届出と記録
被保険者の記録は原簿で管理されます。国民年金では厚生労働大臣が国民年金原簿を備えましたが、厚生年金保険では実施機関が備えます。
そして訂正の請求ができるのは第1号厚生年金被保険者だけです。第2号以下は各共済組合等が独自に記録を管理しているためで、ここが確認の規定の適用範囲とも重なります。
簡単にいうと
国年は厚生労働大臣、厚年は実施機関。主体が変わります。
実施機関は、被保険者に関する原簿を備え、これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬、基礎年金番号その他主務省令で定める事項を記録しなければならないとされています。
国民年金では「厚生労働大臣は、国民年金原簿を備え」と規定されていました。厚生年金保険では実施機関が主体になります。
記録される事項も少し違います。国民年金原簿には保険料の納付状況が記録されますが、厚生年金保険の原簿には標準報酬が記録されます。第1号被保険者が自分で保険料を納める国年と、事業主が給与から天引きして納める厚年の違いが表れています。
実施機関が主体になるのは、被保険者の種別ごとに事務の担当者が分かれているからです。会社員の記録は厚生労働大臣(日本年金機構)が、地方公務員の記録は地方公務員共済組合が管理する、という形になります。
具体例
会社員の厚生年金保険の記録は日本年金機構が管理し、私立学校教職員の記録は日本私立学校振興・共済事業団が管理します。
試験のポイント
簡単にいうと
第2号から第4号は共済組合等が管理しているため対象外です。
第1号厚生年金被保険者であり又はあった者は、原簿に記録された自己に係る特定厚生年金保険原簿記録が事実でない、又は原簿に自己に係る特定厚生年金保険原簿記録が記録されていないと思料するときは、厚生労働大臣に対し当該原簿の訂正の請求をすることができます。
ここでいう特定厚生年金保険原簿記録とは、第1号厚生年金被保険者の資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬その他厚生労働省令で定める事項の内容をいいます。
請求できるのは第1号厚生年金被保険者だけです。試験では、第2号厚生年金被保険者であった者はその期間について訂正の請求をすることができない、という記述が正しいものとして出題されています。
この限定は、確認の規定の適用範囲と重なります。第1号厚生年金被保険者の資格の取得及び喪失は厚生労働大臣の確認によって効力を生じますが、第2号から第4号にはこの規定が適用されませんでした。記録の管理も訂正も、共済組合等が独自に行っているということです。
国民年金でも同じ構造がありました。第2号厚生年金被保険者以下については、国民年金原簿への記録管理が行われていません。国年と厚年の両方で「第2号厚年被保険者以下は別扱い」という共通のパターンが出てきます。
なお、訂正に関する厚生労働大臣の権限は地方厚生局長に委任されています。
具体例
簡単にいうと
国民年金とまったく同じ規定です。主体だけ実施機関になります。
実施機関は、厚生年金保険制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報をわかりやすい形で通知するものとされています。これがねんきん定期便です。
条文の内容は国民年金法とまったく同じで、主体が厚生労働大臣から実施機関に変わるだけです。
ねんきん定期便は原則として誕生月に届きます。年齢が35歳、45歳、59歳のときにはより詳細なデータが封書で届き、それ以外の年齢のときははがきで届きます。
国民年金と厚生年金保険の両方に加入している人には、両方の記録がまとめて記載された1通が届きます。制度としては別々の規定に基づいていますが、実務上は一体で運用されているということです。
「国民の理解を増進させ、その信頼を向上させるため」という目的の書きぶりも国年と共通です。年金記録問題を受けて、加入者が自分の記録を確認できる仕組みを整えるという趣旨で置かれた規定になります。
具体例
会社員として20年、自営業として10年働いた人のねんきん定期便には、厚生年金保険の記録と国民年金の記録の両方が記載されます。
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会社員時代の標準報酬の記録が実際と違うと気づいた人は、厚生労働大臣に訂正を請求できます。同じことを国家公務員時代の記録について求めることはできません。
試験のポイント
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