基本手当以外の求職者給付
一般被保険者以外の3種類の被保険者にも、それぞれ求職者給付が用意されています。高年齢求職者給付金・特例一時金・日雇労働求職者給付金の3つです。
基本手当と比べると要件がシンプルなので、対比で覚えるのが効率的です。特に「1年に6か月」という共通の要件と、受給期限の1年と6か月という違いに注目してください。
簡単にいうと
65歳を過ぎて離職した人への給付です。年金のように毎月ではなく、一度に受け取ります。
高年齢求職者給付金は、高年齢被保険者が失業した場合に支給される一時金タイプの給付です。
受給するためには、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あることが必要です。基本手当の原則(2年間に12か月)より緩やかで、特定受給資格者と同じ水準です。
失業の認定については、高年齢求職者給付金の支給を受けようとする高年齢受給資格者は、離職の日の翌日から起算して1年を経過する日(受給期限)までに、管轄公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしたうえ、失業していることについての認定を受けなければなりません。
一時金なので、失業の認定が行われるのは1回のみです。基本手当のように4週間ごとに通う必要はありません。
試験では『高年齢求職者給付金の支給を受けようとする高年齢受給資格者は、公共職業安定所において、離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日について、失業の認定を受けなければならない』という誤りの選択肢が出題されたことがあります。高年齢求職者給付金は失業している日数に対応して支給されるものではないため、その支給に係る失業の認定は失業の認定の日に対して行われ、その日に失業の状態にあればよいとされており、失業の認定は1回に限り行われます。
なお、複数の適用事業に雇用される65歳以上の者は、週所定労働時間が20時間未満であっても、その他の要件を満たせば厚生労働大臣に申し出ることで高年齢被保険者になることができます。これを特例高年齢被保険者といいます。
具体例
67歳で3年勤めた会社を辞めた人は、離職日の翌日から1年以内に1度ハローワークへ行き、その日に失業の状態にあれば高年齢求職者給付金を受け取れます。
試験のポイント
簡単にいうと
覚える数字は2つだけ。算定基礎期間1年が境目です。
高年齢求職者給付金の額は、算定基礎期間に応じて次のとおりです。
・1年未満 … 基本手当の日額 × 30日分
・1年以上 … 基本手当の日額 × 50日分
境目は算定基礎期間1年の1か所だけです。基本手当の所定給付日数が3つの表に分かれていたのと比べると、格段にシンプルです。
ここでいう基本手当の日額とは、高年齢受給資格者を受給資格者とみなして基本手当の日額の規定を適用した場合に、その者に支給されることとなる額をいいます。
つまり、基本手当そのものは支給されないけれども、額の計算には基本手当の日額の仕組みをそのまま使うということです。これにより、賃金日額(離職前6か月の平均賃金)という概念を高年齢求職者給付金でも使えるようになっています。
計算の流れを整理しておきましょう。
・離職前6か月の賃金総額÷180で賃金日額を出す
・賃金日額に給付率を掛けて基本手当の日額を出す
簡単にいうと
高年齢求職者給付金とよく似ています。違うのは受給期限と日数です。
特例一時金は、短期雇用特例被保険者が失業した場合に支給される給付です。
受給するためには、高年齢求職者給付金と同じく、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あることが必要です。
失業の認定については、特例一時金の支給を受けようとする特例受給資格者は、離職の日の翌日から起算して6か月を経過する日までに、管轄公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしたうえ、失業していることについての認定を受けなければなりません。
ここが高年齢求職者給付金との違いです。
・高年齢求職者給付金の受給期限 … 離職の日の翌日から1年
・特例一時金の受給期限 … 離職の日の翌日から6か月
季節的に雇用される人は、次の季節が来れば再び働くことが想定されるため、期限が短く設定されています。
額については、原則として、特例受給資格者を受給資格者とみなして基本手当の日額の規定を適用した場合にその者に支給されることとなる基本手当の日額の30日分です。ただし、当分の間は40日分とされています。
原則30日分・当分の間40日分という二段構えを押さえてください。試験では40日分のほうが問われることが多い部分です。
簡単にいうと
日々雇い主が変わる働き方に合わせた、まったく別の作りの制度です。
日雇労働求職者給付金は、普通給付と特例給付に分かれます。ここでは普通給付を扱います。
支給要件は、失業の日の属する月の前2月間に、印紙保険料が通算して26日分以上納付されていることです。他の給付が被保険者期間の月数で判定するのに対し、こちらは印紙保険料の納付日数で判定します。
前提として、日雇労働被保険者は日雇労働被保険者手帳を持っています。その手帳に雇用保険印紙を貼り、消印することで、客観的に保険料の納付を証明します。日々雇用主が替わることを前提としたオリジナルの仕組みです。
失業の認定は、原則として、その者の選択する公共職業安定所において、日々その日について行われ、その日分の日雇労働求職者給付金が支給されます。
ここも独特です。他の給付が管轄公共職業安定所(本人の住所地)であったのに対し、日雇は本人が選択する公共職業安定所です。仕事を探して各地を移動する働き方に合わせています。
支給額は納められた印紙保険料額の水準による等級別で、次の3段階です。
・第1級給付金 … 7,500円
・第2級給付金 … 6,200円
・第3級給付金 … 4,100円
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基本手当の計算方法をひととおり理解していれば、あとは日数を掛けるだけです。
具体例
基本手当の日額が5,000円と計算される人が算定基礎期間2年で離職した場合、5,000円×50日で25万円が一時金として支給されます。
試験のポイント
試験では、特例一時金は短期雇用特例被保険者が失業した場合において原則として離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上であったときに支給される、という記述が正しいものとして出題されています(法39条1項)。
具体例
冬の間だけ除雪の仕事をしていた人が春に離職した場合、その日の翌日から6か月以内にハローワークで認定を受ければ、基本手当の日額の40日分が一時金として支給されます。
試験のポイント
給付制限も独特です。日雇受給資格者が公共職業安定所の紹介する業務に就くことを拒んだときは、拒んだ日から起算して7日間、日雇労働求職者給付金が支給されません。基本手当の1か月と比べて格段に短くなっています。
試験では『日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が公共職業安定所の紹介する業務に就くことを拒んだときは、正当な理由がある場合を除き、その拒んだ日から起算して1か月間に限り、日雇労働求職者給付金を支給しない』という誤りの選択肢が出題されたことがあります。正しくは7日間です(法52条1項)。
また、偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとしたときは、支給を受け、又は受けようとした月及びその月の翌月から3か月間は支給されません。
具体例
建設現場で日々雇われている人は、手帳に貼られた印紙が前2か月で26日分以上あれば、失業した日ごとに等級に応じた給付金を受け取れます。
試験のポイント
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