誰が加入するのか
健康保険には、被保険者本人だけでなく、その家族も保険証を使えるという大きな特徴があります。この家族が被扶養者です。国民健康保険には被扶養者という考え方がなく、世帯全員が被保険者になるので、ここは健康保険ならではの制度です。
被扶養者になれるかどうかは、続柄・生計維持・同一世帯・国内居住・収入の5つの角度から判定します。とくに「同一世帯が必要な親族と不要な親族」の線引きと、130万円・180万円という収入の数字が頻出です。
簡単にいうと
血の近さで線が引かれます。近い人ほど条件がゆるい、と考えると覚えやすくなります。
健康保険の被扶養者になるためには、次のいずれかに該当することが必要です。
・被保険者の直系尊属、配偶者、子、孫及び兄弟姉妹 … 主として生計を維持されていること+国内居住等の要件
・被保険者の3親等内の親族で上に該当しないもの … 主として生計を維持されていること+同一世帯+国内居住等の要件
・被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子 … 生計維持+同一世帯+国内居住等
・上の内縁の配偶者の死亡後における、その父母及び子 … 同上
最大のポイントは、最初のグループだけ同一世帯が不要だということです。直系尊属(父母・祖父母・曽祖父母)、配偶者、子、孫、兄弟姉妹は、別居していても生計を維持されていれば被扶養者になれます。
国内居住等の要件については、外国において留学をする学生その他、日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者も該当します。
具体例
地方で1人暮らしをしている被保険者の姉に仕送りをしている場合、兄弟姉妹は同一世帯が不要なグループなので、生計維持等の要件を満たせば被扶養者になれます。これが甥や姪であれば3親等内の親族となり、同居していなければ被扶養者になれません。

被扶養者になれる親族を3親等内で図にしたもの。ピンクが同一世帯不要のグループ、点線が同一世帯を必要とするグループです
試験のポイント
簡単にいうと
どこまでが3親等かを図で押さえると、判定が一気に速くなります。
被扶養者の範囲は3親等内の親族までです。親等の数え方を、被保険者を起点に整理します。
血族側
・1親等 … 父母、子
・2親等 … 祖父母、孫、兄弟姉妹
・3親等 … 曽祖父母、曽孫、伯叔父母、甥姪
姻族側(配偶者の親族、及び自分の血族の配偶者)
・1親等 … 配偶者の父母、子の配偶者
・2親等 … 配偶者の祖父母、配偶者の兄弟姉妹、孫の配偶者
・3親等 … 配偶者の曽祖父母、配偶者の甥姪、伯叔父母の配偶者、曽孫の配偶者
配偶者そのものは親等を数えません。0親等と考えます。
このうち、同一世帯が不要なグループ(直系尊属・配偶者・子・孫・兄弟姉妹)はすべて血族側です。配偶者の父母は1親等の姻族ですが、同一世帯が必要なグループに入る点を取り違えないようにしてください。
簡単にいうと
130万円未満、かつ被保険者の年収の2分の1未満。2つの条件を両方満たします。
被扶養者になろうとする者(認定対象者)の収入にも条件があります。同一の世帯に属しているかどうかで基準が変わります。
同一の世帯に属している場合は、次の両方を満たすことが必要です。
・認定対象者の年間収入が130万円未満であること
・被保険者の年間収入の2分の1未満であること
2つ目の条件があるため、収入が130万円未満でも、被保険者の収入が低ければ被扶養者になれないことがあります。「主として生計を維持されている」といえるためには、被保険者のほうが明らかに多く稼いでいる必要があるという考え方です。
ここでいう収入には年金による収入も含まれます。給与だけを見て判断してはいけません。
具体例
被保険者の年収が240万円、同居する配偶者のパート収入が125万円という場合、125万円は130万円未満ですが、被保険者の年収の2分の1である120万円を上回っているため、原則として被扶養者にはなれません。
簡単にいうと
別居なら比べる相手は仕送り額。年齢と障害の有無で上限も変わります。
同一の世帯に属していない場合の収入要件は次のとおりです。
・認定対象者の年間収入が130万円未満であること
・被保険者からの援助による収入額(いわゆる仕送り)より少ないこと
同居の場合と違い、比較する相手が「被保険者の年収の2分の1」ではなく「仕送り額」になります。仕送りより本人の収入のほうが多ければ、その人の生計は自分で立てていることになるからです。
さらに、次の場合には130万円という上限が180万円未満に引き上げられます。
・認定対象者が60歳以上の者である場合
・認定対象者が一定の障害者である場合
年金生活に入った親を扶養に入れる場面を想定した特例です。年金収入も収入に含まれるので、老齢年金の額をそのまま当てはめて判定します。
試験では「別居している父(65歳)が援助を受けている場合、援助の額にかかわらず被扶養者に該当する」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。別居のときは仕送り額との比較が必ず必要です。
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具体例
被保険者の配偶者の母、いわゆる義母を扶養に入れたい場合、義母は1親等の姻族なので同一世帯が必要です。実の母であれば直系尊属なので、別居して仕送りをしている形でも被扶養者になれます。
試験のポイント
試験のポイント
別居している70代の母の年金収入が160万円、被保険者からの仕送りが年170万円という場合、60歳以上なので上限は180万円未満、かつ仕送り170万円のほうが多いため、被扶養者として認定されます。
試験のポイント
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