費用の負担
保険料は労使が半分ずつ負担し、事業主がまとめて納めます。この原則を軸に、資格を得た月・失った月の扱い、育児休業や産前産後休業の免除、そして任意継続被保険者に特有の前納までを整理します。
「その月の保険料がかかるのかかからないのか」「免除はいつからいつまでか」という月単位の感覚が問われる分野です。カレンダーを思い浮かべながら読んでください。
簡単にいうと
半分ずつ負担して、納めるのは事業主。ただし任意継続は全部自分です。
被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の2分の1を負担します。ただし、任意継続被保険者は全額を負担します。
例外として、健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができます。従業員の負担を軽くし、会社側が多めに持つことができるということです。全国健康保険協会には、このような規定はありません。
納付義務者は次のとおりです。
・事業主 … その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う
・任意継続被保険者 … 自己の負担する保険料を納付する義務を負う
被保険者本人が直接保険者に納めるのではなく、事業主が本人負担分も含めてまとめて納める仕組みです。だからこそ、次に見る源泉控除の規定が必要になります。
具体例
保険料額が月4万円であれば、被保険者と事業主が2万円ずつ負担します。健康保険組合が規約で「事業主6割・被保険者4割」と定めていれば、被保険者の負担は1万6千円に下がります。
試験のポイント
簡単にいうと
同じ月に入って辞めたらかかる。前月から続いていて辞めたらかからない。
被保険者資格の得喪が生じる月の保険料には、次のルールがあります。
・前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合 … その月分の保険料はかからない
・被保険者の資格を取得した月において資格を喪失した場合(いわゆる同月得喪) … その月分の保険料がかかる
月末に在籍しているかどうかが基本の判断軸ですが、同月得喪だけは例外的に1か月分が発生します。
源泉控除についても決まりがあります。事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除することができます。被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料を控除できます。
通常は前月分を当月の給与から引く形ですが、退職月だけは前月分と当月分の2か月分をまとめて控除できるということです。
具体例
4月20日に入社して4月28日に退職した人には、4月分の保険料がかかります。逆に3月から在籍していて4月10日に退職した人には、4月分の保険料はかかりません。
簡単にいうと
始めた月から、終わる日の翌日が属する月の前月まで。ここを正確に。
育児休業等をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、保険者等に申出をしたときは、その育児休業等を開始した日の属する月から、その育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、保険料が免除されます。
産前産後休業についても同じ形です。産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月から、その産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、保険料が免除されます。
開始側が「開始した日の属する月から」である点が重要です。試験では「開始した日の属する月の翌月から」とする誤りの選択肢が出題されたことがあります。
さらに、同一月内で育児休業等を取得し、その日数が合計14日以上の場合には、末日が休業でなくても免除対象とされます。短期間の育児休業を取りやすくするための規定です。
免除されるのは被保険者負担分だけではありません。事業主負担分も含めて免除されます。
具体例
4月10日から育児休業を開始し、翌年3月20日に終了した場合、免除されるのは4月分から翌年2月分までです。終了日の翌日である3月21日が属する3月の前月、すなわち2月までが対象になります。
簡単にいうと
翌月末日が原則、任意継続だけ当月10日。前納すると年4分で割り引かれます。
保険料の納付について、次の点を押さえます。
納付期限は、被保険者に関する毎月の保険料が翌月末日までです。ただし、任意継続被保険者に関する保険料については、その月の10日(初めて納付すべき保険料については保険者が指定する日)までとされています。翌月末日と当月10日という違いに注意してください。
繰上充当という仕組みもあります。保険者等は、納入の告知をした保険料額や納付義務者から納付を受けた保険料額が、当該納付義務者が納付すべき保険料額を超えている場合は、その超えている部分について、納入の告知又は納付日の翌日から6か月以内の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたものとみなすことができます。過大に受け取った分を返すのではなく、向こう6か月で調整するという趣旨です。
任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができます。前納により、年4分の利率で計算した割引額が適用されます。前納された保険料については、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされます。
口座振替については、厚生労働大臣は、納付義務者から口座振替納付を希望する旨の申出があった場合、その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが保険料の徴収上有利と認められるときに限り、承認することができます。
具体例
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