介護保険
介護保険では、保険証があれば給付を受けられるわけではありません。申請して市町村の認定を受けることが必要です。
手続は5段階で進み、途中に介護認定審査会という第三者機関が入ります。誰が何をするのかを取り違えないことが、この節のポイントです。
簡単にいうと
審査及び判定は審査会、認定は市町村。役割が分かれています。
介護給付や予防給付を受けるためには、申請して市町村の認定を受けることが必要です。申請から認定までの流れは次のとおりです。
❶認定を受けようとする被保険者が要介護認定・要支援認定申請書に被保険者証を添付して市町村に申請
❷市町村の職員による訪問調査及び被保険者の主治の医師等から意見聴取を行い、その結果を介護認定審査会へ通知
❸介護認定審査会において上記❷により通知された結果に基づき審査及び判定を行い、その結果を市町村へ通知
❹市町村による要介護・要支援の認定又は不該当の決定
❺被保険者への通知
役割分担が重要です。
・訪問調査を行うのは市町村の職員
・意見を述べるのは被保険者の主治の医師等
・審査及び判定を行うのは介護認定審査会
・認定又は不該当の決定を行うのは市町村
介護認定審査会は「審査及び判定」までで、「認定」そのものは行いません。ここを入れ替えた選択肢に注意が必要です。
訪問調査という客観的な調査と、主治医の意見という医学的な判断の両方を材料にする点も特徴です。どちらか一方では実態をつかめないという考え方になります。
要介護認定又は要支援認定の効力は、当該認定に係る申請のあった日にさかのぼって生じます。認定が下りるまで時間がかかっても、申請日までさかのぼって給付を受けられるということです。手続の遅れで不利益を受けないようにするための規定になります。
具体例
申請から認定まで1か月かかっても、その間に利用したサービスは申請日にさかのぼって給付の対象になります。
試験のポイント
簡単にいうと
2つの期間を合算するという、少し変わった数え方をします。
要介護・要支援認定有効期間は、原則として、次の①に掲げる期間と②に掲げる期間を合算して得た期間とされています。
①要介護・要支援認定が効力を生じた日から当該日が属する月の末日までの期間
②6か月間(市町村が認定審査会の意見に基づき特に必要と認める場合にあっては、3か月間から12か月間までの範囲内で月を単位として市町村が定める期間(6か月間を除く))
①は月の途中に効力が生じたときの端数部分です。月の途中から数え始めると管理が煩雑になるため、まず月末までを別に数え、そこから②の期間を足すという形になっています。
②は原則6か月間ですが、市町村が認定審査会の意見に基づき特に必要と認める場合には、3か月間から12か月間までの範囲内で市町村が定めることができます。かっこ書きで「6か月間を除く」とされているのは、原則の6か月間と区別するためです。
数字を並べると次のようになります。
・原則 … 6か月間
・例外の範囲 … 3か月間から12か月間まで(6か月間を除く)
状態が変わりやすい人には短く、安定している人には長く設定できるという柔軟さを持たせた仕組みです。
簡単にいうと
3つ目だけが、市町村ごとに中身の違う給付です。
介護保険による保険給付は、次の3つとされています。
❶介護給付 … 被保険者の要介護状態に関する保険給付
❷予防給付 … 被保険者の要支援状態に関する保険給付
❸市町村特別給付 … ❶、❷に掲げるもののほか、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資する保険給付として条例で定めるもの
介護給付と予防給付は、要介護状態と要支援状態にきれいに対応しています。認定の結果がそのまま受けられる給付の種類を決めるということです。
市町村特別給付だけが性格の違う給付です。法律が中身を定めるのではなく、市町村が条例で定めます。配食サービスや移送サービスなどが例に挙げられます。
財源も違います。市町村特別給付の費用は第1号被保険者の保険料でまかなわれるため、実施する市町村では保険料が高くなります。地域の判断で上乗せするという仕組みです。
介護保険事業計画についても押さえておきます。
・市町村は、基本指針に即して、3年を1期とする市町村介護保険事業計画を定める
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有効期間があるということは、期間が終われば更新の認定を受ける必要があるということでもあります。介護の必要度は変わり得るので、定期的に見直す設計になっています。
具体例
4月15日に効力が生じた認定は、4月末までの期間に6か月間を足して10月末までが有効期間になります。
試験のポイント
どちらも3年を1期です。医療費適正化計画が6年を1期であったのと対比して覚えます。
名前も違います。市町村が「事業計画」、都道府県が「事業支援計画」です。都道府県は自ら事業を行うのではなく市町村を支援する立場なので、「支援」が入ります。
具体例
配食サービスを市町村特別給付として実施している市では、その分だけ第1号被保険者の保険料が上乗せされます。
試験のポイント
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