介護保険
介護保険は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護等を要する者について、尊厳を保持し、その有する能力に応じて、住み慣れた地域において自立した日常生活を営むことを国民全体で支える制度です。
医療保険と大きく違うのは、被保険者が2種類に分かれ、それぞれ加入の理由も保険料の集め方も違うという点です。まずこの2つの区分を押さえるのが出発点になります。
簡単にいうと
都道府県は「助言及び適切な援助」。措置を講じるのは国です。
介護保険の保険者は、市町村及び特別区(以下、単に「市町村」といいます)です。
国民健康保険では平成30年から都道府県も保険者になりましたが、介護保険の保険者は市町村だけです。ここは混同しやすいところになります。
国と都道府県の責務は次のように書き分けられています。
・国 … 介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他必要な各般の措置を講じなければならない
・都道府県 … 介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない
国が「各般の措置を講ずる」、都道府県が「助言及び適切な援助をする」という違いです。都道府県は自ら制度を回すのではなく、市町村を後ろから支える立場になります。
実務の姿も押さえておきます。介護保険の保険者は市町村ですが、実務的には多くの民間事業者が参入しています。つまり、利用者(被保険者)側からみると、多くの選択肢があるということになります。
国や地方公共団体に求められているのが地域包括ケアシステムです。重度な要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される中学校区などの日常生活圏域内において、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく、有機的かつ一体的に提供される体制のことをいいます。
「おおむね30分以内」「中学校区などの日常生活圏域」という具体的な言葉が出てくる点が特徴です。
具体例
市が地域の医療機関やヘルパー事業所と連携して在宅生活を支える体制を組むのが、地域包括ケアシステムの姿です。

社一の主要3制度を並べた横断表。介護保険だけ保険者が市町村のみである点を他制度と対比できます
試験のポイント
簡単にいうと
第2号には「医療保険加入者であること」という条件が付きます。
次のいずれかに該当する者は、市町村が行う介護保険の被保険者となります。
❶市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者(第1号被保険者)
❷市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第2号被保険者)
2つの違いは年齢だけではありません。第2号被保険者には「医療保険加入者」という条件が付いています。第1号被保険者にはこの条件がありません。
この違いには理由があります。第2号被保険者の保険料は各医療保険の保険者が医療保険料の一部として徴収するため、医療保険に入っていない人からは集めようがないからです。
試験では、第2号被保険者とは市町村の区域内に住所を有する「65歳未満」の医療保険加入者をいう、という誤りの選択肢が出題されたことがあります。「40歳以上」が抜けています。
届出については、第1号被保険者は、被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項その他必要な事項を14日以内に市町村に届け出なければなりません。世帯主が代わりに届出をすることもできます。
届出義務があるのは第1号被保険者だけです。第2号被保険者は医療保険を通じて把握されるため、自ら届け出る必要がありません。
簡単にいうと
どちらも「6か月間にわたり継続して」が入ります。区分の数が違います。
要介護状態とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、6か月間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、要介護状態区分のいずれかに該当するものをいいます。要介護状態区分は5段階あります。
要支援状態とは、身体上若しくは精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について6か月間にわたり継続して、常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があるために6か月間にわたり継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態であって、要支援状態区分のいずれかに該当するものをいいます。要支援状態区分は2段階あります。
2つの違いを整理します。
・要介護状態 … 常時介護を要すると見込まれる。区分は5段階
・要支援状態 … 常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれる、又は日常生活を営むのに支障があると見込まれる。区分は2段階
要支援は「介護が必要な状態になるのを防ぐ」段階だということです。数字は5段階と2段階、あわせて7区分になります。
どちらにも共通して「6か月間にわたり継続して」という要件が入っています。一時的な状態では該当しません。
制度を支える専門職が介護支援専門員です。要介護者等からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ適切なサービスを利用できるよう市町村、サービス事業者等、特定介護予防・日常生活支援総合事業を行う者等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けたものをいいます。
動画・テキスト・過去問・図解まですべて網羅!
予備校代の1/10以下で、独学の不安をまるごと解決できます
具体例
45歳の会社員は医療保険加入者なので第2号被保険者になりますが、生活保護を受けている45歳の人は医療保険加入者でないため被保険者になりません。
試験のポイント
別名ケアマネジャーと呼ばれます。介護支援専門員証の有効期間は原則5年です。
具体例
身の回りのことはできるが転倒が心配で見守りが必要という状態は要支援、入浴に常時介助が要る状態は要介護に当たります。
試験のポイント
プレミアムプラン
¥7,800/ 購入日から1年間有効(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。