不服申立てと年金生活者支援給付金
健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法、国民年金法。これらの科目で何度も出てきた「社会保険審査官」と「社会保険審査会」の中身を定めているのが、この法律です。
それぞれの科目では窓口の振り分けだけを学びましたが、ここでは組織そのものを扱います。任命の要件と期間の数字が主な出題ポイントになります。
簡単にいうと
任命の要件を入れ替えた選択肢が出ます。
社会保険審査官
健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法及び国民年金法などの規定による審査請求の事件を取り扱うため、各地方厚生局に置かれます。社会保険審査官は、厚生労働省の職員のうちから、厚生労働大臣が任命します。
社会保険審査会
健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法及び国民年金法などの規定による事件を取り扱わせるため、厚生労働大臣の所轄の下に置かれます。委員長及び委員(5人)は、独立してその職権を行っています。
委員長及び委員は、人格が高潔であって、社会保障に関する識見を有し、かつ法律又は社会保険に関する学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、厚生労働大臣が任命します。
2つを並べると違いがはっきりします。
・社会保険審査官 … 厚生労働省の職員のうちから、厚生労働大臣が任命(同意は不要)
・社会保険審査会の委員長及び委員 … 人格が高潔で識見・学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、厚生労働大臣が任命
試験では、社会保険審査官は人格が高潔であって社会保障に関する識見を有し、かつ法律又は社会保険に関する学識経験を有する者のうちから厚生労働大臣が任命する、という誤りの選択肢が出題されたことがあります。この記述は社会保険審査会の委員長及び委員の任命要件です。
置かれる場所も違います。審査官は各地方厚生局、審査会は厚生労働大臣の所轄の下です。審査官が全国に分散して置かれるのに対し、審査会は中央に1つという構造になります。
委員が5人で「独立してその職権を行う」とされている点も重要です。行政の指揮監督を受けずに判断する、という独立性が担保されています。
具体例
年金の裁定に不服がある人はまず地方厚生局の社会保険審査官に審査請求し、その決定に不服なら中央の社会保険審査会に持ち込みます。

審査官と審査会の対比図。任命の要件を入れ替えた選択肢が定番で、3か月・2か月・2年の期間も添えています
試験のポイント
簡単にいうと
期間が3つ出てきます。起算日にも注意します。
審査請求の期間
審査請求は、被保険者もしくは加入員の資格、標準報酬、保険給付などに関する処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときは、原則として行うことができません。
再審査請求の期間
再審査請求は、社会保険審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月を経過したときは、原則として行うことができません。
2年の期間制限
被保険者若しくは加入員の資格、標準報酬又は標準給与に関する処分に対する審査請求は、原処分があった日の翌日から起算して2年を経過したときは、することができません。
3つの期間を整理すると次のようになります。
・審査請求 … 知った日の翌日から3か月
・再審査請求 … 決定書の謄本が送付された日の翌日から2か月
・資格・標準報酬等に関する審査請求の絶対的な期限 … 原処分があった日の翌日から2年
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方式についても定めがあります。審査請求は文書だけでなく、口頭で行うこともできます。
代理人による審査請求も認められています。代理人は、各自、審査請求人のために当該審査請求に関する一切の行為をすることができますが、審査請求の取下げは、特別の委任を受けなければすることができません。取下げは権利を失う重い行為なので、包括的な委任では足りないということです。
この代理行為は社会保険労務士も行うことができます。1号業務のうち事務代理や紛争解決手続代理業務とあわせて押さえておきます。
取下げそのものについても規定があります。審査請求人は、社会保険審査官の決定があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができます。なお、審査請求の取り下げは文書でしなければなりません。請求は口頭でもよいのに、取下げは文書に限られるという対比になります。
具体例
標準報酬月額の決定を知ってから4か月後に審査請求しても、原則として受け付けられません。
試験のポイント
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