労働者災害補償保険法令和6年度第2問
令和6年度 第2問 解説
問題文
▼ 次の問いに答えてください。 〔問 2〕 通勤災害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 (出典)第56回(令和6年度)社会保険労務士試験 択一式 労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。) 問2/全国社会保険労務士会連合会試験センター
Aマイカー通勤をしている労働者が、勤務先会社から市道を挟んだところにある同社の駐車場に車を停車し、徒歩で職場に到着しタイムカードを打刻した後、フォグライトの消し忘れに気づき、徒歩で駐車場へ引き返すべく市道を横断する途中、市道を走ってきた軽自動車にはねられ負傷した場合、通勤災害とは認められない。
Bマイカー通勤をしている労働者が、同一方向にある配偶者の勤務先を経由するため、通常通り自分の勤務先を通り越して通常の通勤経路を450メートル走行し、配偶者の勤務先で配偶者を下車させて自分の勤務先に向かって走行中、踏切で鉄道車両と衝突して負傷した場合、通勤災害とは認められない。
C頸椎を手術した配偶者の看護のため、手術後1か月ほど姑と交替で1日おきに病院に寝泊まりしていた労働者が、当該病院から徒歩で出勤する途中、横断歩道で軽自動車にはねられ負傷した場合、当該病院から勤務先に向かうとすれば合理的である経路・方法をとり逸脱・中断することなく出勤していたとしても、通勤災害とは認められない。
D労働者が、退勤時にタイムカードを打刻し、更衣室で着替えをして事業場施設内の階段を降りる途中、ズボンの裾が靴に絡んだために足を滑らせ、階段を5段ほど落ちて腰部を強打し負傷した場合、通勤災害とは認められない。正解
E長年営業に従事している労働者が、通常通りの時刻に通常通りの経路を徒歩で勤務先に向かっている途中に突然倒れ、急性心不全で死亡した場合、通勤災害と認められる。
解説
正答はD。退勤時に打刻して着替えたあとでも、事業場施設内の階段を降りている段階ではまだ事業主の支配・管理下を離れておらず、通勤は始まっていません。したがって通勤災害には当たらず、施設の管理下の災害として業務災害の枠組みで判断されます。 Aは誤り。会社の駐車場に停めた車のライトを消しに戻る途中の負傷は、通勤に通常伴う行為の範囲として通勤災害と認められます。 Bも誤り。同一方向にある配偶者の勤務先を経由して450メートル通り越したにすぎず、その後は通常の経路に戻って走行していますから、通勤災害と認められます。 Cも誤り。配偶者の看護のため1か月ほど寝泊まりしていた病院は、この労働者にとっての「住居」と評価できます。そこから合理的な経路・方法で出勤していれば通勤災害です。 Eは結論が逆で誤り。通勤の途中に起きた出来事でも、急性心不全のように通勤に通常伴う危険が具体化したとはいえない死亡は、通勤災害になりません。通勤災害は通勤との相当因果関係が要るのであって、通勤中に起きたことがすべて対象になるわけではありません。 ▶ テキスト: 労働者災害補償保険法「通勤災害と通勤の定義」
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