法改正の追い方
社労士試験には、他の資格試験にはあまりない特徴があります。 覚えた数字が、来年には正解でなくなることです。 気づいたときに調べる方式では必ず漏れるので、 見る場所と見る時期を決めて予定に組み込む形にしてしまいましょう。
まず押さえる:出題の基準日
社会保険労務士試験は、受験案内でその年の4月中旬時点で施行されている法令等に基づいて出題されると案内されています。 ここを知らないまま学習していると、2つの方向に無駄が出ます。
古い数値のまま覚える
前年度版のテキストを使い続けると起きます。 年金額や保険料率はほぼ毎年動くので、 そのまま覚えると本試験で確実に失点します。
範囲外の改正を追いかける
基準日より後に施行される改正は、その年の出題対象外です。 ニュースで話題の改正でも、施行日が秋なら今年は覚えなくて構いません。
基準日は年度ごとに受験案内で示されます。 この記事の記載は目安として読み、申込みのときに必ず全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する受験案内の原文でご確認ください。
毎年動くもの
改正といっても全部を追う必要はありません。 社労士試験で毎年チェックが要るのは、だいたい次の6つに収まります。 この6つを見る習慣さえ作れば、独学でも追い漏れはほぼ防げます。
年金額
国民年金の老齢基礎年金の満額や、各種加算額が毎年度改定されます。国民年金法・厚生年金保険法の数値要件に直結します。
保険料率
雇用保険料率は年度ごとに見直され、健康保険料率は都道府県単位で毎年改定されます。労災保険率は数年ごとの見直しです。厚生年金保険料率は平成29年9月以降18.3%で固定されています。
標準報酬・標準賞与の上限
健康保険と厚生年金保険で等級・上限が異なり、改定されることがあります。健保と厚年を取り違えやすい代表的な論点です。
雇用保険・労災の給付額
基本手当日額の上限・下限、休業給付の給付基礎日額のスライドなどが毎年度改定されます。
最低賃金・労働時間関係
最低賃金は毎年秋に改定されます。労働基準法・労働安全衛生法まわりの制度改正も断続的に入ります。
白書・統計
労働経済白書・厚生労働白書と各種統計調査は毎年更新され、労働一般・社会一般の出題素材になります。
※ 具体的な金額・料率は年度ごとに改定されます。数値は必ず下記の公式サイトで最新のものをご確認ください。
どこを見るか
まとめ記事から入ると、更新が止まっていたり前年度の内容が残っていたりします。 数値は必ず一次情報で確認してください。見るべき場所は4つです。
全国社会保険労務士会連合会 試験センター
受験案内・出題の基準日・試験日程・合格基準。まずここで「今年はいつ時点の法令が対象か」を確認します。
厚生労働省
法改正の内容そのもの。報道発表資料と各制度のページに改正の施行日が載ります。白書もここです。
日本年金機構
年金額の改定、保険料額表、標準報酬月額の等級表。国年・厚年の数値はここが一次情報です。
全国健康保険協会(協会けんぽ)
都道府県ごとの健康保険料率と介護保険料率。毎年度改定されます。
いつ見るか(年間スケジュール)
改正情報は、公表される時期がだいたい決まっています。 学習計画にこのタイミングを最初から書き込んでおけば、 思い出したときに慌てて調べる必要がなくなります。
1〜2月
翌年度の年金額改定が公表される時期。年金額の数値は国年・厚年の頻出論点なので、出たら押さえます。
3月
健康保険料率・介護保険料率の改定が反映される時期。使っているテキストの該当ページに書き込みます。
4月
多くの改正がここで施行されます。出題の基準日もこの時期なので、4月中旬時点で何が施行済みかを確認します。
5〜6月
受験案内が公表され、基準日が明記されます。市販の法改正対策本もこの頃に出揃うので、一気に整理します。
6〜7月
白書・統計対策に着手。範囲は広いので深追いせず、頻出の統計と全体の傾向に絞ります。
8月
本試験。直前は新しい情報を足さず、書き込んだテキストを回すことに集中します。
どう記録するか
調べた改正をどこに書くかで、直前期の使い勝手が変わります。 守るのは1つだけ、情報を分散させないことです。
✓基本テキストの該当ページに直接書き込む
直前期は1冊を高速で回します。別冊やノートに分けると、その時に参照できません。
✓古い数値は消さず二重線を引いて残す
「何がどう変わったか」が見えると記憶に残ります。改正点はそのまま出題の狙い目でもあります。
✓健保と厚年、労災と雇用は横断表で並べて書く
似ているが違う制度の取り違えが、社労士でいちばん多い失点です。改正時こそ並べて確認します。
✓確認した日付と出典を余白にメモする
後から不安になったときに、どこを見直せばいいかがすぐ分かります。
当サイトの数値の扱い
社労士になる子ちゃんのWebテキストと用語集も、制度の骨格と考え方を中心に書いています。 金額や料率のように毎年動く数値は、必ず上記の公式サイトで最新のものをご確認ください。 制度の仕組みを理解しておけば、数値が変わっても覚え直すのは一箇所で済みます。
よくある質問
社労士試験ではいつ時点の法令が出題されますか?+
法改正はどのくらい合否に影響しますか?+
独学だと法改正を追いきれませんか?+
白書・統計対策はいつ始めればいいですか?+
改正点はテキストにどう反映すればいいですか?+
前年に買ったテキストに改正情報を足せば使えますか?+
この記事を書いた人
社労士になる子ちゃん編集部
社会保険労務士試験の学習サイト「なる子ちゃん」を運営する編集チーム。10科目のWebテキスト・過去問解説・用語集など、受験生が独学で合格するためのコンテンツを制作しています。
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