計画・監督と派遣への適用
この節では、行政が現場に入っていく場面と、事業者が行政に報告する場面を扱います。
出題の中心は労働者死傷病報告です。休業4日以上なら遅滞なく、4日未満なら四半期ごとにまとめて。この分岐がそのまま択一の正誤になります。数字の意味を掴んでおけば、迷わず判断できます。
簡単にいうと
行政の側からの立入りと、働く人の側からの通報。両方向のルートがあります。
労働基準監督官は、必要があると認めるときは、事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳簿、書類その他の物件を検査し、若しくは作業環境測定を行い、又は検査に必要な限度において無償で製品、原材料若しくは器具を収去することができます。
「無償で」という言葉が入っている点が特徴です。検査のために製品や原材料を持ち帰る際、代金を払う必要はありません。
もう1つのルートが労働者からの申告です。労働者は、事業場に労働安全衛生法令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して、是正のため適当な措置をとるように求めることができます。申告先が3者ある点を押さえておきましょう。
そして、事業者は、申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません。声を上げた人を守らなければ、この仕組みは機能しないからです。
具体例
危険な足場が放置されていることに気づいた作業員が、労働基準監督署に申告したとします。会社がそれを理由にその作業員を解雇することは許されません。
試験のポイント
簡単にいうと
誰も怪我をしていないから報告不要、とはいきません。
事業者は、事業場又はその附属建設物内で、火災又は爆発の事故等が発生したときは、遅滞なく、報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。
ここで押さえるべきは、たとえ労働者にけが人が出ていなくても報告しなければならないということです。次に見る労働者死傷病報告が「人が死傷したこと」を要件にしているのと対照的です。
事故報告の狙いは、同じ事故が繰り返されるのを防ぐことにあります。今回はたまたま無人の時間帯だっただけで、次は人がいるかもしれない。だから被害の有無にかかわらず、事実を行政に集める仕組みになっています。
具体例
深夜の無人の工場でボイラーが爆発し、建物だけが損壊した場合でも、事業者は遅滞なく所轄労働基準監督署長に事故報告書を提出しなければなりません。
試験のポイント
簡単にいうと
休業4日以上なら「遅滞なく」、4日未満なら「四半期ごとにまとめて」。ここが最頻出です。
原則から確認します。事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。
例外は、休業の日数が少ない場合です。休業の日数が4日に満たないときは、事業者は、次の4つの期間に区切って、それぞれの期間における当該事実について、報告書をそれぞれの期間における最後の月の翌月末日までに、所轄労働基準監督署長に提出することになります。
・1月から3月まで → 4月末日まで
・4月から6月まで → 7月末日まで
・7月から9月まで → 10月末日まで
・10月から12月まで → 1月末日まで
つまり四半期ごとにまとめて出せばよい、ということです。
試験では「事業場内における負傷により休業の日数が2日の休業をしたときは、遅滞なく報告書を提出しなければならない」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。休業2日は4日未満なので、四半期ごとの提出で足ります。
なお、労災保険の休業補償給付が休業4日目から支給されることと、この4日という区切りは連動しています。労災保険法とあわせて理解しておくと、両科目で使える知識になります。
簡単にいうと
最後に細かい規定を2つ。どちらも一行で覚えられます。
・電気・ガス等事業者の義務
ガス工作物、電気工作物、熱供給施設又は石油パイプラインを設けている者(電気・ガス等事業者)は、当該工作物の所在する場所又はその附近で工事その他の仕事を行う事業者から、当該工作物による労働災害の発生を防止するためにとるべき措置についての教示を求められたときは、これを教示しなければなりません。
重大な被害を及ぼす恐れのあるガス工作物などの設置物がある場所で工事等を行う事業者の求めに応じて、設備の持ち主が情報を教える義務を課したものです。地中のガス管の位置を知らないまま掘削すれば大事故になる、という場面を想像すると分かりやすいでしょう。
・罰則
事業者は、製造等禁止物質の製造等の禁止規定に違反した場合には、最も重い罰則(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)に処せられます。
安衛法の中でどの違反がいちばん重いのかという形で問われることがあります。答えは製造等禁止物質の規定違反です。
具体例
道路の掘削工事を請け負った会社が、埋設されているガス管の位置と離隔距離について照会したとき、ガス事業者はこれに答えなければなりません。
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具体例
6月10日に転倒して2日間休業した従業員がいた場合、その報告書は7月末日までに提出すれば足ります。同じ事故で5日間の休業になったのであれば、遅滞なく提出しなければなりません。

休業が4日に届くかどうかで、提出のタイミングが変わる
試験のポイント
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