基本手当をつかむ
基本手当は1日いくら出るのか。それを決めるのが賃金日額と給付率です。
この節では、支給が始まるまでの待期7日間と、金額の計算方法を扱います。労災保険の待期3日と混ざりやすいところなので、数字は科目名とセットで覚えてください。
簡単にいうと
求職の申込みをしても、すぐには出ません。7日間の助走期間があります。
基本手当は、受給資格者が求職の申込みをした日以後において、失業している日が通算して7日に満たない間は支給されません。この7日間を待期期間といいます。
ここでいう失業している日には、疾病又は負傷のため職業に就くことができない日も含まれます。体調を崩していた日も待期のカウントに入るということです。
押さえるべき点が2つあります。
・起算点は求職の申込みをした日以後であること(離職日からではない)
・「通算して」7日であること(連続している必要がない)
2つ目が特徴的です。途中でアルバイトをして失業していない日が挟まっても、失業している日を足していって7日になればよいという数え方をします。
労災保険の待期3日と混同しないようにしてください。
・労災保険(休業補償給付・休業給付) … 待期3日、第4日目から支給
・雇用保険(基本手当) … 待期7日、通算して7日を超えてから支給
さらに、後で学ぶ給付制限がある場合には、この待期7日が明けてからさらに1か月または3か月間支給されないことになります。待期と給付制限は別の制度で、順番に働くという関係です。
具体例
求職の申込みをした後、途中で3日間アルバイトをした場合、その3日は失業している日にあたらないため、待期の完成はその分だけ後ろにずれます。
試験のポイント
簡単にいうと
計算式はシンプルです。ただし「何を入れて何を入れないか」で差がつきます。
基本手当の日額は、賃金日額を基礎として算定されます。
賃金日額とは、原則として、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6か月に支払われた賃金の総額を180で除して得た額です。
・分子 … 最後の6か月に支払われた賃金の総額
・分母 … 180(6か月×30日)
この賃金の総額には、臨時に支払われる賃金や、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含まれません。つまり賞与は入りません。
労災保険の平均賃金も賞与を含まない点は同じですが、労災保険が「直前3か月の賃金総額÷その期間の総日数」だったのに対し、雇用保険は「最後の6か月÷180」です。期間も割る数も違うので、対比して覚えてください。
試験では『基本手当の日額の算定に用いる賃金日額の計算に当たり算入される賃金は、原則として、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の3か月間に支払われたものに限られる』という誤りの選択肢が出題されたことがあります。正しくは最後の6か月間です(法17条1項)。
なお、賃金が日給、時給、出来高払制その他の請負制によって定められている場合には、別の計算式を用いる場合もあります。
簡単にいうと
高すぎても低すぎても調整されます。上限だけは年齢で4段階に分かれます。
賃金日額には、上限額と下限額(最低保障額)が定められています。
下限額は年齢を問わず一律ですが、上限額は受給資格者の離職日における年齢階層によって異なります。年齢階層は次の4つです。
・30歳未満
・30歳以上45歳未満
・45歳以上60歳未満
・60歳以上65歳未満
押さえておきたいのは、上限額がいちばん高いのは45歳以上60歳未満、いちばん低いのは30歳未満だという点です。
単純に年齢が上がるほど高くなるのではなく、45歳から60歳未満をピークにして、60歳以上65歳未満では下がるという山型になっています。働き盛りで家族を養う負担が重い年代を厚く保護する、という考え方です。
年齢の基準日は離職日である点も確認しておきましょう。受給中に誕生日を迎えても、上限額の階層が動くわけではありません。
なお、この年齢階層による区分は、後で学ぶ所定給付日数の区分とも似ていますが、まったく同じではありません。所定給付日数では60歳以上65歳未満も含めて5つの階層に分かれる表があります。混同しないようにしてください。
簡単にいうと
賃金日額に率を掛けて完成です。率が下がる年齢層が1つあります。
基本手当の日額は、賃金日額に給付率を乗じて得た額です。
給付率の上限は80%です。そして下限は年齢によって異なります。
・60歳未満の受給資格者 … 50%
・60歳以上65歳未満の受給資格者 … 45%
給付率は賃金日額が低い人ほど高くなる仕組みになっています。もともとの賃金が低い人ほど生活に困るため、手厚く保障するという考え方です。逆に賃金日額が高い人は、下限に近い率になります。
数字の押さえどころは、上限80%は共通で、下限だけが50%と45%に分かれるという点です。60歳以上65歳未満だけが45%まで下がります。
もう1つ、失業認定期間中に仕事をした日の扱いも見ておきましょう。基本手当は失業している日に支給されるものなので、仕事をした日には原則として支給されません。
ただし例外があります。短時間就労、具体的には1日の労働時間が4時間未満のものである場合は、その収入額によっては基本手当が支給されることがあります。少しだけ働いたからといって、その日の生活保障をまるごと打ち切るのは酷だからです。
4時間という線引きが基準になっている点を押さえてください。
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月給30万円の人が6か月分で180万円を受け取っていた場合、賃金日額は180万円÷180で1万円になります。この間に賞与が出ていても計算には含めません。
試験のポイント
具体例
同じ月給60万円で離職しても、50歳の人と28歳の人とでは賃金日額の上限が違うため、基本手当の日額にも差が出ます。
試験のポイント
具体例
賃金日額1万円で給付率60%が適用されるなら、基本手当の日額は6,000円です。認定期間中に3時間だけアルバイトをした日は、収入額によっては基本手当が支給されることがあります。
試験のポイント
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