出産・死亡と資格喪失後の給付
労災保険では、退職しても受給権はすべて守られます。健康保険はそこまで手厚くありませんが、3つの場面に限って資格喪失後の保険給付が用意されています。
傷病手当金・出産手当金の継続給付、資格喪失後の埋葬料、資格喪失後の出産育児一時金。3つとも現金給付で、いずれも「引き続き1年以上の被保険者期間」が共通の入口になります。
簡単にいうと
辞める前からもらっていたなら、辞めたあとも続きます。
傷病手当金又は出産手当金の継続給付は、次の2つの要件のいずれにも該当する者に対して支給されます。
・被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上当然被保険者であったこと
・被保険者の資格を喪失した際に、傷病手当金又は出産手当金の支給を受けていること
支給額や支給期間は原則どおりです。傷病手当金なら「その支給を始めた日から通算して1年6か月間」で終了します。資格を喪失した日から1年6か月ではない点が繰り返し問われています。
事業主から報酬を受けているため傷病手当金又は出産手当金の支給が停止されている者は、その者が資格を喪失し、事業主より報酬を受けなくなれば、当然にその日より支給されます。「支給を受けている」には、報酬との調整で止まっている状態も含まれるということです。
任意継続被保険者であっても、要件を満たす限り傷病手当金の継続給付を受けることができます。ただし特例退職被保険者については、傷病手当金の継続給付を受けることができません。
また、傷病手当金の継続給付の支給を受けるべき者が老齢関連の年金の支給を受けることができるときは、傷病手当金は支給されません。
具体例
8年勤めた会社を病気で退職した人が、在職中から傷病手当金を受けていた場合、退職後も残りの期間について受け続けられます。支給開始から数えて通算1年6か月に達した時点で終了します。
試験のポイント
簡単にいうと
退職後3か月以内の死亡なら、最後の保険者から埋葬料が出ます。
次の3つのいずれかに該当する場合、被保険者であった者により生計を維持していた者であって埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができます。支給額は埋葬料と同じ一律5万円です。
・傷病手当金又は出産手当金の継続給付を受けている者が死亡したとき
・傷病手当金又は出産手当金の継続給付を受けていた者が、その給付を受けなくなった日後3か月以内に死亡したとき
・被保険者であった者が資格を喪失した日後3か月以内に死亡したとき
2つ目の要件が重要です。継続給付を受けなくなった日から3か月以内であれば、資格喪失から3か月を過ぎていても埋葬料が支給されます。
試験では、資格喪失後の継続給付として傷病手当金を受けていた者が資格喪失から3か月を経過した後に死亡した場合について、「死亡日が傷病手当金を受けなくなった日後3か月以内であっても埋葬料の支給を受けることはできない」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。起算点が資格喪失日なのか給付を受けなくなった日なのかを見極める必要があります。
具体例
退職から1年後まで傷病手当金の継続給付を受け、その終了から2か月後に亡くなった場合、資格喪失からは1年2か月経っていますが、継続給付を受けなくなった日から3か月以内なので埋葬料が支給されます。
簡単にいうと
退職後6か月以内の出産まで。本人分か家族分かは選べます。
次の2つの要件をいずれも満たした場合は、最後の保険者より出産育児一時金の支給を受けることができます。
・被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上当然被保険者であったこと
・被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に出産したこと
支給額は、被保険者が出産した場合の出産育児一時金と同じです。
ここで問題になるのが、退職して配偶者の被扶養者になっている場合です。被保険者資格喪失後6か月以内に出産した者が健康保険の被扶養者になっているときは、被保険者本人として資格喪失後の出産育児一時金を受給するか、被扶養者として家族出産育児一時金を受給するかは、請求者の選択によるものとされています。
両方を重ねて受け取ることはできませんが、どちらか有利なほうを選べるということです。
具体例
3年勤めた会社を妊娠中に退職し、夫の被扶養者になった人が退職の4か月後に出産した場合、自分がかつて加入していた保険者から資格喪失後の出産育児一時金を受けるか、夫の保険者から家族出産育児一時金を受けるかを選べます。
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試験のポイント
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