平成28年度 第1問 解説
問題文
▼ 次の問いに答えてください。 〔問 1〕 労働契約法等に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア 労働契約法第5条は労働者の安全への配慮を定めているが、その内容は、一律に定まるものではなく、使用者に特定の措置を求めるものではないが、労働者の職種、労務内容、労務提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮をすることが求められる。 イ 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が必ず書面を交付して合意しなければ、有効に成立しない。 ウ いわゆる在籍出向においては、就業規則に業務上の必要によって社外勤務をさせることがある旨の規定があり、さらに、労働協約に社外勤務の定義、出向期間、出向中の社員の地位、賃金、退職金その他の労働条件や処遇等に関して出向労働者の利益に配慮した詳細な規定が設けられているという事情の下であっても、使用者は、当該労働者の個別的同意を得ることなしに出向命令を発令することができないとするのが、最高裁判所の判例である。 エ 使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないが、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解される。オ 労働契約法は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約及び家事使用人の労働契約については、適用を除外している。 (出典)第48回(平成28年度)社会保険労務士試験 択一式 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識 問1/全国社会保険労務士会連合会試験センター
解説
正答はB。正しいのはアとエの二つです。 アは正しい。安全配慮義務の内容は一律ではなく、具体的な状況に応じた配慮が求められます。 エは正しい。有期労働契約の期間途中の解雇に必要な「やむを得ない事由」は、解雇権濫用法理よりも狭く解されます。 イは誤り。労働契約は書面がなくても、合意だけで成立します(労契法6条)。 ウは誤り。新日本製鐵事件は、就業規則や労働協約に出向に関する詳細な規定があれば、個別的同意なしに出向命令を発令できるとしています。 オは誤り。労働契約法が適用除外としているのは「同居の親族のみを使用する場合の労働契約」で、家事使用人は適用除外になっていません。 ▶ テキスト: 労務管理その他の労働に関する一般常識「労働契約法の基本原則と契約の成立」「有期労働契約と無期転換ルール」
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