令和6年度 第2問 解説
問題文
▼ 次の問いに答えてください。 〔問 2〕 労働基準法の解釈に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せとして、正しいものはどれか。 ア 労働基準法において一の事業であるか否かは主として場所的観念によって決定するが、例えば工場内の診療所、食堂等の如く同一場所にあっても、著しく労働の態様を異にする部門が存する場合に、その部門が主たる部門との関連において従事労働者、労務管理等が明確に区別され、かつ、主たる部門と切り離して適用を定めることによって労働基準法がより適切に運用できる場合には、その部門を一の独立の事業とするとされている。 イ 労働基準法において「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいい、「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。 ウ 労働契約とは、本質的には民法第623条に規定する雇用契約や労働契約法第6条に規定する労働契約と基本的に異なるものではないが、民法上の雇用契約にのみ限定して解されるべきものではなく、委任契約、請負契約等、労務の提供を内容とする契約も労働契約として把握される可能性をもっている。 (出典)第56回(令和6年度)社会保険労務士試験 択一式 労働基準法及び労働安全衛生法 問2/全国社会保険労務士会連合会試験センター
解説
正答はC(ア○ イ× ウ○)。 アは正しい。事業の単位は場所的観念で決めるのが原則ですが、同一場所でも労働の態様が著しく違い、従事労働者や労務管理が明確に区別され、切り離したほうが法を適切に運用できる部門は、独立した一の事業として扱います。工場内の診療所や食堂が典型例です。 イは誤り。誤っているのは「使用者」の定義です。法10条の使用者は、事業主・事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者をいいます。「賃金を支払う者」ではありません。なお後半の賃金の定義(法11条)は正しく、この枝は前半だけを差し替えたひっかけです。 ウは正しい。労働契約は民法の雇用契約に限定されず、委任契約や請負契約の形をとっていても、労務提供の実態によっては労働契約として把握される可能性があります。 ▶ テキスト: 労働基準法「適用範囲と用語の定義」
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