基本手当以外の求職者給付
求職者給付は基本手当だけではありません。一般被保険者だった人には、基本手当に上乗せされる手当と、基本手当に代わる手当が用意されています。
この節ではその3種類を扱います。「加えて支給される」のか「代えて支給される」のかという違いが、そのまま出題ポイントになります。
簡単にいうと
訓練に通う人への上乗せです。受講手当と通所手当の2種類があります。
技能習得手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練を受ける場合に、その期間について、基本手当に加えて支給される給付です。
「加えて」という点が重要です。基本手当と技能習得手当は両方受け取れます。
技能習得手当は次の2種類に分かれます。
・受講手当
公共職業訓練を受講した日ごとに支給されます。日額は500円で、40日分を限度に支給されます。イメージとしては昼食代にあたるものです。
・通所手当
公共職業訓練が行われる場所まで通うための交通費です。
数字の押さえどころは、受講手当の日額500円と限度40日分です。500円という具体的な金額と、40日という上限を組み合わせて覚えてください。上限まで受け取っても2万円ですから、あくまで実費に近い性格の手当です。
通所手当のほうは交通費なので、通う距離や交通手段によって額が変わります。
訓練を受けている間は基本手当の支給も続きます。所定給付日数が尽きても訓練延長給付があるため、訓練中の生活はかなり手厚く保護される仕組みになっています。
具体例
職業訓練校に週5日通う人は、基本手当に加えて1日500円の受講手当と、通学の交通費にあたる通所手当を受け取れます。
試験のポイント
簡単にいうと
訓練のために引っ越しが必要になる人への手当です。要件が具体的なので、そこを押さえます。
寄宿手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練を受けるため、生計を維持関係にある同居の親族と別居して寄宿する期間について支給される給付です。
要件を分解しておきましょう。
・公共職業安定所長の指示した公共職業訓練を受けるためであること
・生計維持関係にある同居の親族と別居すること
・その状態で寄宿すること
単に一人暮らしをしている人が訓練に通う場合は対象になりません。もともと同居して生計を維持していた家族と離れて暮らすことになる場合に限られます。
技能習得手当と同じく、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練が前提になっている点も共通です。自分で見つけてきた講座に通う場合には支給されません。
この手当は重要度がそれほど高くないので、要件の骨格だけ押さえておけば十分です。技能習得手当(受講手当・通所手当)と寄宿手当を合わせて3つ、という数え方ができれば足ります。
なお、寄宿手当は技能習得手当の一種ではなく、独立した手当です。求職者給付の体系図では、技能習得手当と並列に置かれています。
簡単にいうと
こちらは「代えて」です。基本手当と両方もらえるわけではありません。
受給資格者が、求職の申込み後において、疾病又は負傷のため継続して15日以上職業に就くことができないときは、基本手当に代えて傷病手当が支給されます。
技能習得手当が「加えて」であったのに対し、傷病手当は「代えて」です。ここが最大の違いです。
病気やけがで働けない状態にある人は、労働の意思及び能力があるとはいえないため、本来は失業にあたりません。しかし求職の申込みをした後に体調を崩したというだけで保護を打ち切るのは酷なので、基本手当に代わる給付が用意されています。
日数による扱いの違いを整理しましょう。求職の申込み後、疾病又は負傷のため職業に就くことができない期間が、
・継続して15日未満 … 証明書による認定によって基本手当を支給
・継続して15日以上30日未満 … 傷病手当を支給
・継続して30日以上 … 傷病手当を支給、又は基本手当の受給期間を延長
15日と30日という2つの境目があります。15日未満なら基本手当のまま、15日以上で傷病手当、30日以上になると受給期間の延長という選択肢も出てくる、という三段構えです。
試験では、求職の申込後に疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができない場合において、その期間が継続して15日未満のときは証明書により失業の認定を受け基本手当の支給を受けることができるので傷病手当は支給されない、という記述が正しいものとして出題されています。
簡単にいうと
額は基本手当と同じ。日数も基本手当の枠の中から使います。
傷病手当の日額は、基本手当の日額と同額です。基本手当に代わるものなので、金額を変える理由がありません。
支給日数についても枠が決まっています。基本手当の所定給付日数から、当該受給資格に基づき既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数が限度とされています。
つまり、所定給付日数を超えて傷病手当が支給されることはありません。基本手当の残日数の中から使う、というイメージです。
さらに、傷病手当が支給されたときは、その日数分の基本手当が支給されたものとみなされます。傷病手当を受けた分だけ、基本手当の残日数が減っていくということです。
・日額 … 基本手当の日額と同額
・日数 … 所定給付日数から既に支給した日数を差し引いた日数が限度
・効果 … 支給された日数分の基本手当が支給されたものとみなされる
この3点セットで、傷病手当が基本手当の枠内に完全に収まる給付であることが分かります。
30日以上働けない場合に受給期間の延長という選択肢があるのは、この点と関係します。傷病手当を使えば残日数が減りますが、受給期間を延長すれば残日数を減らさずに後で使えます。療養が長引きそうなら延長のほうが有利になることもある、という判断です。
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具体例
家族と同居していた人が、遠方の訓練施設に通うために単身で近くのアパートに移り住む場合、その期間について寄宿手当が支給されます。
試験のポイント
また、大前提として求職の申込み後であることが必要です。求職の申込みをする前から働けない状態にある人は、そもそも受給資格の決定を受けられません。
具体例
求職の申込みをした2週間後に入院して20日間働けなかった人は、15日以上30日未満にあたるため、その期間について傷病手当を受けることになります。
試験のポイント
具体例
所定給付日数90日のうち40日分を受けた人が傷病手当を20日分受けると、残りは30日分になります。傷病手当を受けた分だけ基本手当の枠が減っていきます。
試験のポイント
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