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労働保険徴収法

労働保険の年度更新|概算・確定・精算の1年サイクルを1枚で追う

骨格は「概算で前払い → 確定で精算」の1往復だけ。細かい期日はこのサイクルに後から貼りつけます。

労働保険の年度更新の流れ図。年度のはじめに概算保険料を納付し、年度終了後に確定保険料で精算する1年サイクルと、6月1日から7月10日までの年度更新期間、延納の要件と納期限が示されている
労働保険の年度更新の図解

徴収法は数字と期日が多く、暗記科目に見えがちです。しかし中心にあるのは1本のサイクルだけです。年度のはじめにその年度の賃金総額を見込んで概算保険料を納め、年度が終わったら実際の賃金総額で確定保険料を計算し直して差額を精算する。これだけです。そして年度更新とは、この「前年度の精算」と「新年度の概算納付」を1回の手続でまとめて行うものです。この骨格を先に描いてから、6月1日から7月10日という期間や、延納の要件といった数字を貼りつけていくと、記憶が崩れにくくなります。

① 概算保険料:年度のはじめに見込みで払う

その年度に労働者へ支払う見込みの賃金総額に保険料率を掛けて計算し、先に納付します。見込みを立てるのが難しい場合のために、賃金総額の見込額が前年度の100分の50以上100分の200以下であるときは、前年度の確定賃金総額をそのまま使ってよいという扱いがあります。実務でも試験でも頻出の数字なので、「50%以上200%以下なら前年度の実績でよい」と覚えてください。

② 確定保険料:年度が終わったら計算し直す

年度が終わったら、実際に支払った賃金総額をもとに確定保険料を計算します。概算で納めた額より確定額が多ければ不足分を追加で納付し、少なければ次の概算保険料に充当するか、還付を請求します。「多ければ払う、少なければ充当か還付」という2方向の処理があることを押さえてください。充当が原則で、還付は請求して初めて受けられます。

③ 年度更新:6月1日から7月10日まで

前年度の確定保険料の精算と、新年度の概算保険料の申告・納付を、1回の手続でまとめて行うのが年度更新です。期間は毎年6月1日から7月10日までで固定されています。これは継続事業の話で、有期事業の場合は保険関係が消滅した日から50日以内に確定保険料を申告・納付します。「継続事業は毎年7月10日、有期事業は消滅から50日以内」と対で覚えておくと混同しません。

④ 延納:分割して納められる条件

概算保険料は原則として一括納付ですが、一定の条件を満たすと3期に分割して納付できます。条件は、概算保険料の額が40万円以上であること(労災保険か雇用保険の一方だけの成立なら20万円以上)、または労働保険事務組合に事務処理を委託していることです。事務組合に委託していれば金額にかかわらず延納できる点が特徴です。継続事業の納期限は7月10日・10月31日・翌年1月31日の3回になります。

⑤ 増加概算保険料:見込みが大きくずれたとき

年度の途中で事業規模が大きく変わり、賃金総額の見込額が当初の2倍を超えて増加し、かつ増加後の概算保険料と当初の概算保険料との差額が13万円以上になったときは、増加概算保険料の申告・納付が必要です。期限は増加した日から30日以内です。「2倍超」と「13万円以上」の両方を満たす必要がある点、そして30日以内という短さが狙われます。

試験対策のポイント

  • 骨格は「年度はじめに概算で前払い → 年度終了後に確定で精算」の1往復
  • 年度更新の期間は6月1日から7月10日まで(継続事業)
  • 有期事業の確定精算は、保険関係の消滅の日から50日以内
  • 賃金総額の見込額が前年度の50%以上200%以下なら、前年度の確定賃金総額を使ってよい
  • 延納は概算保険料40万円以上(一方のみの成立は20万円以上)、または事務組合に委託していること
  • 延納の納期限は7月10日・10月31日・翌年1月31日の3回
  • 増加概算保険料は「見込額が2倍超」かつ「差額13万円以上」で、30日以内に申告・納付

よくある質問

Q. 概算保険料が確定額より多かった場合、自動的に返ってきますか?

A. いいえ。原則は次の概算保険料への充当です。還付を受けたい場合は還付請求を行う必要があります。「黙っていれば充当、請求すれば還付」と押さえてください。

Q. 労働保険事務組合に委託していれば、金額が小さくても延納できますか?

A. できます。延納の要件は「概算保険料が40万円以上(一方のみの成立なら20万円以上)」または「労働保険事務組合への委託」のどちらかを満たせばよく、委託していれば金額の要件は問われません。

Q. 賃金総額の見込みが減りそうな場合も、申告し直す必要がありますか?

A. 必要ありません。増加概算保険料の制度は増えた場合だけを対象にしています。減った場合は年度末の確定保険料で精算されるので、その時点で充当か還付という形で調整されます。

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用語の詳しい解説は用語集で確認できます。

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