就職を後押しする給付
就職促進給付の残る2つ、移転費と求職活動支援費を扱います。どちらも実費に近い性格の給付で、求職活動にかかった費用を補うものです。
覚えるのは種類の数と申請期限です。似た数字が並ぶので、6種類・5種類・1か月・10日という組み合わせで整理していきましょう。
簡単にいうと
遠くの職場や訓練施設に通うために住まいを移す場合の給付です。中身は6種類。
移転費は、受給資格者等が公共職業安定所等の紹介した職業に就くため、又は公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるため、その住所又は居所を変更する場合であって、さらに所定の要件に該当するときに支給されます。
支給される場面は2つです。
・紹介された職業に就くために引っ越す場合
・指示された公共職業訓練等を受けるために引っ越す場合
どちらも公共職業安定所が関与している点が共通しています。自分で見つけた仕事のための引っ越しは対象になりません。
移転費は全部で6種類あります。
・鉄道賃
・船賃
・航空賃
・車賃
・移転料
・着後手当
前の4つが移動そのものの費用、後の2つが引っ越しと転居後の費用です。
なお、就職先の事業主等から就職支度費が支給される場合であって、その支給額が移転費の額に満たないときは、その差額に相当する額が移転費として支給されます。二重に受け取ることはできず、足りない分だけが補われるという調整です。
申請手続きは、移転の日の翌日から起算して1か月以内に、移転費支給申請書に受給資格者証等を添えて管轄公共職業安定所長に提出します。起算点が「移転の日」である点に注意してください。就職した日ではありません。
具体例
紹介された職場が遠方だったため引っ越した人は、鉄道賃や移転料に加えて着後手当を受け取れます。会社から引っ越し費用の一部が出た場合は、その差額分だけが支給されます。
試験のポイント
簡単にいうと
移転費と種類が似ていますが、最後の1つが違います。そこが見分けどころ。
広域求職活動費は、受給資格者等が公共職業安定所の紹介により広範囲の地域にわたる求職活動をする場合であって、さらに所定の要件を満たしたときに支給されます。
広域求職活動費は全部で5種類です。
・鉄道賃
・船賃
・航空賃
・車賃
・宿泊料
移転費と比べてみましょう。前の4つ(鉄道賃・船賃・航空賃・車賃)は共通です。違うのは最後で、移転費が「移転料・着後手当」の2つを持つのに対し、広域求職活動費は「宿泊料」の1つです。
・移転費 … 6種類(移動4つ+移転料+着後手当)
・広域求職活動費 … 5種類(移動4つ+宿泊料)
引っ越すのか、泊まりがけで面接に行くだけなのか、という違いがそのまま種類の違いにあらわれています。
簡単にいうと
教育訓練給付金の対象にならない講座を受けた人のための給付です。
短期訓練受講費は、受給資格者等が公共職業安定所の職業指導により再就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合に支給されます。
この給付が置かれている理由は、教育訓練給付金の隙間を埋めることにあります。次のような場合が想定されています。
・教育訓練給付金の対象とならない講座を受けた場合
・講座自体は対象でも、被保険者期間が足りずに教育訓練給付金を受けられない場合
つまり、学び直しを支援したいけれども教育訓練給付金では拾えない人を、就職促進給付の側で受け止めるという役割です。
なお、支給額や申請期限は、一般の教育訓練給付金と同じです。すなわち、支払った費用の額の100分の20相当額(上限10万円)で、申請は修了した日の翌日から起算して1か月以内になります。
教育訓練給付の章で学ぶ内容がそのまま使えるので、あちらを固めておけばこちらは追加で覚えることがほとんどありません。「教育訓練給付金と同じ」と押さえておけば足ります。
この給付は求職活動支援費の3つのうちの1つという位置づけです。広域求職活動費・短期訓練受講費・求職活動関係役務利用費の3つを合わせて求職活動支援費と呼びます。
簡単にいうと
子どもを預けて面接に行く。その保育料を補助する給付です。
求職活動関係役務利用費は、受給資格者等が求人者との面接等をし、又は求職活動関係役務利用費対象訓練を受講するため、例えば子どもを預かってもらうなどの保育等サービスを利用する場合に支給されます。
ここでいう求職活動関係役務利用費対象訓練とは、教育訓練給付金の支給に係る教育訓練、短期訓練受講費の支給に係る教育訓練、公共職業訓練等、又は職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律に規定する認定職業訓練をいいます。
額は、原則として、受給資格者等が保育等サービスの利用のために負担した費用の額に100分の80を乗じて得た額です。ただし1日8,000円が上限とされています。
・上限 … 1日8,000円
・率 … 100分の80
申請日と申請期限は、対象者によって変わります。
・受給資格者 … 基本手当に係る失業認定日
・高年齢受給資格者、特例受給資格者又は日雇受給資格者 … 保育等サービスを利用した日の翌日から起算して4か月以内
受給資格者はもともと失業認定日に公共職業安定所へ行くので、そのついでに申請するという形です。認定日のない他の3者については、4か月以内という期限が設けられています。
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申請手続きの期限も違います。広域求職活動費は、広域求職活動を終了した日の翌日から起算して10日以内です。移転費の1か月と比べてかなり短いので、注意してください。
・移転費 … 移転の日の翌日から起算して1か月以内
・広域求職活動費 … 広域求職活動を終了した日の翌日から起算して10日以内
具体例
公共職業安定所の紹介で他県の企業を2日間かけて訪問した人は、往復の交通費と1泊分の宿泊料を広域求職活動費として受け取れます。
試験のポイント
受給資格者になったばかりで被保険者期間が足りず教育訓練給付金を受けられない人でも、公共職業安定所の職業指導で受けた短期の講座なら短期訓練受講費の対象になります。
試験のポイント
試験では『基本手当の受給資格者が職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律第4条第2項に規定する認定職業訓練を受講する場合には、求職活動関係役務利用費を受給することができない』という誤りの選択肢が出題されたことがあります。この認定職業訓練は求職活動関係役務利用費対象訓練に含まれているため、他の要件を満たす限り受給できます(法59条1項、則100条の6)。
具体例
小さな子どもがいる人が面接に行くために一時保育を利用した場合、1日8,000円を上限に負担した費用の8割が支給されます。
試験のポイント
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