ひとことで言うと
都道府県ごとに決まる最低賃金です。時間によってのみ定められます。
解説
地域別最低賃金とは、一定の地域ごとに、あらゆる労働者とその使用者に対して適用される最低賃金をいいます。地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならないとされています。
くわしく解説
考慮する要素は3つです。
・地域における労働者の生計費
・地域における労働者の賃金
・通常の事業の賃金支払能力
前2つは労働者側の事情、最後の1つは使用者側の事情です。生活できる水準を確保しつつ、企業が現実に払える範囲に収めるという両にらみの設計になっています。
生計費については、生活保護に係る施策との整合性に配慮する必要があります。これを怠ると、生活保護の水準を最低賃金が下回るという逆転現象が起きてしまうためです。
額の定め方にも決まりがあります。最低賃金額は、時間によって定めるものとされています。以前は日によって定めることも可とされていましたが、現在は時給での表記が義務化されています。試験では「時間又は日によって定める」とする誤りの選択肢が出題されたことがあります。
効力は強力です。最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分について無効とされ、自動的に最低賃金額に引き上げられます。
これとは別に特定最低賃金があります。地域別最低賃金の補完的役割を果たすもので、関係労使の申出を受けた行政機関が最低賃金審議会の意見を聴いて決定、改正若しくは廃止の決定をすることができます。
罰則の構造も押さえます。地域別最低賃金額以上の賃金を支払わない場合は50万円以下の罰金ですが、特定最低賃金については最低賃金法の罰則が適用されず、労働基準法24条の全額払違反として30万円以下の罰金になります。
具体例で考えよう
同じ仕事でも都道府県によって最低賃金が違うのは、生計費や通常の事業の賃金支払能力が地域ごとに異なるからです。
試験対策ポイント
地域別最低賃金は地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められ、生計費については生活保護に係る施策との整合性に配慮する。最低賃金額は「時間」によって定める。地域別最低賃金額未満は50万円以下の罰金、特定最低賃金額未満は労働基準法24条違反として30万円以下の罰金
関連法令
最低賃金法3条、4条、9条、40条
関連用語
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