均等・両立支援の法令
育児介護休業法の基本理念は、子の養育又は家族の介護を行う労働者等が、職業生活の全期間を通じてその能力を有効に発揮して充実した職業生活を営むとともに、育児又は介護について家族の一員としての役割を円滑に果たすことができるようにすることです。
この法律は数字の宝庫です。1歳・1歳6か月・2歳、8週間以内に4週間、93日を3回、5労働日と10労働日、3歳、小学校第3学年修了前、小学校就学の始期。どの数字がどの制度のものかを取り違えないことが、そのまま得点になります。
簡単にいうと
原則は1歳。保育所が見つからないと延びていきます。
労働者は、その養育する1歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができます。分割して2回取得することもできます。
ただし、事業主は、あらかじめ労使協定で育児休業をすることができないものとして定められた、所定の労働者からの申出については、拒むことができるとされています。原則として拒めないが、労使協定があれば例外的に拒めるという構造です。
子が1歳に達しても保育所が見つからない場合には、1歳6か月まで延長でき、さらに必要ならば2歳まで再延長が可能です。
期間を定めて雇用される者(期間雇用者)には追加の要件がかかります。「子が1歳6か月に達するまでに労働契約が満了することが明らかでないこと」を満たす必要があります。
注意したいのは、この要件が「1歳6か月」を基準にしている点です。育児休業そのものの原則は1歳までですが、申出ができるかどうかの判定は1歳6か月で見ます。延長の可能性を織り込んでいるということです。
また、要件は「満了することが明らかでないこと」という書き方になっています。満了しないことが確実である必要はなく、明らかに満了すると分かっている場合だけが除かれます。更新の見込みがあるかどうか分からない状態であれば申出ができるということです。
具体例
1年契約を更新しながら働く人でも、子が1歳6か月になるまでに契約が終わることが明らかでなければ育児休業を申し出られます。

育児と介護を並べた数字の表。子の年齢のライン3つ(3歳・小学校就学の始期・小学校第3学年修了前)も添えています
試験のポイント
簡単にいうと
産後休業に相当する期間に、主に男性が取る休業です。
出生時育児休業は、主に男性を対象として産後休業期間に相当する出生後8週間以内に4週間(28日)まで取得できる制度です。
数字の並びが特徴的です。
・枠 … 出生後8週間以内
・取れる長さ … その中で4週間(28日)まで
8週間という枠は、労働基準法の産後休業が原則8週間であることに対応しています。母が産後休業を取っている期間に、父も休めるようにするという設計です。
通常の育児休業にはない仕組みも置かれています。労使協定を締結することにより、労働者が合意した範囲内で休業期間中にあらかじめ計画した就業をさせることができます。完全に仕事から離れなくてもよい、という柔軟さが特徴です。
対象は男性だけではありません。養子縁組など、産前産後休業を取得していない女性もこの制度の対象になります。産後休業を取っている女性は、そちらが優先するので対象になりませんが、産後休業がない場合には利用できるということです。
通常の育児休業とは別枠なので、出生時育児休業を取ったうえで、さらに通常の育児休業を分割して2回取ることもできます。
具体例
簡単にいうと
1回にまとめる必要はありません。ここが過去に出題されています。
介護休業とは、労働者が、その要介護状態(2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するためにする休業をいいます。
対象家族とは、配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫及び配偶者の父母です。配偶者には事実婚を含みます。
配偶者の父母は入りますが、配偶者の祖父母や配偶者の兄弟姉妹は入りません。自分の側は祖父母・孫まで広がるのに、配偶者の側は父母で止まる、という非対称になっています。
介護休業は、同一の対象家族について93日を上限として、3回まで分割して取得することができます。
試験では、対象家族1人につき1回に限り、連続したひとまとまりの期間で最長93日まで取得することができる、という誤りの選択肢が出題されたことがあります。1回に限られてはおらず、連続したひとまとまりの期間で取得することも必要とされていません。
期間雇用者には追加の要件がかかります。「93日経過日から起算して6か月を経過する日までに労働契約が満了することが明らかでないこと」を満たす必要があります。育児休業が「1歳6か月」を基準にしていたのに対し、介護休業は「93日経過日から6か月」という数え方をします。
事業主は、あらかじめ労使協定で介護休業をすることができないものとして定められた、所定の労働者からの申出については拒むことができます。この構造は育児休業と同じです。
具体例
簡単にいうと
休暇は5日と10日。制限がかかる子の年齢が制度ごとに違います。
休暇の制度は2つあり、日数の考え方は共通です。
子の看護等休暇
・対象 … 小学校第3学年修了前の子を養育する労働者
・日数 … 一の年度において5労働日(対象となる子が2人以上の場合は10労働日)
・使途 … 負傷し、若しくは疾病にかかった子の世話等を行うため、又は子の教育もしくは保育の行事に参加するため
介護休暇
・対象 … 要介護状態にある対象家族の介護その他の厚生労働省令で定める世話を行う労働者
・日数 … 一の年度において5労働日(対象家族が2人以上の場合は10労働日)
どちらも時間単位で取得することができ、原則として事業主は労働者からの申出を拒むことはできません。
子の年齢のラインは制度ごとに違います。ここが最大の混乱ポイントです。
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妻の出産後2週間と、退院してから2週間の合計4週間を出生時育児休業として取る、といった取り方ができます。
試験のポイント
父の介護のために30日、40日、23日と3回に分けて休業を取ることができます。
試験のポイント
・所定外労働の制限、時間外労働・深夜業の制限 … 小学校就学の始期に達するまで
・所定労働時間の短縮等の措置 … 3歳に満たない子
所定外労働の制限は、請求があった場合に所定労働時間を超えて労働させてはならないというものです。時間外労働の制限は、請求があった場合に限度時間(24時間/月、150時間/年)を超えて労働させてはならないというもので、労働基準法の36協定の限度時間(45時間/月、360時間/年)より厳しい数字になります。深夜業も請求があればさせられません。
所定労働時間の短縮等の措置は、3歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないものや、要介護状態にある対象家族を介護する労働者であって介護休業をしていないものに対して講じなければなりません。
このほか、事業主には意向確認の義務があります。自身又はその配偶者の妊娠・出産等及び家族の介護に直面した旨を申し出た労働者に対して、制度に関する事項の周知や取得に関する意向確認を行わなければなりません。
ハラスメントについても、育児休業、介護休業その他の制度又は措置の利用に関する言動により就業環境が害されることのないよう、相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければなりません。
具体例
小学2年生の子の授業参観に子の看護等休暇を使えますが、小学4年生になると使えなくなります。
試験のポイント
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