保険料と費用の負担
国民年金の財源は保険料だけではありません。基礎年金の給付費のうち半分は国庫が負担しています。全額免除を受けた期間でも年金額に2分の1が反映されるのは、この国庫負担があるからでした。
この節では、国庫負担の割合と事務費の扱い、そして積立金がどう運用されているのかを押さえます。積立金の運用は厚生年金保険法とほぼ同じ仕組みなので、あわせて覚えられます。
簡単にいうと
第1号被保険者に係る額の2分の1。免除者の年金を支えているのもこのお金です。
国庫は、毎年度、当該年度における保険料・拠出金算定対象額のうちの一定額のうち、第1号被保険者に係る額の2分の1に相当する額を負担しています。
ここでいう保険料・拠出金算定対象額とは、基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金)の給付に要する費用の総額のうち一定のものをいいます。ただし、保険料免除期間に係る老齢基礎年金の額及び20歳前の傷病による障害に基づく障害基礎年金の額のうち特別国庫負担金の対象となる額は除かれます。
免除期間の年金がゼロにならない仕組みは、この財源の内訳を見るとわかります。
・納付済 … 保険料・拠出金財源が2分の1、国庫負担が2分の1
・4分の1免除 … 財源7分の3、国庫負担7分の3、特別国庫負担金7分の1
・半額免除 … 財源3分の1、国庫負担3分の1、特別国庫負担金3分の1
・4分の3免除 … 財源5分の1、国庫負担5分の1、特別国庫負担金5分の3
・全額免除 … 全額が特別国庫負担金
免除が重くなるほど特別国庫負担金の割合が上がり、全額免除では反映される2分の1のすべてが特別国庫負担金でまかなわれます。
厚生年金保険では、国庫が基礎年金拠出金の額の2分の1に相当する額を負担します。どちらも基礎年金部分の半分を国庫が持つという点で一貫しています。
具体例
全額免除を10年受けた人の老齢基礎年金には5年分が反映されますが、その財源はすべて特別国庫負担金です。他の加入者の保険料から出ているわけではありません。
試験のポイント
簡単にいうと
都道府県には事務費交付金が行きません。ここが問われます。
国庫は、毎年度、予算の範囲内で、国民年金事業の事務の執行に要する費用を負担しています。
さらに、政府は、市町村に対し、市町村長が国民年金法又は国民年金法に基づく政令の規定によって行う事務の処理に必要な費用を、事務費交付金として交付しています。
注意点があります。都道府県に対してはこのような規定がなく、事務費交付金の交付は行われません。
国民年金事業の事務の一部は市町村長が行うこととされているため、その費用を国が手当てするという構造です。第1号被保険者の届出先が市町村長になっているのも、この仕組みの一部でした。都道府県は事務を担っていないので、交付金の対象にもならないということです。
事務費の国庫負担について「予算の範囲内で」という限定がついている点も押さえておきます。給付費の2分の1が義務的な負担であるのに対し、事務費は予算の枠内で、という書きぶりの違いです。
健康保険では、事務費の国庫負担が協会と組合の双方に対して行われていました。国年では市町村への事務費交付金という形をとる点が違います。
具体例
簡単にいうと
運用するのは被保険者の利益のため。受給権者のためではありません。
積立金を市場で運用し、その運用収入を年金給付に活用することで、将来世代の保険料負担が大きくならないようにしています。
重要なのは運用の目的です。国民年金の受給権者ではなく、被保険者の利益のために行うべきとされています。すでに年金を受け取っている人のためではなく、これから受け取る人のための運用だということです。
運用の方法は次のとおりです。積立金の運用は、厚生労働大臣が、上記の目的に沿った運用に基づく納付金の納付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に対し、積立金を寄託することにより行われています。専門性のある第三者機関に委託しているということです。
運用に携わる職員にも義務があります。積立金の運用に係る行政事務に従事する厚生労働省の職員(運用職員)は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはなりません。これに違反した場合には、厚生労働大臣はその職員に対し国家公務員法に基づく懲戒処分をしなければならないとされています。
懲戒処分の根拠が国民年金法ではなく国家公務員法である点が問われます。
厚生年金保険では、運用職員の範囲が厚生労働省・財務省・総務省・文部科学省の4省に広がります。共済組合の所管省庁が絡むためで、国年より広くなっています。
具体例
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試験のポイント
GPIFが国内外の株式や債券で運用した収益は、将来の年金給付の財源になります。これにより現役世代の保険料負担が抑えられる、という仕組みです。
試験のポイント
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