誰が加入するのか
健康保険の被保険者は4種類あります。当然被保険者、任意継続被保険者、特例退職被保険者、日雇特例被保険者です。このうち中心になるのが、適用事業所に使用されることで法律上当然に被保険者となる当然被保険者です。
この節では、どんな立場の人が当然被保険者になり、どんな人がならないのかを具体例で押さえます。あわせて、資格の取得と喪失に効力を与える「確認」の仕組みも見ておきます。
簡単にいうと
まず全体の見取り図から。名前だけでも先に頭に入れておくと迷いません。
健康保険の被保険者には次の4種類があります。
・当然被保険者 … 適用事業所に使用される者(適用除外に当たる者を除く)が、法律上当然に被保険者となるもの
・任意継続被保険者 … 退職後も引き続き同じ保険者の給付を受けられる制度を利用する者
・特例退職被保険者 … 特定健康保険組合において、退職者が加入するもの
・日雇特例被保険者 … 日雇労働者に係る特別な扱いを受けるもの
学習の重点は当然被保険者と任意継続被保険者の2つに置きます。試験でもこの2つが繰り返し問われます。
当然被保険者は「使用される」ことがすべての出発点です。雇用契約書があるかどうかではなく、実態として労務を提供し、その対償として報酬を受けているかどうかで判断されます。
具体例
アルバイトであっても、正社員と同じ時間だけ働いて給与を受けていれば、適用除外に当たらない限り当然被保険者になります。名称が「パート」「嘱託」であることは判断を左右しません。
試験のポイント
簡単にいうと
社長は入る、個人事業主は入らない。この線引きの理由を押さえます。
実際の場面ごとに、当然被保険者になるかどうかを整理します。
・個人事業主 … 「適用事業所に使用される者」ではないため、被保険者となりません
・法人の代表者・役員 … 法人から労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者となります。理事、監事、取締役、代表社員等でも同じです
・派遣労働者 … 派遣元事業所において被保険者となります
・外国人労働者 … 国籍要件はないため、適用事業所に使用されれば被保険者となります
・試用期間中の者 … 試用期間の初日から被保険者となります
個人事業主と法人の代表者で結論が分かれるのは、法人が事業主で代表者はそこに使用される側だ、という法人格の考え方によるものです。
具体例
個人でカフェを営むオーナーは自分では健康保険に入れず、国民健康保険を使います。ところが同じ人が株式会社を設立して自ら代表取締役となり、会社から役員報酬を受け取るようになれば、その時点で健康保険の被保険者になります。
簡単にいうと
法律上は被保険者。でも給付は受けない。ややこしいのはこの2つです。
判断がすっきりしない2つのケースを押さえておきます。
第一に公務員です。国や地方公共団体は強制適用事業所であり、公務員は適用除外の規定にも入っていません。したがって、法律上は健康保険の被保険者に当たります。ところが公務員は共済制度の短期給付、すなわち共済組合による医療給付を受けられるため、健康保険が行う保険給付の対象からは外れます。「被保険者ではあるが給付は受けない」という整理です。
第二に、日本にある大使館に勤務する者です。原則として強制適用の対象とはなりませんが、当該大使館が事業主としての諸義務(届出や保険料納付など)を遵守する旨の覚書が取り交わされることを条件として、被保険者として取り扱うこととされています。
具体例
市役所の職員は健康保険の被保険者に当たりますが、実際に医療を受けるときは市町村職員共済組合の短期給付を使います。健康保険から療養の給付を受けることはありません。
試験のポイント
簡単にいうと
届出を出しただけでは終わりません。確認があってはじめて効力が生じます。
被保険者の資格の取得及び喪失は、厚生労働大臣又は健康保険組合の確認によって、その効力を生じます。届出という事実だけで自動的に権利義務が動くのではなく、保険者等の確認という行為が挟まる構造です。
確認に至るルートは3つあります。
・被保険者の資格の取得及び喪失に関する事業主からの届出
・被保険者又は被保険者であった者からの請求
・保険者等の職権
被保険者側から請求できるという点が重要です。被保険者は、自分の資格の取得及び喪失について確認したいときは、いつでも保険者等にその確認を請求することができます。保険者等は、その請求に係る事実がないと認めるときは、その請求を却下しなければなりません。
ここでいう保険者等とは、協会が管掌する健康保険の被保険者については厚生労働大臣、健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者については当該健康保険組合を指します。
具体例
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試験のポイント
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