船員保険と児童手当
児童手当法は、子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的としています。
短い法律ですが、「児童」の定義と手当の額は数字がはっきりしていて問いやすいところです。労働基準法の「児童」と混同しないことが第一関門になります。
簡単にいうと
同じ言葉でも、法律が変われば年齢が変わります。
児童手当法3条1項は次のように定めています。
「この法律において『児童』とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であって、日本国内に住所を有するもの又は留学その他の内閣府令で定める理由により日本国内に住所を有しないものをいう。」
要素は2つです。
・年齢 … 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者
・住所 … 日本国内に住所を有するもの、又は留学その他の内閣府令で定める理由により日本国内に住所を有しないもの
住所の要件には例外が組み込まれています。留学中であれば国内に住所がなくても児童に当たります。海外に留学した子を育てている親を対象から外すのは適当でないためです。
労働基準法に定める「児童」とは定義が異なります。労働基準法の児童は、満15歳に達した日以後最初の3月31日が終了するまでにある者です。
・児童手当法 … 18歳に達する日以後の最初の3月31日まで
・労働基準法 … 満15歳に達した日以後最初の3月31日が終了するまで
どちらも「3月31日」で区切りますが、年齢が18歳と15歳で違います。労働基準法の児童は「働かせてはいけない年齢」を画するための概念で、児童手当法の児童は「支援する対象」を画するための概念です。目的が違えば線の引き方も変わるということになります。
試験では、児童手当法の児童の定義について「厚生労働省令で定める理由」とした記述が正しいものとして出題されています(現在の条文は内閣府令)。
具体例
高校3年生の3月に18歳になった子も、その年度末までは児童手当法の児童に当たります。
試験のポイント
簡単にいうと
第3子以降は年齢に関係なく月額3万円です。
児童手当の額は次のとおりです。
・第1子・第2子(3歳未満)… 月額1万5千円
・第1子・第2子(3歳〜高校生世代)… 月額1万円
・第3子以降 … 年齢にかかわらず月額3万円
表の形が特徴的です。第1子・第2子は3歳を境に額が下がりますが、第3子以降は年齢による区分がなく一律3万円になります。
3歳未満が手厚いのは、この時期に育児にかかる手間と費用が集中するためです。そして第3子以降が飛び抜けて高いのは、多子世帯を支えることが少子化対策として重視されているからになります。
支給と支払の時期も押さえます。
児童手当の支給は、受給資格者が認定の請求をした日の属する月の翌月から始め、児童手当を支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わります。
「翌月から始め」「消滅した日の属する月で終わる」という形は、公的年金の支給期間とまったく同じです。社会保険の給付に共通する型になります。
簡単にいうと
罰則は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。
偽りその他不正の手段により児童手当の支給を受けた者があるときは、市町村長(公務員の場合、その所属する省庁の長や都道府県・市町村の長など)は、地方税の滞納処分の例により、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができます。
「地方税の滞納処分の例により」という言葉が入っている点が特徴です。市町村が税と同じ手続で強制的に取り立てられるということになります。
罰則もあります。偽りその他不正の手段により児童手当の支給を受けた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。
懲役が3年と重いのに対し、罰金が30万円と低い点が目を引きます。金額そのものより不正を働いたことを重く見る構成になっています。
届出についても定めがあります。一般受給者は、毎年6月1日から同月30日までの間に、前年の所得の状況及びその年の6月1日における被用者又は被用者等でない者の別を記載した届書を市町村長に提出しなければなりません。
6月1日を基準日とする点は、高年齢者雇用安定法や障害者雇用促進法の雇用状況の報告と同じです。社会保険・労働保険の分野では6月1日が基準日として何度も出てきます。
「被用者又は被用者等でない者の別」を届け出させるのは、費用負担の内訳が変わるためです。被用者に係る児童手当には事業主の拠出金が充てられ、それ以外は公費でまかなわれます。
具体例
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支給を受けるには手続が必要です。児童手当の支給を受けようとする場合には、その受給資格及び児童手当の額について、住所地の市町村長の認定を受けなければなりません。
具体例
3歳未満の子が2人と小学生1人がいる世帯では、1万5千円+1万5千円+3万円で月額6万円になります。
試験のポイント
実際には養育していない子について手当を受け取っていた場合、税と同じ手続で全額を取り立てられることがあります。
試験のポイント
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