費用の負担と不服申立て
厚生年金保険の保険料率は全国一律で1,000分の183です。健康保険が保険者ごとに1,000分の30から130の範囲で決めるのとは違い、どこに勤めていても同じ率になります。
保険料の負担・免除・納付の仕組みは健康保険とほぼ同じですが、1つだけ違いがあります。健康保険組合は規約で事業主の負担割合を増やせますが、厚生年金保険にはその規定がありません。
簡単にいうと
第4号だけまだ統一されておらず、令和9年4月に統一予定です。
保険料額は次の式で計算します。
保険料額 = 標準報酬月額 × 保険料率 + 標準賞与額 × 保険料率
保険料率は、原則として1,000分の183に統一されています。
ただし第4号厚生年金被保険者(私立学校教職員)の保険料だけは、まだ統一されていません。令和9年4月に統一される予定です。
健康保険と比べると次のようになります。
・健康保険 … 1,000分の30から1,000分の130の範囲内で保険者が決定(協会は都道府県ごと、組合は組合ごと)
・厚生年金保険 … 原則として1,000分の183に統一
健康保険では地域や保険者によって率が違いますが、厚生年金保険は全国一律です。医療費の水準が地域で異なるのに対し、年金給付は全国共通の計算式で決まるからです。
被保険者資格の得喪が生ずる月の扱いも押さえておきます。
・前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合 … その月分の保険料はかからない
・被保険者の資格を取得した月において資格を喪失した場合(同月得喪) … その月分の保険料がかかる
健康保険とまったく同じルールです。
具体例
標準報酬月額30万円の人の保険料は30万円×183/1,000で54,900円になり、労使で半分ずつ負担します。東京でも大阪でも同じ額です。
試験のポイント
簡単にいうと
健保組合には事業主負担を増やす規定がありますが、厚年にはありません。
被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の2分の1を負担します。
そして事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負います。被保険者本人が直接納めるのではなく、事業主がまとめて納付する仕組みです。
ここに健康保険との違いがあります。健康保険では、健康保険組合が規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができました。厚生年金保険にはこのような規定がありません。
試験では「第1号厚生年金被保険者及び当該被保険者を使用する事業主はそれぞれ厚生年金保険料の半額を負担するが、事業主は自らの負担すべき保険料額の負担の割合を増加することができる」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。任意で事業主の負担割合を増加させることはできません。
例外として、高齢任意加入被保険者には独自の扱いがあります。適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者は、事業主の同意がなければ保険料の全額を負担し、自ら納付する義務を負います。事業主が同意すれば折半になります。
また、任意単独被保険者の資格取得に同意した事業主は、保険料の半額を負担し納付義務を負います。
具体例
簡単にいうと
育休と産休の免除、翌月末日の納付期限。健康保険と同じです。
保険料の免除は2つあります。
育児休業等期間中の保険料免除は、育児休業等をしている被保険者が使用される事業所の事業主が保険者等に申出をしたときに、その育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間について行われます。期間中における報酬の支払いの有無は問われません。さらに、同一月内で育児休業等を取得しその日数が合計14日以上の場合には、末日が休業でなくても免除対象とされます。
産前産後休業期間中の保険料免除も同じ形で、産前産後休業を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月までの期間について行われます。
いずれも健康保険とまったく同じ規定です。
納付についても押さえます。被保険者に関する毎月の保険料は、翌月末日までに納付しなければなりません。
繰上充当という仕組みもあります。厚生労働大臣は、納入の告知をした保険料額や納付を受けた保険料額が納付すべき保険料額を超えている場合は、その超えている部分について、納入の告知又は納付日の翌日から6か月以内の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたものとみなすことができます。過大に請求していた分を差し戻したり還付したりせず、向こう6か月で調整するという趣旨です。試験では「1年以内」とする誤りの選択肢が出題されたことがあります。
源泉控除については、事業主は被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合に、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(その事業所に使用されなくなった場合においては前月及びその月の分)を報酬から控除することができます。この実施に関して、厚生労働大臣に対する申出及びその承認は必要とされていません。
動画・テキスト・過去問・図解まですべて網羅!
予備校代の1/10以下で、独学の不安をまるごと解決できます
試験のポイント
口座振替については、厚生労働大臣は納付が確実と認められ、かつ徴収上有利と認められるときに限り、申出を承認することができます。
具体例
4月10日から育児休業を開始して翌年3月20日に終了した人は、4月分から翌年2月分までの保険料が免除されます。健康保険料も同時に免除されます。
試験のポイント
プレミアムプラン
¥7,800/ 購入日から1年間有効(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。