出産・死亡と資格喪失後の給付
被保険者や被扶養者が亡くなったときに支給されるのが埋葬料です。額は一律5万円と単純ですが、誰に支給されるのかという受給権者の話がこの節の中心になります。
埋葬料と埋葬費、そして家族埋葬料。3つの違いは「受け取る人」と「額の決まり方」にあります。生計維持関係が必要かどうか、同一世帯が必要かどうかまで含めて整理します。
簡単にいうと
生計を維持されていた人。実際に埋葬したかどうかは問いません。
被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対して、埋葬料として5万円が支給されます。
ここでいう「埋葬を行うもの」とは、埋葬の事実のいかんにかかわらず、埋葬を行うべきものをいうのであって、現実に埋葬を行うもの又は行ったものではありません。実際に手を動かした人ではなく、社会通念上その立場にある人が受給権者だということです。
もう一つ重要なのが「生計を維持していた者」の範囲です。この判断について、被保険者と同一世帯にあったか否かは問われません。別居していても、生計を維持されていれば受給権者になります。
試験では「埋葬料の対象者は当該被保険者と同一世帯であった者に限られる」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。同一世帯は要件ではありません。
なお、被扶養者に該当していたかどうかも問われません。被扶養者の要件を満たさない程度の収入があっても、生計の一部を維持されていれば足ります。
具体例
別居して仕送りを受けていた母が、被保険者である息子を亡くした場合、同一世帯でなくても生計を維持されていたといえるので、母に埋葬料5万円が支給されます。
試験のポイント
簡単にいうと
受け取る人がいないときは、実際に埋葬した人へ実費が出ます。
被保険者が死亡した際に埋葬料の支給を受けるべき者がいない場合においては、実際に埋葬を行った者に対し、埋葬料の金額(5万円)の範囲内において、その埋葬に要した実費相当分が支給されます。これが埋葬費です。
埋葬料との違いは3つあります。
・受給者 … 埋葬料は生計を維持していた者、埋葬費は現実に埋葬を行った者
・額 … 埋葬料は一律5万円、埋葬費は5万円の範囲内の実費
・順序 … 埋葬料の受給者がいない場合にはじめて埋葬費が問題になる
身寄りのない被保険者が亡くなり、知人や勤務先が葬儀を行ったような場面が想定されています。かかった費用が3万円であれば3万円、7万円であれば上限の5万円までが支給されます。
埋葬に要した費用として認められるのは、霊柩車代、霊柩運搬代、火葬料、僧侶への謝礼など、埋葬そのものに直接要した費用です。
具体例
簡単にいうと
支給されるのは被保険者に対して。死産児は対象外です。
被保険者の被扶養者が死亡したときは、家族埋葬料として、被保険者に対し5万円が支給されます。
額は埋葬料と同じ5万円ですが、受給権者は被保険者本人です。被扶養者向けの給付は被保険者に支給されるという原則がここでも貫かれています。
注意点は対象の限定です。家族埋葬料を支給するのは被扶養者の死亡に限られます。したがって、死産児については、そもそも被扶養者ではないため家族埋葬料は支給されません。
一方で、妊娠4か月以上であれば死産であっても出産育児一時金は支給されます。同じ出来事について、一方の給付は出て、もう一方は出ないという形になるので、この組合せは繰り返し出題されています。
また、家族埋葬料には埋葬費に相当する制度がありません。被保険者が生きている以上、受け取る人がいないという事態が生じないためです。
具体例
被扶養者である父が亡くなった場合、被保険者に家族埋葬料5万円が支給されます。妊娠5か月で死産となった場合は、家族埋葬料は支給されず、出産育児一時金だけが支給されます。
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試験のポイント
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