標準報酬月額と標準賞与額
ボーナスからも健康保険料は引かれます。その計算の基礎になるのが標準賞与額です。月々の標準報酬月額とは別に、賞与を受けたときにその都度決まります。
この節では、何が賞与で何が報酬なのかという線引きと、年度累計573万円という上限を扱います。「3か月を超える期間ごとに受けるもの」という定義を軸にすると、通勤手当の扱いのようなひっかけにも対応できます。
簡単にいうと
支給の間隔が3か月を超えるかどうか。それだけで扱いが変わります。
健康保険では、労働の対償として受けるもののうち、3か月を超える期間ごとに受けるものを賞与といい、それ以外を報酬といいます。名称ではなく支給の間隔で決まる点が重要です。
この線引きから、次のような結論が導かれます。
・年2回の夏季・冬季賞与 … 支給間隔が6か月なので賞与
・6か月ごとにまとめて支給される通勤手当 … 賞与ではなく報酬として扱われる
・毎月支給される諸手当 … 報酬
6か月分の通勤定期代をまとめて渡す会社は多いのですが、これは賞与にはなりません。通勤手当はもともと毎月発生する性質のものを前払いしているにすぎないからです。まとめ払いされた分は各月に割り振って報酬として扱われます。
報酬に当たれば標準報酬月額の計算に入り、賞与に当たれば標準賞与額として別に保険料がかかります。どちらでも保険料はかかりますが、入る箱が違うということです。
具体例
4月と10月に3か月分ずつ支給される特別手当は、支給間隔が6か月なので賞与になります。一方、4月に半年分の通勤定期代を渡した場合は、賞与ではなく報酬として各月に割り振られます。
試験のポイント
簡単にいうと
ボーナスがいくら多くても、保険料がかかるのは年間573万円までです。
標準賞与額には上限があります。年度の累計で573万円です。
この上限は保険者単位で適用されます。年度の途中で転職して保険者が変わった場合、新しい保険者のもとではゼロから累計をやり直すことになります。
標準賞与額は、賞与を受けるたびにその都度決まります。実際に支払われた賞与額から1,000円未満を切り捨てた額が標準賞与額となり、そこに保険料率を掛けて保険料を算出します。
事業主は、被保険者に賞与を支払った場合、支払った日から5日以内に賞与支払届を提出しなければなりません。この届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
なお、厚生年金保険の標準賞与額の上限は1回あたり150万円であり、健康保険の年度累計573万円とは考え方そのものが違います。混同しやすいので並べて確認してください。
具体例
夏に300万円、冬に350万円の賞与を受けた被保険者の場合、累計650万円のうち573万円までが保険料の対象になり、それを超える77万円分には健康保険料はかかりません。
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