令和7年度 第2問 解説
問題文
▼ 次の問いに答えてください。 〔問 2〕 次の記述のうち、業務災害として保険給付の対象となるものはいくつあるか。 ア 鉄道保線作業に従事する労働者が、休日に自己の担当する鉄道沿線で事故があったため、使用者の呼び出しを受けて自宅から現場にかけつける途上で、つまずいて転倒し、負傷した場合 イ 職場から2駅離れた社宅に居住する労働者が、休日に、台風のため社宅付近の大木が倒れたことに伴って切断された高圧電線がショートし、枯木に火が付く様子を社宅から目撃したことから、社宅への延焼を防止しようと作業していたところ、強風にあおられた高圧電線に接触して死亡した場合 ウ 職業能力開発促進法に基づく技能検定であって、職務に関連する職種に係るものを、使用者から出張命令を受けて受検した労働者が、実技試験中に当該実技に起因して負傷した場合 エ 山岳地区であって地理的条件から天候の変化が激しく、雷の発生頻度も高い地域で、山頂より100メートル下方で植生盤の植付作業をしていた労働者が、夕立のような異様な天候になったので、作業を中止し、他に適当な退避場所がなかったことから山頂の休憩小屋に退避しようと移動していたときに、落雷の直撃を受けて死亡した場合 オ 通常は私鉄バスを利用して帰宅する夜勤労働者が、当該私鉄バスのストライキによる運休のため、早朝、電車で帰宅するつもりでバス停とは反対方向の鉄道駅に向かっている途上で自動車にはねられ、負傷した場合 (出典)第57回(令和7年度)社会保険労務士試験 択一式 労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。) 問2/全国社会保険労務士会連合会試験センター
解説
業務災害となるものの数を数える問題で、正答はC(三つ)。対象になるのはア・ウ・エです。 アは業務災害。休日でも使用者の呼び出しを受けて緊急の用務のため現場へ向かう途上は、事業主の支配下にあると評価されます。通勤ではなく業務としての移動です。 ウは業務災害。出張命令を受けて職務に関連する技能検定を受検している以上、受検そのものが業務です。実技試験中の負傷は業務起因性が認められます。 エは業務災害。落雷は自然現象ですが、雷の多い山岳地帯で作業していたという業務に伴う危険が具体化したものなので、業務災害になります。 イは業務災害になりません。休日に社宅から自分の住まいへの延焼を防ごうとした行為は、私生活上の行動であって業務ではありません。 オも業務災害になりません。帰宅途上の災害なので、業務災害ではなく通勤災害の問題になります。ストライキで経路が変わっていても、合理的な経路と方法であれば通勤災害として扱われます。 ▶ テキスト: 労働者災害補償保険法「業務災害の判断枠組み」「通勤災害と通勤の定義」
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