老齢基礎年金
老齢基礎年金の満額は「780,900円 × 改定率」です。これは保険料納付済期間が480か月(40年)そろっている場合の額で、足りなければその分だけ減ります。
おもしろいのは免除を受けた期間の扱いです。保険料を全額免除された期間でも、年金額には2分の1が反映されます。まったくのゼロにならないのはなぜか。その答えが国庫負担にあります。この節では免除の種類ごとの反映割合と、その裏側にある財源の仕組みを見ていきます。
簡単にいうと
780,900円に改定率を掛けた額。これが40年分そろったときの姿です。
老齢基礎年金の額(満額)は、780,900円に改定率を乗じて得た額です。この額が支給されるのは、保険料納付済期間が480か月ある場合になります。
480か月は40年です。20歳から60歳までの40年間、まったく穴を空けずに保険料を納めた人が満額を受け取れる、という設計になっています。
保険料納付済期間が480か月に足りない場合、たとえば滞納期間があったり保険料免除の期間があったりする場合には、満額から減らされていきます。
計算の考え方はシンプルで、480分のいくつを満たしたか、という割合を満額に掛ける形です。ただし免除期間については、その種類ごとに何割としてカウントするかが変わります。ここが次のテーマになります。
なお、任意加入被保険者は所定の月数を合算した月数が480に達したときにその日で資格を喪失します。満額が確定した以上、それ以上加入する意味がないからです。
具体例
20歳から35年間だけ保険料を納めた人は、420月÷480月の割合で計算されるため、満額のおよそ8分の7の額になります。
試験のポイント
簡単にいうと
全額免除でも2分の1。ゼロにならないのがポイントです。
保険料免除を受けた期間は、その種類によって年金額への反映割合が変わります。
・保険料納付済期間 … 1(満額)
・4分の1免除期間 … 8分の7
・半額免除期間 … 4分の3
・4分の3免除期間 … 8分の5
・全額免除期間 … 2分の1
免除の名称は「免除される割合」を表しています。4分の1免除なら4分の1が免除され、残る4分の3を納めるということです。納める割合が大きいほど、年金額への反映も大きくなります。
注目したいのは全額免除です。保険料を1円も納めていないのに、年金額には2分の1が反映されます。
なぜかというと、国庫負担があるからです。基礎年金の給付費のうち2分の1は国庫が負担しているため、保険料を納めていなくても国庫が持つ半分は確保されている、という理屈になります。
この点は、学生納付特例や50歳未満納付猶予とはっきり違います。この2つは免除の一種でありながら、年金額への反映はゼロです。追納しない限り年金額は増えません。だからこそ、追納するときはこの2つを最優先で納めることとされています。
簡単にいうと
免除が重いほど、国が持つ割合が上がっていきます。
免除期間の年金額がゼロにならない理由は、財源の内訳を見るとはっきりします。
国庫は、毎年度、保険料・拠出金算定対象額のうちの一定額のうち、第1号被保険者に係る額の2分の1に相当する額を負担しています。基礎年金の半分は国が持っているということです。
免除区分ごとの内訳を追うと、次のようになります。
・納付済 … 保険料・拠出金財源が2分の1、国庫負担が2分の1
・4分の1免除 … 財源が7分の3、国庫負担が7分の3、特別国庫負担金が7分の1
・半額免除 … 財源が3分の1、国庫負担が3分の1、特別国庫負担金が3分の1
・4分の3免除 … 財源が5分の1、国庫負担が5分の1、特別国庫負担金が5分の3
・全額免除 … 全額が特別国庫負担金
免除が重くなるほど、特別国庫負担金の割合が上がっていきます。全額免除では反映される2分の1のすべてが特別国庫負担金でまかなわれる、という構造です。
つまり「免除を受けた人の年金は、国のお金で支えられている」ということになります。この財源の話を知っておくと、なぜ免除の種類ごとに反映割合が階段状になっているのかが腑に落ちます。
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具体例
全額免除を10年間受けた人は、その10年分が5年分として年金額に反映されます。まったくの空白になるわけではありません。
試験のポイント
具体例
全額免除を受けた期間の年金は、その全額が特別国庫負担金でまかなわれています。保険料を納めた人の財源とは別のお金が使われているわけです。
試験のポイント
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