労働保険料の種類と額
労働保険料と一口にいっても、中身は6種類に分かれています。まずこの分類を頭に入れておくと、この後の章で「いまどの保険料の話をしているのか」が見えるようになります。
分類の軸は2つです。労災保険のものか雇用保険のものか、そして何を基礎にして計算するか。この2軸で整理していきます。
簡単にいうと
数え方が2通りあります。特別加入保険料を3つに分けるかどうかの違いです。
労働保険料は、大きく分けると4種類、細かく見ると6種類あります。
・一般保険料(労災保険・雇用保険)
賃金総額をベースとする保険料です。もっとも一般的で、大部分の事業が納めているのがこれです。
・特別加入保険料(労災保険)
特別加入者に係る保険料で、次の3つに分かれます。
第1種特別加入保険料 … 中小事業主等の特別加入
第2種特別加入保険料 … 一人親方等の特別加入
第3種特別加入保険料 … 海外派遣労働者の特別加入
・印紙保険料(雇用保険)
日雇労働被保険者に係る保険料です。
・特例納付保険料(雇用保険)
時効消滅後でも納付可能な保険料です。
大きく4種類というのは、一般保険料・特別加入保険料・印紙保険料・特例納付保険料の4つを指します。特別加入保険料を第1種・第2種・第3種に分けて数えると6種類になります。
労災保険と雇用保険で色分けしてみましょう。
・両方に関わるもの … 一般保険料
・労災保険のみ … 特別加入保険料(第1種・第2種・第3種)
・雇用保険のみ … 印紙保険料、特例納付保険料
特別加入は労災保険だけの制度、日雇労働被保険者は雇用保険だけの区分ですから、この色分けは制度の性格からそのまま導けます。
具体例
一般的な会社が納めるのは一般保険料だけです。社長が特別加入していれば第1種特別加入保険料が、日雇労働者を使っていれば印紙保険料が加わります。
試験のポイント
簡単にいうと
6種類のうち2つだけは、概算払いのルールから外れています。
労働保険料の納付は、原則として概算額で先に申告・納付し、後で確定額と精算する仕組みをとっています。
ただし、この仕組みに乗らない保険料が2つあります。条文では「労働保険料(印紙保険料及び特例納付保険料を除く)」という書き方で除外されています。
・印紙保険料 … 日雇労働被保険者を使用した日ごとに、雇用保険印紙を貼って消印する方法で納付します。先に見積もって納めるという発想がなじみません。
・特例納付保険料 … そもそも時効消滅した過去の分を後から納めるための制度なので、概算という考え方が当てはまりません。
したがって、概算保険料・確定保険料という言葉が出てきたら、対象は一般保険料と特別加入保険料の4つだと考えてください。
この区別は他の場面でも効いてきます。たとえば口座振替による納付ができるのは概算保険料と確定保険料に限られており、印紙保険料は口座振替の対象外です。追徴金の計算でも、確定保険料と印紙保険料とで率が違います(10%と25%)。
6種類を並べたら、「印紙保険料と特例納付保険料だけは別扱い」と付箋を貼っておく感覚で覚えておきましょう。
具体例
簡単にいうと
先取りになりますが、負担の主体もここで整理しておくと後が楽です。
6種類の保険料を、誰が負担するかで整理しておきましょう。詳細は後の章で扱いますが、全体像を先に持っておくと理解が早くなります。
・労災保険に係る一般保険料、第1種・第2種・第3種特別加入保険料 … 全額事業主が負担
・雇用保険に係る一般保険料のうち雇用保険二事業に係る部分 … 全額事業主が負担
・雇用保険に係る一般保険料のうちそれ以外の部分 … 事業主及び被保険者が2分の1ずつ負担
・印紙保険料 … 事業主及び日雇労働被保険者が2分の1ずつ負担
労災保険関係はすべて事業主の全額負担です。労災保険法で「労働者に保険料の負担はない」と学んだとおりです。
雇用保険は労使で分け合いますが、二事業に係る部分だけは事業主の全額負担になります。雇用調整助成金などの助成金は事業主のためのものですから、その財源を労働者に負担させる理由がないという趣旨です。
印紙保険料が折半なのは、日雇労働求職者給付金という給付が日雇労働被保険者本人のためのものだからです。第1級176円なら事業主88円・被保険者88円というように、きれいに半分ずつになります。
この色分けを頭に入れておくと、後の章の「労働保険料の負担」がほとんど復習になります。
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会社が年度更新で申告・納付するのは一般保険料と特別加入保険料です。日雇労働者を使った日の印紙保険料は、その都度手帳に印紙を貼って納めます。
試験のポイント
具体例
給与明細から天引きされる雇用保険料は、一般保険料のうち二事業分を除いた部分の半分です。労災保険料が天引きされることはありません。
試験のポイント
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