保険料と費用の負担
保険料の免除は全部で7種類あります。要件に該当すれば当然に免除される法定免除が1つ、申請して初めて免除される申請免除が6つという内訳です。
国民年金で最も出題が多い分野のひとつで、計算問題としても出ます。申請全額免除の所得要件は式を覚えていないと解けないので、数式の形まで押さえておきます。
簡単にいうと
法定免除が1つ、申請免除が6つ。名称は「免除される割合」を指します。
保険料の免除は、要件に該当することで法律上当然に保険料が免除される法定免除(1種類)と、要件に該当したうえで申請することで免除される申請免除(6種類)に分かれます。
・法定免除 … 全額
・申請全額免除 … 全額
・申請4分の3免除 … 4分の3
・申請半額免除 … 2分の1
・申請4分の1免除 … 4分の1
・学生の保険料の納付特例 … 全額
・50歳未満の保険料納付猶予 … 全額
名称は「免除される割合」を表しています。申請4分の3免除なら4分の3が免除され、残る4分の1を納めるということです。ここを取り違えると年金額の計算がすべて狂います。
注意点として、任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者は、すべての保険料の免除を受けることができません。自ら進んで加入した人なので、免除の対象外という整理です。
7種類のうち学生納付特例と50歳未満納付猶予の2つだけは、老齢基礎年金の額に1円も反映されません。受給資格期間には算入されるものの、年金額は増えないという性格を持っています。
具体例
申請半額免除を受けている人は、本来の保険料の半分を納めます。年金額には4分の3が反映されるので、まったく納めない場合の2分の1よりは有利です。

免除・猶予・産前産後を8つ並べた表。免除される割合と、老齢基礎年金に残る割合の対応を一望できます
試験のポイント
簡単にいうと
該当した月ではなく、その前月から免除が始まります。
第1号被保険者が次のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月から、これに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料が免除されます。
・障害関連年金の受給権者となったとき
・生活保護法による生活扶助を受けるとき
・特定の施設に入所しているとき
始まりが「前月から」である点に注意してください。他の制度では「当月から」や「翌月から」が多いので、ここは独特です。
生活扶助については限定があります。生活保護法による生活扶助以外の扶助(医療扶助等)のみを受けた場合は、法定免除の対象となりません。生活そのものを支えられている状態が要件だということです。
届出も必要です。第1号被保険者は、法定免除の事由に該当するに至ったとき又は該当しなくなったときは、当該事実があった日から14日以内に、市町村長に届書を提出しなければなりません。ただし、法定免除の事由に該当することが確認されたときは提出を要しません。
もうひとつ重要な規定があります。法定免除により納付不要とされた保険料について、本人から保険料を納付する旨の申出があったときは、その期間の保険料は免除されません。後々のことを考えて今のうちに納めておきたい、という場合には法定免除が解除されるということです。
簡単にいうと
全額免除と50歳未満納付猶予だけ、計算式の形が違います。
申請免除は6つありますが、要件の考え方はほぼ同じです。申請全額免除を例にとると、次のいずれかに該当する第1号被保険者等から申請があったときに、厚生労働大臣が指定する期間の保険料が免除されます。
・前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて政令で定める額以下であるとき
・被保険者又はその世帯の他の世帯員が生活保護法による生活扶助以外の扶助その他の援助を受けるとき
・地方税法に定める障害者・寡婦その他市町村民税が課されない者として政令で定める者であって、前年の所得が135万円以下であるとき
・保険料を納付することが著しく困難である場合として天災その他の事由があるとき
所得要件の「政令で定める額」は、免除の種類によって次のように変わります。
・申請全額免除/50歳未満納付猶予 … (扶養親族等の数+1)×35万円 + 32万円
・申請4分の3免除 … (扶養親族等の数)×(原則)38万円 + 88万円
・申請半額免除/学生納付特例 … (扶養親族等の数)×(原則)38万円 + 128万円
・申請4分の1免除 … (扶養親族等の数)×(原則)38万円 + 168万円
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障害基礎年金を受け始めた自営業者は、受給権を取得した月の前月から保険料が免除されます。ただし将来の老齢基礎年金を満額にしたいと考えれば、申出をして納付することもできます。
試験のポイント
全額免除と50歳未満納付猶予だけ計算式の形が違います。扶養親族等の数に1を足してから35万円を掛け、32万円を足すという形です。他の4つは扶養親族等の数に38万円を掛けて、加算額を足すだけになります。
加算額は免除の割合が小さくなるほど上がっていきます。88万円、128万円、168万円と40万円ずつ増えていく並びです。
過去問では、夫45歳・妻40歳・子3人の5人世帯で夫のみに前年所得210万円がある場合が問われました。扶養親族等の数は4人なので、(4+1)×35万円+32万円=207万円が上限です。210万円は207万円を超えるので、全額免除は受けられません。
具体例
扶養親族が3人いる第1号被保険者の場合、申請全額免除の所得上限は(3+1)×35万円+32万円=172万円になります。前年の所得がこれ以下なら全額免除を申請できます。
試験のポイント
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