給付の全体像と共通ルール
雇用保険は給付の種類がとにかく多い科目です。ひとつずつ覚えようとすると必ず迷子になります。
そこで、最初に体系図を頭に入れてしまいましょう。細かい金額や日数は後回しでかまいません。どこからどう枝分かれしているかという幹の形を、この節でつかみます。
簡単にいうと
まず大きく4つ。この4つの名前と順番を、そらで言えるようにしておきましょう。
失業等給付は、次の4つで構成されます。
・求職者給付
・就職促進給付
・教育訓練給付
・雇用継続給付
それぞれの役割は次のとおりです。
・求職者給付 … 失業して次の仕事を探している間の生活を支える給付
・就職促進給付 … 早く再就職できた人や、就職のための費用がかかった人への給付
・教育訓練給付 … 職業に関する教育訓練を受けた費用を補助する給付
・雇用継続給付 … 賃金が下がったり介護で休んだりしても働き続けられるようにする給付
並び順にも意味があります。失業する→仕事が決まる→スキルを身につける→働き続ける、という流れに沿っています。
試験では『失業等給付は、求職者給付、教育訓練給付及び雇用継続給付の3つである』という誤りの選択肢が出題されたことがあります。就職促進給付が抜けているので誤りで、正しくは4つです(法10条1項)。
そして、この4つとは別に育児休業等給付があります。失業等給付には含まれず、独立した給付として位置づけられています。給付の総数を問う問題では、この位置関係が決め手になります。
具体例
失業中に受ける基本手当は求職者給付、早く再就職して受け取る再就職手当は就職促進給付、資格講座の費用が戻ってくるのが教育訓練給付です。

失業等給付4本の柱と、その外にある育児休業等給付
試験のポイント
簡単にいうと
求職者給付は、どの被保険者だったかで受け取るものが変わります。ここが4分類の使いどころです。
求職者給付は、離職前にどの種類の被保険者だったかによって内容が変わります。
・一般被保険者だった人(受給資格者)
基本手当が中心です。これに加えて、技能習得手当(受講手当・通所手当)、寄宿手当、傷病手当があります。
・高年齢被保険者だった人(高年齢受給資格者)
高年齢求職者給付金が支給されます。一時金です。
・短期雇用特例被保険者だった人(特例受給資格者)
特例一時金が支給されます。こちらも一時金です。
・日雇労働被保険者(日雇受給資格者)
日雇労働求職者給付金が支給されます。日々の認定で支給される点が独特です。
呼び名にも規則性があります。受給資格を得た人を「受給資格者」「高年齢受給資格者」「特例受給資格者」「日雇受給資格者」と呼び分けます。被保険者の4分類がそのまま受給資格者の4分類に対応している、と理解してください。
簡単にいうと
就職促進・教育訓練・雇用継続の中身です。名前の似たものが多いので、親子関係で覚えます。
求職者給付以外の3つの柱は、それぞれ次のように枝分かれします。
・就職促進給付
就業促進手当 … 再就職手当(さらにその先に就業促進定着手当)/常用就職支度手当
移転費
求職活動支援費 … 広域求職活動費/短期訓練受講費/求職活動関係役務利用費
・教育訓練給付
教育訓練給付金
教育訓練休暇給付金
・雇用継続給付
高年齢雇用継続給付 … 高年齢雇用継続基本給付金/高年齢再就職給付金
介護休業給付 … 介護休業給付金
簡単にいうと
覚え方のコツです。書いて再現できれば、この科目の半分は終わったようなものです。
この科目の勉強を効率よく進めるコツは、体系図を白紙に再現できるようにしておくことです。
描く順番を決めておくと定着しやすくなります。
・まず「失業等給付」と書き、その下に4本の柱を並べる
・求職者給付の下に、被保険者の4分類を書く
・一般被保険者の枝にだけ基本手当・技能習得手当・寄宿手当・傷病手当を足す
・残る3本の柱の枝を埋める
・最後に、失業等給付の外側に育児休業等給付を書き足す
この図が描けていると、個々の給付を学ぶときに「いま自分はどこを勉強しているのか」が分かります。逆に図がないまま数字を覚えると、似た名前の給付どうしで混ざってしまいます。
数字の記憶にも効きます。たとえば「4か月以内」という数字は短期雇用特例被保険者の定義と適用除外の両方に出てきますが、体系図の中で場所が特定できていれば取り違えません。
最初のうちは細かい数字は無視して、流れをつかむことを優先してください。基本手当の詳細は次の章でじっくり扱います。
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一般被保険者だけが日ごとに支給される基本手当を受け、高年齢と短期雇用特例は一時金でまとめて受け取る。この違いが、後の節で受給期限や支給額の違いにつながっていきます。
具体例
同じ会社を辞めても、64歳までなら基本手当を4週間ごとに受け取り、65歳以上なら高年齢求職者給付金を一度に受け取ることになります。
試験のポイント
雇用継続給付は2つに分かれます。かつては育児休業給付もここに含まれていましたが、現在は独立して育児休業等給付になっているため、雇用継続給付は高年齢雇用継続給付と介護休業給付の2つだけです。ここは改正のあったところなので、古い教材の記憶と混ざらないよう注意してください。
そして育児休業等給付は、育児休業給付・出生後休業支援給付・育児時短就業給付の3つに分かれます。
具体例
早期に再就職して再就職手当を受け、その後6か月働いて賃金が前職より低ければ就業促進定着手当を追加で受ける、という二段構えになります。
試験のポイント
具体例
「常用就職支度手当はどこの給付か」と問われたとき、就職促進給付の中の就業促進手当だと即答できれば、その周辺の要件も芋づる式に思い出せます。
試験のポイント
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