印紙保険料と特例納付保険料
日雇労働被保険者を使ったときに納めるのが印紙保険料です。日々雇い主が替わることを前提とした、この科目でもっとも独特な仕組みです。
雇用保険法の日雇労働求職者給付金と表裏の関係にあります。あちらで学んだ手帳と印紙の話が、こちらでは保険料の側から出てきます。
簡単にいうと
賃金日額で3段階。額はきれいに半分ずつ分かれます。
印紙保険料の額は、賃金日額に応じて3つの等級に分かれます。
・第1級 賃金日額11,300円以上 … 印紙保険料(日額)176円(事業主88円/被保険者88円)
・第2級 賃金日額8,200円以上11,300円未満 … 146円(事業主73円/被保険者73円)
・第3級 賃金日額8,200円未満 … 96円(事業主48円/被保険者48円)
印紙保険料は、事業主及び日雇労働被保険者が2分の1ずつ負担します。表を見ると、176÷2=88、146÷2=73、96÷2=48と、きれいに半分ずつになっているのが分かります。
覚えるべき数字は6つです。
・賃金日額の境目 … 11,300円と8,200円
・印紙保険料の額 … 176円・146円・96円
雇用保険法で学んだ日雇労働求職者給付金の額と混同しないよう注意してください。
・印紙保険料(納める額) … 176円・146円・96円
・日雇労働求職者給付金(受け取る額) … 7,500円・6,200円・4,100円
どちらも3等級で第1級がいちばん高いという構造は同じですが、桁が違います。納める額は百円台、受け取る額は千円台です。
なお、日雇労働被保険者は印紙保険料の2分の1のほか、一般保険料の被保険者負担分も負担しなければなりません。事業主も同様に、印紙保険料の2分の1のほか一般保険料の事業主負担分を負担します。日雇労働被保険者に支払う賃金も賃金総額に含まれるからです。
具体例
日給1万円の日雇労働者を1日使った場合、第2級にあたるため146円の印紙を貼り、うち73円が本人負担分として賃金から控除されます。
試験のポイント
簡単にいうと
原則と例外が1つずつ。それ以外の方法はありません。
印紙保険料の納付の方法には、次の2つがあります。
・原則 … 日雇労働被保険者手帳に雇用保険印紙を貼り、これに消印する方法
・例外 … 印紙保険料納付計器により、納付印を押す方法
この2つだけです。他の方法は規定されていません。
試験では『印紙保険料の納付は、日雇労働被保険者に交付された日雇労働被保険者手帳に雇用保険印紙をはり、これに消印して行い、又は、あらかじめ所轄都道府県労働局歳入徴収官の承認を受けて、納入告知書に当該印紙保険料額を添えて直接金融機関に納付することによって行うことができる』という誤りの選択肢が出題されたことがあります。「納入告知書に印紙保険料額を添えて直接金融機関に納付する」という方法は規定されていません(法23条2項・3項)。
もっともらしい手続を並べた選択肢ですが、規定されているのは印紙を貼る方法と計器で押す方法の2つだけだと覚えていれば見破れます。
印紙保険料が口座振替の対象外であることも、この納付方法から導けます。手帳に印紙を貼るという物理的な行為が必要なので、口座から自動で引き落とすということができません。
日雇労働被保険者手帳は、雇用保険法で学んだとおり日雇労働被保険者が持っているものです。日々雇用主が替わっても、手帳に印紙が貼られていけば保険料の納付が客観的に証明できます。そして、その印紙の枚数が日雇労働求職者給付金の支給要件(前2月間に通算26日分以上)につながります。
簡単にいうと
印紙を買うにも手続が要ります。交付するのは公共職業安定所長です。
事業主は、雇用保険印紙を購入しようとするときは、あらかじめ、雇用保険印紙購入通帳の交付申請書を所轄公共職業安定所長に提出して、雇用保険印紙購入通帳の交付を受けなければなりません。
交付するのは所轄公共職業安定所長です。徴収法では所轄都道府県労働局歳入徴収官が出てくる場面が多いのですが、ここは安定所長になります。雇用保険に関する手続だからです。
雇用保険印紙購入通帳の有効期間は、その保険年度内です。最後の1か月、すなわち3月で更新手続きが必要になります。
実際に印紙を買うときは、購入申込書に所定の事項を記入し、雇用保険印紙を販売する日本郵便株式会社の営業所に提出します。印紙を売っているのは郵便局です。
買った印紙が余った場合には、買い戻してもらえます。事業主は、次のいずれかに該当する場合には、雇用保険印紙を販売する日本郵便株式会社の営業所に雇用保険印紙購入通帳を提出し、その保有する雇用保険印紙の買戻しを申し出ることができます。
・雇用保険に係る保険関係が消滅したとき
・日雇労働被保険者を使用しなくなったとき
・雇用保険印紙が変更されたとき
3つとも「もう使う予定がない」場面です。廃業した、日雇いを使わなくなった、印紙のデザインが変わった、というケースを想定しています。
簡単にいうと
印紙をいくつ使ったかを毎月報告します。期限と提出先を押さえます。
事業主は、日雇労働被保険者を使用した場合には、印紙保険料の納付に関する帳簿を備えて、毎月におけるその納付状況を記載し、かつ、翌月末日までに当該納付状況を所轄都道府県労働局歳入徴収官に報告しなければなりません。
押さえるべき点は3つです。
・帳簿を備えて毎月の納付状況を記載すること
・期限は翌月末日まで
・提出先は所轄都道府県労働局歳入徴収官
印紙購入通帳の交付が公共職業安定所長だったのに対し、この報告は歳入徴収官です。保険料の納付状況の報告なので、徴収の担当部署に出すという整理です。
「翌月末日まで」という期限は、この科目では珍しい形です。10日以内・15日以内・20日以内・30日以内・40日以内・50日以内・60日前という日数指定が多い中で、これだけ「翌月末日」という月単位の指定になっています。
この報告があることで、印紙が適正に使われているかを行政が確認できます。手帳に貼るという性質上、事業主が印紙を買ったまま貼らずにいても外からは分かりません。そこで毎月の報告を義務付けているわけです。
なお、印紙保険料の納付を怠り、印紙保険料の認定決定がなされた場合には、認定決定された印紙保険料の額の100分の25に相当する額の追徴金が徴収されます。確定保険料の10%より重い率です。この点は徴収金の徴収等の節で扱います。
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具体例
現場に来た日雇労働者から手帳を受け取り、その日の賃金に応じた印紙を貼って消印する。これが原則の納付方法です。
試験のポイント
通帳の交付は安定所長、印紙の売買は日本郵便株式会社の営業所。この使い分けを押さえてください。
具体例
日雇労働者を使い始める会社は、まずハローワークで購入通帳の交付を受け、その通帳を持って郵便局で印紙を買います。
試験のポイント
具体例
4月に日雇労働者を使った会社は、5月31日までにその月の印紙保険料の納付状況を労働局へ報告します。
試験のポイント
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