労働保険料の種類と額
特別加入者には賃金がありません。したがって賃金総額をベースにした計算ができません。そこで別の計算方法が用意されています。
労災保険法で学んだ特別加入の3類型が、そのまま第1種・第2種・第3種の保険料に対応します。あちらを思い出しながら読み進めてください。
簡単にいうと
賃金の代わりになる数字を、給付基礎日額から作ります。
特別加入保険料の額は、次の式で求めます。
【計算式】特別加入保険料の額 = 特別加入保険料算定基礎額の総額 × 特別加入保険料率
一般保険料が「賃金総額 × 一般保険料率」だったのと同じ形です。賃金総額の代わりに特別加入保険料算定基礎額が入ります。
では、その算定基礎額はどう求めるのでしょうか。給付基礎日額に365(日)を乗じたものです。
【計算式】特別加入保険料算定基礎額 = 給付基礎日額 × 365
1日あたりの金額に1年分の日数を掛けて、年収に相当する額を作るという考え方です。
労災保険法で学んだとおり、特別加入者に係る給付基礎日額は、あらかじめ定められた給付基礎日額から特別加入者本人の希望に基づいて都道府県労働局長が決定します。最高額は25,000円、最低額は3,500円でした。
したがって、高い給付基礎日額を選べば給付も手厚くなる代わりに、保険料も高くなります。本人が保障の水準と負担のバランスを選べる仕組みです。
給付基礎日額を決定するのが都道府県労働局長である点も、労災保険法と共通です。特別加入の承認自体も都道府県労働局長が行いますから、あわせて覚えておきましょう。
具体例
給付基礎日額を1万円と選んだ特別加入者なら、算定基礎額は1万円×365で365万円になります。これに保険料率を掛けたものが保険料です。
試験のポイント
簡単にいうと
中小事業主等の分です。いまのところ労働者と同じ率になります。
第1種特別加入保険料率は、中小事業主等の特別加入者に係る保険料率です。
条文上は次のように定められています。第1種特別加入者に係る事業についての一般保険料に係る労災保険率と同一の率から、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去3年間の二次健康診断等給付に要した費用の額を考慮して厚生労働大臣の定める率を減じた率とされています。
複雑に見えますが、構造は単純です。
第1種特別加入保険料率 = その事業の労災保険率 − (二次健康診断等給付の費用を考慮した率)
そして、現在この「二次健康診断等給付に要した費用の額を考慮して厚生労働大臣の定める率」はゼロとされています。したがって、現在の第1種特別加入保険料率は、同じ事業で働く労働者の労災保険率と同率ということになります。
なぜ二次健康診断等給付の分を差し引くのでしょうか。労災保険法で学んだとおり、特別加入者は二次健康診断等給付の対象になりません。給付を受けられない以上、その費用に相当する分の保険料を負担するのは筋が通らないからです。理由から逆算できる規定です。
試験では『第1種特別加入保険料率は、特別加入の承認を受けた中小事業主等が行う事業に適用される労災保険率から、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去3年間に発生した通勤災害に係る災害率を考慮して厚生労働大臣の定める率を減じた率とされている』という誤りの選択肢が出題されたことがあります。減じるのは通勤災害に係る災害率ではなく、二次健康診断等給付に要した費用の額を考慮した率です(法13条)。
簡単にいうと
残る2つは数字を覚えるだけです。第3種は1つしかありません。
第2種特別加入保険料率は、一人親方等の特別加入者に係る保険料率です。事業又は作業の種類に応じて、最高1,000分の52から最低1,000分の3までの間で定められています。
第3種特別加入保険料率は、海外派遣者である特別加入者に係る保険料率です。1,000分の3の一律です。
3つの保険料率を並べてみましょう。
・第1種(中小事業主等) … その事業の労災保険率と同一(実質)
・第2種(一人親方等) … 1,000分の52から1,000分の3まで、事業又は作業の種類に応じる
・第3種(海外派遣者) … 1,000分の3の一律
第2種だけが幅を持っているのは、一人親方等に含まれる業種が幅広いためです。建設の一人親方と個人タクシーの運転手とでは、危険の度合いがまったく違います。
第3種が一律なのは、海外派遣者の派遣先の事業がさまざまで、日本の事業の種類に当てはめて分類することが難しいからです。
数字の覚え方としては、第2種の下限と第3種がどちらも1,000分の3で同じ、と結びつけておくとよいでしょう。上限の52は第2種だけの数字です。
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建設業の中小事業主が特別加入する場合、その保険料率は建設業の労災保険率と同じになります。差し引く率が現在ゼロだからです。
試験のポイント
具体例
建設の一人親方は高めの率、個人タクシーの運転手は低めの率が適用されます。海外に派遣される社員はどこの国でも1,000分の3です。
試験のポイント
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