令和4年度 第6問 解説
問題文
▼ 次の問いに答えてください。 〔問 6〕 労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。 ア 通貨以外のもので支払われる賃金も、原則として労働基準法第12条に定める平均賃金等の算定基礎に含まれるため、法令に別段の定めがある場合のほかは、労働協約で評価額を定めておかなければならない。 イ 賃金の支払期限について、必ずしもある月の労働に対する賃金をその月中に支払うことを要せず、不当に長い期間でない限り、賃金の締切後ある程度の期間を経てから支払う定めをすることも差し支えない。 ウ 労働基準法第25条により労働者が非常時払を請求しうる事由の1つである「疾病」とは、業務上の疾病、負傷であると業務外のいわゆる私傷病であるとを問わない。 エ 「労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合においても、その支払についてはなお同条〔労働基準法第24条〕が適用され、使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならず、したがつて、右賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払を求めることは許されないが、国家公務員等退職手当法〔現在の国家公務員退職手当法〕による退職手当の給付を受ける権利については、その譲渡を禁止する規定がない以上、退職手当の支給前にその受給権が他に適法に譲渡された場合においては、国または公社はもはや退職者に直接これを支払うことを要せず、したがつて、その譲受人から国または公社に対しその支払を求めることが許される」とするのが、最高裁判所の判例である。 オ 労働基準法第27条に定める出来高払制の保障給について、同種の労働を行っている労働者が多数ある場合に、個々の労働者の技量、経験、年齢等に応じて、その保障給額に差を設けることは差し支えない。 (出典)第54回(令和4年度)社会保険労務士試験 択一式 労働基準法及び労働安全衛生法 問6/全国社会保険労務士会連合会試験センター
解説
誤っているものの数を数える問題で、正答はA(一つ)。誤っているのはエだけです。 エは誤り。判例は、賃金債権を譲渡しても譲受人は使用者に直接支払を求められないとしたうえで、退職手当についても同じ結論をとっています。退職手当も労基法上の賃金であり直接払の原則が及ぶからです。設問は後半を逆にしています。 アは正しい。通貨以外のもので支払われる賃金は、法令に別段の定めがある場合のほか労働協約で評価額を定めておく必要があります。 イは正しい。賃金の締切後ある程度の期間を経てから支払う定めも、不当に長くない限り差し支えありません。 ウは正しい。非常時払の「疾病」は業務上か業務外かを問いません。 オは正しい。出来高払制の保障給の額に、技量や経験に応じた差を設けることはできます。 ▶ テキスト: 労働基準法「賃金支払いのルールと保障」
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