誰が加入するのか
強制被保険者になれない人でも、自分から手を挙げれば国民年金に入れる道があります。それが任意加入被保険者と特例による任意加入被保険者です。
2つは名前が似ていますが、目指しているものが違います。任意加入は「老齢基礎年金を満額に近づける」ため、特例任意加入は「受給資格期間を満たして受給権そのものを取りにいく」ためのものです。この目的の違いが、年齢要件や資格喪失の場面の違いにそのまま表れます。
簡単にいうと
満額の480月に届かせるための制度。目指すのは年金額の上積みです。
強制被保険者とされない者であっても、年金受給権を取得するため又は将来受け取る年金額を増額するために、厚生労働大臣に申し出ることで任意に国民年金に加入することができます。
対象は次の3パターンです。
・日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者
・日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者
・日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の者
3つとも、いずれも第1号被保険者になることができない者です。それでも任意に加入する道が開かれているということになります。
この制度の最終目的は、老齢基礎年金を満額受給することです。満額には480月(40年)の保険料納付済期間が必要ですが、就職が遅かったり海外に住んでいた期間があったりすると届きません。その穴を埋めるための制度です。
なお、国内居住者である最初の2パターンは、原則として口座振替によって保険料を納付しなければなりません。
具体例
海外の現地法人で働いていて日本の厚生年金保険に入っていない30代の会社員は、日本国籍があれば3つ目のパターンで任意加入できます。加入しておけば、その期間が保険料納付済期間として積み上がります。
試験のポイント
簡単にいうと
65歳を過ぎても受給権がない人のための救済。狙うのは10年です。
老齢関連の年金の受給権を有しない一定の65歳以上の者は、厚生労働大臣に申し出ることで任意に国民年金に加入することができます。これが特例による任意加入被保険者です。
対象は次の2パターンです。
・日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の者
・日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満の者
いずれも老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付等の受給権を有しない者に限られます。
この制度が目指すのは、老齢年金の受給権を取得することです。老齢基礎年金は受給資格期間(10年)を満たさなければ1円も受け取れません。65歳になっても10年に届かなかった人が、あと少し加入して受給資格期間を満たすための制度です。
通常の任意加入が「満額を目指す」制度であるのに対し、特例任意加入は「ゼロを1にする」制度だと考えるとわかりやすくなります。国内居住者は原則として口座振替で納付する点は共通です。
具体例
簡単にいうと
480月に届いた日と、65歳・70歳になった日。ここは「その日」に切れます。
任意加入被保険者も特例による任意加入被保険者も、いつでも厚生労働大臣に申し出て資格を喪失することができます。喪失の時期は事由によって「その日」と「翌日」に分かれます。
任意加入被保険者
・翌日に喪失 … 死亡したとき
・その日に喪失 … 65歳に達したとき/厚生年金保険法の被保険者の資格を取得したとき/資格喪失の申出が受理されたとき/所定の月数を合算した月数が480に達したとき
特例による任意加入被保険者
・翌日に喪失 … 死亡したとき/老齢関連の年金たる給付の受給権を取得したとき
・その日に喪失 … 70歳に達したとき/厚生年金保険の被保険者の資格を取得したとき/資格喪失の申出が受理されたとき
480月到達で「その日」に喪失するのは、老齢基礎年金を満額受給することが確定した瞬間だからです。目的を達したのだからそれ以上加入する必要がない、という理屈になります。
注意したいのは、特例任意加入だけ「老齢関連の年金たる給付の受給権を取得したとき」が翌日喪失に入っている点です。受給権を取りにいく制度なので、取れた時点で役目が終わるわけです。
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試験のポイント
具体例
18歳から60歳まで厚生年金保険に加入し続けた人は、60歳の時点で保険料納付済期間が480月に達しています。そのため任意加入被保険者になることはできません。
試験のポイント
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