集団的労使関係と紛争の解決
労働関係調整法は、労働組合法とあいまって、労働関係の公正な調整を図り、労働争議を予防し、又は解決して、産業の平和を維持し、もって経済の興隆に寄与することを目的としています。
労働組合法が「労働者の権利を保障する」法律だとすれば、こちらは「もめたときにどう収めるか」を定める法律です。目的条文の「労働組合法とあいまって」という言葉が、その関係を示しています。
簡単にいうと
「発生するおそれがある状態」も労働争議に入ります。
労働争議とは、労働関係の当事者間において、労働関係に関する主張が一致しないで、そのために争議行為が発生している状態又は発生するおそれがある状態をいいます。
「発生するおそれがある状態」まで含む点が重要です。実際にストライキが始まっていなくても労働争議に当たります。予防を目的に掲げているので、火がつく前の段階から対象にしているということです。
争議行為とは、同盟罷業、怠業、作業所閉鎖その他労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として行う行為及びこれに対抗する行為であって、業務の正常な運営を阻害するものをいいます。
3つの代表的な争議行為は次のとおりです。
・同盟罷業(ストライキ)… 労働者(組合員)が使用者に対し団結して労働力の提供を拒否すること
・怠業(サボタージュ)… 労働者(組合員)が外形的には仕事を継続しながら意識的に使用者の指揮命令に部分的に服しないこと
・作業所閉鎖(ロックアウト)… 使用者が作業場を閉鎖し、争議に入った労働者(組合員)を作業所から閉め出すこと
3つのうち、ロックアウトだけが使用者側の行為である点に注意が必要です。定義に「これに対抗する行為」が入っているのは、使用者側の対抗手段も争議行為に含めるためです。
怠業は「外形的には仕事を継続しながら」というところが特徴です。まったく働かないストライキとは違い、働いているように見えて指揮命令に部分的に従わない、という形になります。
具体例
会社側が工場を閉鎖して組合員を締め出すロックアウトも、労働関係調整法にいう争議行為に当たります。
試験のポイント
簡単にいうと
同じ争議でも、公益事業だけ事前の通知が必要です。
争議行為が発生したときは、その当事者は、直ちにその旨を労働委員会又は都道府県知事に届け出なければなりません。
これは事後の届出です。発生してから直ちに、という形になります。
これに対し、公益事業(例えば公共交通機関など)に関する事件につき関係当事者が争議行為をするには、その争議行為をしようとする日の少なくとも10日前までに、労働委員会及び厚生労働大臣又は都道府県知事にその旨を通知しなければなりません。
こちらは事前の通知です。しかも届出先が増えます。
・通常の争議行為 … 発生後、直ちに、労働委員会「又は」都道府県知事へ届出
・公益事業 … 10日前までに、労働委員会「及び」厚生労働大臣又は都道府県知事へ通知
「又は」と「及び」の違いに注意が必要です。公益事業では労働委員会への通知が必須で、そのうえで厚生労働大臣又は都道府県知事にも通知します。
公益事業だけ厳しくなっているのは、鉄道やバスが突然止まれば国民生活に直接影響するからです。10日という猶予があれば、利用者も代替手段を用意できますし、行政も調整に入れます。
数字と語尾をまとめると、「通常は事後・直ちに・又は」「公益事業は事前・10日前・及び」となります。
動画・テキスト・過去問・図解まですべて網羅!
予備校代の1/10以下で、独学の不安をまるごと解決できます
具体例
バス会社の労働組合がストライキをするには、実施日の10日前までに労働委員会などへ通知しておく必要があります。
試験のポイント
プレミアムプラン
¥7,800/ 購入日から1年間有効(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。