届出と医療機関
健康保険で治療を受けられるのは、どの病院でもよいわけではありません。厚生労働大臣の指定を受けた保険医療機関で、大臣の登録を受けた保険医が診療することが前提になっています。
この節では、医師には「登録」、医療機関には「指定」という用語の使い分けと、6年という指定の有効期間、そして辞退や抹消に必要な1月以上の予告期間を押さえます。あわせて、大臣がどの協議会に諮問するのかも整理します。
簡単にいうと
人は登録、場所は指定。この対応関係が出題の骨格です。
健康保険の診療体制は、人と場所の両方に手続がかかる二重構造になっています。
人について。保険医療機関において健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師、又は保険薬局において健康保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた者でなければなりません。これが保険医・保険薬剤師です。
場所について。保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により、厚生労働大臣が行います。申請するのは開設者であって、勤務する医師ではありません。
やめるときの手続にも共通点があります。
・保険医又は保険薬剤師 … 1月以上の予告期間を設けて登録の抹消を求めることができる
・保険医療機関又は保険薬局 … 1月以上の予告期間を設けて指定の辞退をすることができる
試験では「14日以上の予告期間を設けて辞退・抹消できる」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。正しくはいずれも1月以上です。
具体例
開業医が健康保険の取扱いをやめたい場合、1か月以上前に予告して指定を辞退します。勤務医個人が保険診療から離れる場合も、1月以上の予告期間を置いて登録の抹消を求めます。
試験のポイント
簡単にいうと
6年ごとに更新。小さなところは黙っていても更新されます。
保険医療機関又は保険薬局の指定の効力は、指定の日から起算して6年を経過したときは、指定の更新をしない限り、その効力を失います。
ただし、一定の小規模な医療機関や保険薬局については自動更新の規定があります。保険医療機関(病院及び病床を有する診療所を除く)又は保険薬局であって一定のものについては、指定の効力を失う日前6月から同日前3月までの間に別段の申出がないときは、指定の申請があったものとみなされます。
自動更新の対象から外れるのは、病院と病床を有する診療所です。規模の大きい医療機関には、6年ごとにきちんと更新手続を求めるという建て付けになっています。
数字は「6年」「前6月から前3月までの間」の2つを押さえます。
具体例
無床の診療所であれば、指定切れの6か月前から3か月前までの間に特に申出をしなければ、自動的に更新申請があったものとみなされます。100床の病院であれば、この自動更新は使えません。
試験のポイント
簡単にいうと
ルールを作るときは中央、個別の指定は地方。この振り分けが問われます。
厚生労働大臣が健康保険の医療に関する決定をするときは、社会保険医療協議会に諮問しなければなりません。諮問先は事柄によって中央と地方に分かれます。
中央社会保険医療協議会に諮問するもの
・保険医療機関等の責務に係る厚生労働省令
・評価療養(一定のものは除く)又は選定療養
・診療報酬に関する定め など
地方社会保険医療協議会に諮問するもの
・保険医療機関若しくは保険薬局の指定を行おうとするとき
・その指定を取り消そうとするとき
全国共通のルールを決めるときは中央、個々の医療機関を指定したり取り消したりするときは地方、という切り分けです。
試験では「診療報酬の算定方法や評価療養・選定療養の定めをしようとするときは社会保障審議会に諮問する」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。正しくは中央社会保険医療協議会です。社会保障審議会は別の場面(都道府県単位保険料率の変更)で登場するので、混同しないよう注意します。
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具体例
新しい医療技術を評価療養として認めるかどうかを決めるときは中央社会保険医療協議会に、ある薬局を保険薬局として指定するかどうかを決めるときは地方社会保険医療協議会に諮問します。
試験のポイント
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