター
解説
正しいものの組合せを選ぶ問題で、正答はD(ウとオ)。 ウは正しい。年金たる保険給付は、受給権者の申出によりその全額の支給を停止できます。他の規定で一部が止まっているときは、止まっていない部分の額を停止します。 オは正しい。2以上の種別の被保険者期間を有する者の脱退一時金は、期間を合算して一の期間のみを有する者とみなして支給要件を判定します。 アは誤り。障害厚生年金は障害認定日に受給権が発生します。20歳になるのを待つ必要はありません。20歳前の初診日で20歳到達時に受給権が発生するのは、国民年金の20歳前傷病による障害基礎年金の話で、それを厚年に持ち込んだ枝です。 イは誤り。障害手当金は、初診日から5年を経過する日までに傷病が「治った」ことが要件です。治っていない場合には支給されません。 エは誤り。甲は死亡時に厚生年金保険の被保険者ではないので短期要件に当たらず、老齢厚生年金の受給資格期間を満たしていることによる長期要件になります。長期要件には300月みなしがないので、実際の被保険者期間60か月で計算します。300月みなしは短期要件だけの特典だと押さえてください。 ▶ テキスト: 厚生年金保険法「支給期間・未支給・併給の調整」「短期要件と長期要件」「障害手当金」「2以上の種別の特例と給付制限」
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