届出と記録
国民年金の届出は、健康保険の「原則5日以内」とは基準が違います。国年は14日以内が基本で、届出先も第1号被保険者なら市町村長です。
この節では、第1号と第3号でどう届出先が分かれるのか、第2号にはなぜ国年法の届出規定が適用されないのかを整理します。あわせて、第3号だけに用意されている2つの特例の届出と、届出が遅れたときの遡及のルールも見ていきます。国民年金原簿とねんきん定期便もここで扱います。
簡単にいうと
住んでいる市区町村の窓口が受付です。世帯主が代わりに出すこともできます。
第1号被保険者は、次の事項を、いずれも14日以内に、市町村長に届け出なければなりません。
・資格の取得及び喪失
・種別の変更
・氏名及び住所の変更
健康保険の届出が原則5日以内であったのに対し、国民年金は14日以内が基本です。届出先も日本年金機構ではなく市町村長になります。これは国民年金事業の事務の一部を市町村長が行うこととされているためです。
もうひとつ特徴があります。第1号被保険者の属する世帯の世帯主は、当該被保険者に代わって届出をすることができます。本人が出せない事情があっても、世帯主が代行できる仕組みです。
この「世帯主が代わって届け出ることができる」という点は、あとで学ぶ保険料の連帯納付義務ともつながっています。世帯主は第1号被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負うので、届出も代行できるという整理です。
具体例
20歳になった大学生が国民年金の資格を取得した場合、本人が市区町村の窓口に届け出るほか、親が世帯主として代わりに届け出ることもできます。
試験のポイント
簡単にいうと
第2号の届出は厚生年金保険の側で済むので、国年法の規定は使いません。
第3号被保険者は、次の事項を、いずれも14日以内に、厚生労働大臣に届け出なければなりません。
・資格の取得及び喪失
・種別の変更
・氏名及び住所の変更
配偶者である第2号被保険者が会社員であれば、その会社(事業主)を経由して届出を行います。この場合、事業主は健康保険組合に事務を委託することができますが、全国健康保険協会に委託することはできません。
一方、第2号被保険者については、国民年金法の届出の規定は適用されません。第2号被保険者の届出は厚生年金保険で行われるからです。厚生年金保険の資格取得届を出せば、それがそのまま国民年金の第2号被保険者としての記録にもなる、という関係になります。
つまり国民年金で届出が問題になるのは、第1号(市町村長へ)と第3号(厚生労働大臣へ)の2つだけです。
具体例
簡単にいうと
扶養から外れたときと、配偶者の勤め先の制度が変わったとき。名前が紛らわしいので区別します。
第3号被保険者には、原則の届出のほかに2つの特例が用意されています。
第一に、被扶養配偶者非該当届です。次のいずれかに該当した場合、当該事実があった日から14日以内に厚生労働大臣へ届け出ます。
・配偶者である第2号被保険者と離婚したため被扶養配偶者でなくなった場合
・第3号被保険者の収入が増加し、被扶養配偶者に該当しなくなった場合
第二に、種別確認の届出です。配偶者である第2号被保険者について事務の管掌者たる実施機関の変更があった場合に、14日以内に提出します。たとえば配偶者が会社を退職して翌日から公務員になった、公務員を辞めて民間企業に転職した、といった場面です。
この2つは名前が似ていますが、性質がまったく違います。被扶養配偶者非該当届は第3号でなくなる場面の届出です。これに対し種別確認の届出は、第3号被保険者自体には種別の異動がありません。だから「種別変更届」ではなく「種別確認の届出」という名前になっています。
離婚したときは、この非該当届と、第1号被保険者への種別変更届(市町村長へ)の2つが必要になります。どちらか一方では足りません。
具体例
簡単にいうと
2年はさかのぼれます。それより前は平成17年4月1日で扱いが変わります。
第3号被保険者となったことに関する資格取得届、種別変更届又は種別確認届を出し忘れていた場合、原則としてまず2年間はさかのぼることができます。
2年前より前の期間については、次のように分かれます。
・平成17年4月1日前の期間 … 届出の遅滞につきその事由を問わず、さかのぼることができる
・平成17年4月1日以後の期間 … 届出の遅滞につきやむを得ない事由があると認められる場合のみ、さかのぼることができる
記録の管理についても押さえておきます。厚生労働大臣は国民年金原簿を備え、被保険者の氏名、資格の取得及び喪失、種別の変更、保険料の納付状況、基礎年金番号その他の事項を記録します。被保険者又は被保険者であった者は、記録が事実でないと思うときは、厚生労働大臣に対し訂正の請求をすることができます。
なお、第2号被保険者のうち第2号厚生年金被保険者から第4号厚生年金被保険者(公務員・私学教職員)については、国民年金原簿への記録管理は行われていません。各共済組合等が記録を管理するためです。
厚生労働大臣は、制度への国民の理解を増進させ信頼を向上させるため、被保険者に保険料納付の実績及び将来の給付に関する情報を通知します。これがねんきん定期便で、原則として誕生月に届きます。35歳、45歳、59歳のときはより詳細なデータが封書で、それ以外ははがきで届きます。
具体例
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試験のポイント
第3号被保険者だった妻が離婚した場合、市町村長へ第1号被保険者への種別変更届を出すとともに、元夫の勤務先の事業主を経由して被扶養配偶者非該当届を提出します。
試験のポイント
第3号被保険者の届出を5年間忘れていた場合、直近2年分はそのまま遡れますが、それより前の3年分は、平成17年4月1日以後の期間であればやむを得ない事由が認められない限り遡れません。
試験のポイント
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