事業場に置く人と会議体
管理者を「置く」だけでは体制は完成しません。現場の声を吸い上げて対策を決める場として、安衛法は委員会の設置を求めています。
押さえどころは3つ。安全委員会は危険な業種だけ、衛生委員会は全業種、そして両方必要なら1つにまとめてよい。この整理ができれば、あとは開催頻度・周知・記録保存の数字を足すだけです。
簡単にいうと
安全管理者と同じ発想です。危ない業種にだけ、危険を防ぐ話し合いの場が求められます。
安全委員会は、一定の危険な業種において設置すべき委員会です。労働者の危険を防止するための基本となるべき対策に関すること等の事項を調査審議し、事業者に対して意見を述べることを目的としています。
設置が必要になる規模は、業種によって2段階に分かれます。
・林業、鉱業、建設業など ― 常時50人以上
・製造業、電気業、ガス業など ― 常時100人以上
安全管理者の選任要件が業種を問わず50人以上だったのに対し、安全委員会は業種によって50人と100人に分かれるところが違います。混同しやすいので、「管理者は50人一本、委員会は50人と100人の二段構え」と覚えておきましょう。
なお、危険度の低い業種には安全委員会の設置義務がありません。ここは安全管理者と同じ発想です。
具体例
従業員70人の建設会社は安全委員会が必要です。同じ70人でも金属加工の工場は製造業なので100人に届かず、安全委員会の設置義務はありません(衛生委員会は必要です)。
試験のポイント
簡単にいうと
健康に関することは業種を選びません。オフィスでも工場でも、50人を超えたら必要です。
衛生委員会は、すべての業種において、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに設置すべき委員会です。労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること等の事項を調査審議し、事業者に対して意見を述べることを目的としています。
業種による絞り込みがなく、人数の区切りも50人の1本だけです。衛生管理者・産業医の選任要件(全業種50人以上)とぴったり重なるので、セットで覚えると効率的です。
構成メンバーには産業医も入ります。医学の専門家として健康管理の議論に加わる、という位置づけです。産業医が辞任・解任されたときに事業者が報告する先が衛生委員会又は安全衛生委員会とされているのも、産業医がこの委員会の一員だからです。
具体例
従業員90人の会計事務所は「その他の業種」なので安全委員会は不要ですが、衛生委員会は設置しなければなりません。長時間労働対策やストレスチェックの進め方は、この場で審議されます。
簡単にいうと
同じ顔ぶれで2回集まるのは非効率。だから合体してよいことになっています。
安全委員会を設置しなければならない事業場は、規模の条件から必ず衛生委員会も必要になります。安全委員会が必要になるのは最低でも50人以上の事業場であり、衛生委員会は全業種50人以上で必要だからです。
このとき、2つをそれぞれ別個に設けず、併せて1つの委員会を設置することもできます。これを安全衛生委員会といいます。
注意したいのは、これが義務ではなく選択肢だという点です。別々に設けても構いませんし、1つにまとめても構いません。「安全委員会と衛生委員会の両方を設けなければならない事業場は、必ず安全衛生委員会を設置しなければならない」といった書き方が出てきたら、そこは誤りです。
具体例
従業員150人の建設会社では安全委員会と衛生委員会の両方が必要です。この会社が両者を統合して安全衛生委員会を毎月開く、という運用は認められます。
試験のポイント
簡単にいうと
作っただけで開かないのはNG。開催頻度と、その後の始末まで決められています。
委員会は設置して終わりではありません。運営についても3つのルールがあります。
1つ目は開催頻度です。事業者は、安全委員会・衛生委員会・安全衛生委員会を毎月1回以上開催するようにしなければなりません。
2つ目は議事の周知です。事業者は、委員会の開催の都度、遅滞なく、委員会における議事の概要を次のいずれかの方法によって労働者に周知させなければなりません。
・常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること
・書面を労働者に交付すること
・電子計算機に備えられたファイル等に記録し、かつ各作業場に労働者が常時内容を確認できる機器を設置すること
この3つの方法は、労働基準法で学んだ就業規則の周知方法とまったく同じです。まとめて覚えてしまいましょう。
3つ目は記録の保存です。事業者は、委員会の開催の都度、委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容等について記録し、これを3年間保存しなければなりません。
保存年数は安衛法の中に3年・5年・7年・30年・40年と何種類も出てきます。委員会の記録は3年です。
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試験のポイント
具体例
衛生委員会で「夏場の熱中症対策として給水設備を増やすべきだ」という意見が出て、会社が2台増設したとします。この意見と措置の内容を記録し、3年間保存しなければなりません。議事の概要は社内掲示板への掲示で周知すれば足ります。
試験のポイント
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