障害基礎年金
障害認定日に等級に該当していなければ、それで終わりというわけではありません。あとから重くなった場合、複数の障害を合わせて初めて等級に届いた場合、そもそも被保険者になる前に初診日があった場合。この3つに救済の道が用意されています。
名前が似ていて混同しやすいので、「受給権がいつ発生するか」と「いつまでに請求できるか」の2点で切り分けます。この2点さえ押さえれば、あとは自然に整理できます。
簡単にいうと
あとから重くなったケース。請求が65歳の前日までに間に合うかどうかが勝負です。
障害認定日に2級以上の障害等級になくても、65歳到達の前日までに2級以上に達し、かつその期間内に請求すれば、障害基礎年金を受けることができます。これを事後重症による障害基礎年金といいます。
最大の特徴は、請求することによって初めてその受給権が発生するという点です。通常の障害基礎年金が障害認定日に自動的に受給権が発生するのとは、構造がまったく違います。
そのため、請求が65歳到達の前日までに間に合わなければ受けられません。要件を満たしているのに請求を忘れていた、という場合に救われないということです。
支給は請求があった月の翌月から始まります。さかのぼって支給されるわけではない点も、通常の障害基礎年金との違いになります。
試験では「障害認定日後から65歳に達する日までの間に該当するに至った場合、その期間内に請求することができる」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。正しくは「65歳に達する日の前日まで」です。一日の差が問われます。
具体例
障害認定日には軽度で等級に該当しなかった人が、その後症状が進んで62歳のときに2級に該当したとします。このとき請求すれば、請求した月の翌月から障害基礎年金が支給されます。
試験のポイント
簡単にいうと
複数の障害を合わせて初めて2級以上に届いたケース。請求期限がありません。
傷病が複数発生した場合において、それら1つ1つは軽度な障害であっても、65歳到達の前日までにそれらを併せて2級以上の障害等級に該当するときは、障害基礎年金を受けることができます。これを基準障害による障害基礎年金といいます。
事後重症との決定的な違いは、受給権の発生時期です。基準障害は要件を満たしたときに受給権が発生します。請求は受給権発生の要件ではありません。
その結果、請求の期限にも違いが出ます。事後重症は65歳に達する日の前日までに請求しなければなりませんが、基準障害は65歳以後であっても請求することができます。
試験では「65歳に達する日の前日までに併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当したとしても、その請求を65歳に達した日以後に行うことはできない」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。基準障害なら65歳以後でも請求できます。
両者を並べると、違うのは受給権の発生時期と請求の期限の2点だけです。障害の状態が65歳に達する日の前日までに該当することと、支給が請求のあった月の翌月からであることは共通しています。
具体例
先に片方の目に障害が残り、あとから反対の目にも障害が出て、合わせて2級に該当したとします。この場合は要件を満たした時点で受給権が発生しているので、66歳になってから請求しても受けられます。
簡単にいうと
被保険者になる前に初診日があったケース。国年ならではの制度です。
20歳前の傷病による障害に基づく障害基礎年金とは、まだ被保険者となっていない20歳前に初診日があることによる障害基礎年金をいいます。
支給が始まる時期は次のように分かれます。
・障害認定日以後に20歳に達したとき … 20歳に達した日の属する月の翌月から
・障害認定日が20歳に達した日後であるとき … その障害認定日の属する月の翌月から
要するに「障害認定日」と「20歳到達日」のうち遅いほうの翌月から支給されます。
この給付は保険料を1円も納めていなくても支給されます。国民年金法が「保険給付」ではなく「給付」と呼ばれる理由の代表例です。
ただし、保険料を拠出していない以上、他の障害基礎年金にはない独自の絞りがかかります。次のいずれかに該当すると支給が停止されます。
・労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付を受けることができるとき
・日本国内に住所を有しないとき
・受給権者の前年の所得が政令で定める額を超えるとき
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試験のポイント
所得については、額に応じて年金の全額が停止されたり、2分の1が停止されたりします。
過去問では、19歳のときに初診を受けて現在も治療が続いている25歳の人について、20歳に達した日に受給権が発生するとする誤りの選択肢が出題されました。傷病が治っていない以上、障害認定日は初診日から1年6月を経過した日であり、それが20歳に達した日より後なので、障害認定日に受給権が発生します。
具体例
生まれつきの障害がある人は、20歳に達した日に等級に該当していれば、20歳に達した日の属する月の翌月から障害基礎年金を受けられます。就労して所得が一定を超えると、その分の支給が止まります。
試験のポイント
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