障害厚生年金と障害手当金
障害厚生年金の額は、老齢厚生年金の報酬比例部分と同じ式で計算します。ただし2つの特徴があり、どちらも障害給付ならではのものです。
給付乗率が定率で生年月日の読み替えがないこと、そして被保険者期間の月数が300に満たないときは300月とみなすこと。若くして障害を負った人が不利にならないための工夫になります。
簡単にいうと
1級は2級の1.25倍。配偶者加給年金額は1級と2級だけです。
障害厚生年金の額は、老齢厚生年金の報酬比例部分の額をベースに、等級によって次のように変わります。
・1級 … 平均標準報酬額×5.481/1,000×被保険者期間の月数×125/100 + 配偶者加給年金額
・2級 … 平均標準報酬額×5.481/1,000×被保険者期間の月数 + 配偶者加給年金額
・3級 … 平均標準報酬額×5.481/1,000×被保険者期間の月数
1級が2級の1.25倍になる点は障害基礎年金と同じです。
配偶者加給年金額は、障害の程度が障害等級1級又は2級に該当する者に支給される障害厚生年金に加算されます。額は224,700円に改定率を乗じて得た額で、生計を維持している65歳未満の配偶者があるときに加算されます。
注意点が2つあります。
・障害等級3級に該当する者に支給される障害厚生年金には、配偶者加給年金額は加算されない
・子の加給年金額はない
子の加算は障害基礎年金の側に付きます。1級・2級であれば障害基礎年金も支給されるので、そちらで子の加算を受けることになります。厚年側は配偶者だけ、しかも1級と2級だけ、という整理です。
3級には障害基礎年金がありません。そのため3級の受給権者は障害厚生年金だけを受け、配偶者加給年金額も子の加算も受けられないということになります。
具体例
2級の障害厚生年金を受ける人に60歳の妻と高校生の子がいる場合、厚年から配偶者加給年金額が、国年の障害基礎年金から子の加算が支給されます。3級ならどちらも付きません。

障害基礎年金と障害厚生年金の対比表。子の加算は基礎、配偶者加給は厚生という付き方の違いが一目で分かります
試験のポイント
簡単にいうと
若くして障害を負っても不利にならないための2つの工夫です。
障害厚生年金の額には2つの特徴があります。
第一に、給付乗率(1,000分の5.481)は定率であり、生年月日に応じた読み替えは行われません。老齢厚生年金では昭和21年4月1日以前生まれの者について読み替えがありましたが、障害厚生年金にはありません。
なお、総報酬制導入前(平成15年3月以前)は1,000分の7.125、導入以降(平成15年4月以降)は1,000分の5.481とされています。これは期間による区分であって、生年月日による読み替えとは別の話です。
第二に、被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300月とします。300月は25年です。
この300月みなしが重要な意味を持ちます。22歳で就職して25歳で障害を負った人は、実際の被保険者期間が36月しかありません。そのまま計算すると年金額はごくわずかになってしまいます。そこで300月あったものとみなして計算する、という救済です。
障害基礎年金では、そもそも保険料の納付期間の長短にかかわらず定額(2級で780,900円×改定率)でした。厚年は報酬比例なので額が動いてしまうため、この300月みなしで下支えしているということです。
発想は同じで、突発的に降りかかる障害という保険事故に対しては、加入実績の長短で差をつけない、という考え方になります。
試験では、障害等級1級の額について「老齢厚生年金の額の計算の例により計算した額(月数が300に満たないときは300とする)の100分の125に相当する額」という記述が正しいものとして出題されています。
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具体例
24歳で障害を負った会社員の被保険者期間が24月しかなくても、300月として計算されます。実際の12.5倍の期間で計算されることになります。
試験のポイント
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