給付の通則
年金はいつからいつまで支給され、実際にはいつ振り込まれるのか。ここは国民年金法と厚生年金保険法でまったく同じルールなので、一度覚えれば2科目分になります。
この節では、月を単位とする支給期間、偶数月の年6期という支払期月、そして3段構えの端数処理を押さえます。「翌月から」「月まで」という言い回しの使い分けが正誤を分けるので、条文の書きぶりごと記憶するのが安全です。
簡単にいうと
始まりは翌月、終わりはその月。入口と出口で扱いが違います。
年金給付の支給は、月を単位として行われます。支給事由が生じた日の属する月の翌月から始まり、その権利が消滅した日の属する月で終わります。
始まりが「翌月」、終わりが「その月」です。この非対称が最初のポイントになります。65歳の誕生日を迎えた月からではなく、その翌月から支給が始まります。逆に亡くなった月は、1日しか生きていなくても1か月分が支給されます。
支給停止についても同じ考え方です。年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給が停止されます。
試験では「支給を停止すべき事由が生じた日の属する月の翌月にその事由が消滅した場合は、支給を停止しない」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。事由が生じた月の翌月から停止が始まるので、翌月に事由が消滅したのであれば、その翌月の1か月分だけが停止されます。停止されないわけではありません。
具体例
4月10日に65歳になった人は、5月分から老齢基礎年金が支給されます。逆に7月2日に亡くなった人には、7月分まで支給されます。
試験のポイント
簡単にいうと
2月・4月・6月・8月・10月・12月。年6回、それぞれ前月までの分が届きます。
年金給付は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の年6期に、それぞれの前月までの分が支払われます。
つまり偶数月に、その前月までの2か月分がまとめて振り込まれる形です。4月に支払われるのは2月分と3月分ということになります。
毎月支給ではないので、支給が始まる月と実際に振込がある月はずれます。5月分から支給が始まる人は、6月に5月分が支払われることになります。
この支払期月のルールも、厚生年金保険法とまったく同じです。国年と厚年の両方で年6期・偶数月と押さえておけば足ります。
具体例
8月に振り込まれるのは6月分と7月分です。年金は後払いなので、その月の分がその月に届くわけではありません。
試験のポイント
簡単にいうと
年額で四捨五入、各回で切捨て、切り捨てた分は2月に足す。この順番です。
年金額の端数処理は、次の3段階で行われます。
第一に、年金給付額については1円未満を四捨五入します。50銭未満を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げるということです。
第二に、年金は偶数月の年6回に分けて支給されるので、端数処理された年金給付額をさらに端数処理します。これを各支払期月の支払額の端数処理といい、1円未満を切り捨てます。
第三に、切り捨てたままにはしません。毎年3月から翌年2月までの間の各支払期月において切り捨てた金額の合計額(1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた額)については、これを当該2月の支払期月の年金額に加算します。
つまり1年かけて切り捨てた端数が、2月の支払いでまとめて戻ってくるという設計です。切り捨てっぱなしにしない配慮がここに表れています。
この端数処理も厚生年金保険法と共通です。
具体例
各支払期月で1円ずつ切り捨てられていた場合、3月から翌年2月までの1年間で6円が積み上がり、その6円が2月の支払期月の年金額に加算されます。
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