費用の負担
保険料が納められないとき、保険者はどう動くのか。督促状を出し、それでも納まらなければ国税滞納処分の例によって処分し、遅れた日数に応じて延滞金を取ります。
数字は労働保険徴収法とよく似ていますが、微妙に違います。延滞金の軽減される期間や、繰上徴収が働く場面など、科目をまたいで比較しながら押さえてください。
簡単にいうと
10日以上を経過した日を期限にすること。これが督促状のルールです。
保険料等を滞納する者があるときは、保険者等は、督促状によって期限を指定して、督促しなければなりません。「できる」ではなく「しなければならない」という義務規定です。
督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならないとされています。発した翌日にすぐ払え、という督促はできません。
それでも納付されない場合、保険者等は、納付義務者が所定の事項に該当するときは、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村に対して、その処分を請求することができます。
自ら差押え等を行う道と、市町村に処分を頼む道の2つが用意されているということです。
なお、保険料等の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとされています。他の債権より優先されますが、税金には劣後します。
具体例
5月31日が納期限の保険料が納まらず、6月5日に督促状を発する場合、指定できる期限は6月15日以降です。それでも納まらなければ、国税滞納処分の例により財産を差し押さえることができます。
試験のポイント
簡単にいうと
年14.6%が原則、最初の3か月だけ年7.3%。数え始めは納期限の翌日です。
督促をしたときは、保険者等は、徴収金額に、納期限の翌日から徴収金完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6%の割合を乗じて計算した延滞金を徴収します。
ただし軽減があります。当該督促が保険料に係るものであるときは、当該納期限の翌日から3か月を経過する日までの期間については、年7.3%です。
押さえる数字は3つです。
・原則の割合 年14.6%
・軽減される割合 年7.3%
・軽減される期間 納期限の翌日から3か月を経過する日まで
労働保険徴収法では軽減期間が2か月であるのに対し、健康保険は3か月です。数字を入れ替えた出題に注意してください。
なお、督促期限までに滞納分をすべて払い終えた場合には、延滞金は徴収されません。督促を受けても、指定された期限内に納めれば延滞金は発生しないということです。
計算の基礎となる日数は、納期限の翌日から徴収金完納又は財産差押えの日の前日までです。督促状で指定した期限からではありません。
簡単にいうと
会社が解散したり滞納処分を受けたりしたら、期限前でも全部徴収できます。
保険料は、次のような場合には、納期限を待たずにすべて徴収することができます。
・納付義務者が国税の滞納によって滞納処分を受けたとき
・納付義務者が解散したとき
・被保険者の使用される事業所が廃止されたとき
いずれも、放っておくと徴収そのものが不可能になりかねない場面です。財産が散逸したり法人格が消えたりする前に、まとめて徴収してしまうという趣旨になります。
試験では、法人である保険料納付義務者が解散をした場合には保険者は納期前であってもすべての保険料を徴収することができる、という記述が正しいものとして出題されています。
なお、繰上徴収は「徴収することができる」という規定であり、必ず行わなければならないものではありません。督促が「しなければならない」という義務規定であるのとは語尾が異なります。
具体例
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納期限が5月31日の保険料を滞納し、指定期限を6月20日とする督促を受けたものの、実際に完納したのが7月31日であった場合、延滞金の計算は6月1日から7月30日までの日数によって行われます。
試験のポイント
試験のポイント
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