標準報酬月額と標準賞与額
標準報酬月額を決めるルートは3つあります。年に一度の定時決定、入社時の資格取得時決定、そして大きく報酬が動いたときの随時改定です。
この3つの仕組みは健康保険とまったく同じで、決定する者が「保険者等」ではなく「実施機関」になる点だけが違います。17日という報酬支払基礎日数の扱いが定時決定と随時改定で逆になる、という論点もそのまま共通します。
簡単にいうと
7月1日現在の全員が対象。9月から翌年8月まで使います。
定時決定とは、7月1日現在の全社員を対象とした年に一度の標準報酬月額の見直しです。
具体的には、4月・5月・6月に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、実施機関が標準報酬月額を決定します。
ただし必ずしも3か月平均になるとは限りません。継続した3月間のいずれかの月の報酬支払基礎日数が17日未満(短時間労働者である被保険者にあっては11日未満)である場合には、その月を除いて報酬月額を算定します。3か月のうち1か月を除けば2か月平均、2か月を除けば1か月だけで算定することになります。
決定された標準報酬月額の有効期間は、その年の9月から翌年の8月までです。
健康保険との違いは、決定する者が「保険者等(厚生労働大臣又は健康保険組合)」ではなく「実施機関」である点だけです。仕組みそのものは同じなので、健保で覚えたことがそのまま使えます。
具体例
4月が20日、5月が21日、6月が15日の報酬支払基礎日数だった場合、6月を除いて4月と5月の2か月平均で報酬月額を算定します。
試験のポイント
簡単にいうと
定時決定と17日の扱いが逆になります。一字違いで正誤が変わります。
随時改定は、年に一度の定時決定を待てないときに行われるものです。次の要件をすべて満たすことが必要になります。
・固定的賃金の変動又は賃金体系の変更があったこと
・継続した3月間のいずれの月も報酬支払基礎日数が17日以上(短時間労働者である被保険者にあっては11日以上)であること
・3月間の報酬の総額の平均額が、既に決定されている従前の標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて著しく高低(原則として2等級以上の差)を生じたこと
・保険者等が必要があると認めるとき
定時決定との違いが日数の扱いです。定時決定は17日未満の月を除いて計算しますが、随時改定は3か月すべてが17日以上でなければそもそも行われません。1か月でも17日未満の月があれば、随時改定はなされないということです。
条文の書きぶりも「いずれの月も」であって「いずれかの月」ではありません。試験では「継続した3月間のいずれかの月における報酬支払基礎日数が17日以上であること」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。一字違いで正誤が変わります。
改定後の標準報酬月額は、昇給月又は降給月から数えて4か月目から適用されます。
具体例
簡単にいうと
入社時に見込額で決めます。有効期間は健保と同じ形です。
資格取得時決定は、被保険者資格取得の際に新しく標準報酬月額が決定されることをいいます。
まだ4月から6月の実績がない人について、報酬の見込額をもとに等級を当てはめます。
有効期間は資格を取得した時期によって変わります。
・1月1日から5月31日までに資格を取得した者 … その年の8月まで
・6月1日から12月31日までに資格を取得した者 … 翌年の8月まで
いずれも「8月まで」で終わり、9月から定時決定の結果に切り替わります。この形は健康保険とまったく同じです。
被保険者期間の計算とあわせて押さえておくと、入社から最初の定時決定までの流れが見通せます。2月に入社した人は、その年の8月まで資格取得時決定の額を使い、9月からは4月・5月・6月の実績に基づく定時決定の額に切り替わる、という流れです。
10月に入社した人は4月から6月の実績がないので、翌年の8月まで資格取得時決定の額を使い続けることになります。
具体例
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10月に基本給が上がり、10月・11月・12月のいずれも報酬支払基礎日数が17日以上で3か月平均が2等級上がった場合、翌年1月から新しい標準報酬月額が適用されます。11月だけ16日だったなら、随時改定は行われません。
試験のポイント
3月に入社した人の標準報酬月額はその年の8月まで使われ、9月から定時決定の結果に切り替わります。10月に入社した人は翌年8月まで資格取得時決定の額のままです。
試験のポイント
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