ひとことで言うと
一般保険料の計算のもとになる、すべての労働者に支払う賃金の総額です。雇用保険法の賃金日額と違い、賞与も含みます。
解説
賃金総額とは、事業主がその事業に使用するすべての労働者(日雇労働被保険者を含む)に支払う賃金の総額をいいます。算定の対象となる期間は、継続事業においては保険年度、有期事業においては事業の全期間です。
くわしく解説
徴収法における賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うものをいいます。
重要なのは、臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金も含まれる点です。つまり賞与が入ります。雇用保険法の賃金日額の計算ではこれらが「含まれない」とされていたのと正反対です。
・雇用保険法の賃金日額 … 賞与を含まない(給付の計算だから)
・徴収法の賃金総額 … 賞与を含む(保険料の計算だから)
賃金にあたるかどうかの具体例も押さえておきましょう。
・賃金と解されるもの … 休業手当、通勤手当、年次有給休暇の給与、社会保険料等の労働者負担分を事業主が負担したもの 等
・賃金と解されないもの … 解雇予告手当、退職金、祝金・見舞金等、事業主が全額負担する生命保険の掛金 等
祝金や見舞金については、労働基準法上の賃金の取扱いとは異なります。徴収法では、労働協約等によって事業主にその支給が義務付けられていても賃金として取り扱いません。試験では、就業規則に規定があって支払われた慶弔見舞金も賃金総額に含めない、という記述が正しいものとして出題されています。
請負による建設の事業で賃金総額を正確に算定できない場合には、請負金額に労務費率を乗じて得た額をもって賃金総額とみなすことができます。請負事業の一括によって元請負人が下請負人の分も含めて事業主になるため、下請けの賃金まで正確に把握するのが困難だからです。
具体例で考えよう
正社員の給与も、パートの時給も、日雇労働者の日給も、賞与もすべて足したものが賃金総額です。退職金と解雇予告手当は入りません。
試験対策ポイント
賃金総額はすべての労働者(日雇労働被保険者を含む)に支払う賃金の総額で、賞与(3か月を超える期間ごとに支払われる賃金)も含む。解雇予告手当・退職金・祝金見舞金等は含まない。請負による建設の事業で正確に算定できない場合は請負金額×労務費率とみなせる
関連法令
労働保険徴収法2条2項・3項、11条3項
関連用語
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