ひとことで言うと
負傷や疾病が業務に起因して生じたこと、つまり業務と傷病等との間に一定の因果関係があることをいいます。業務遂行性が認められた後に検討する第2段階の要件です。
解説
業務起因性とは、負傷や疾病が業務に起因して生ずること、すなわち業務と傷病等との間に一定の因果関係が存在することをいいます。「そのけがは仕事が原因で起きたのか」という原因の要件です。業務遂行性と業務起因性の両方がそろって、はじめて業務災害と認められます。
くわしく解説
業務起因性の有無は、場面ごとに考え方が整理されています。
・作業を中断していたとき
トイレに行くなどの生理的行為や、風で飛ばされた帽子を拾おうとするような反射的行為は、業務そのものではありません。しかし業務に付随する行為として扱われるため、その最中の災害は原則として業務災害と認められます。
・休憩時間中
休憩時間は自由利用が原則であるため、その間の個々の行為それ自体は私的行為とされます。したがって、事業場施設又はその管理に起因することが証明されない限り、一般的には私的行為に起因するものと推定され、業務起因性は認められません。逆に、施設の欠陥や管理の不備が原因であれば業務災害になります。
・出張中
出張は原則としてその過程全般が事業主の支配下にあるため、業務起因性も広く認められます。直行直帰の出張における住居と出張先との往復は、通勤ではなく業務行為として扱われます。
疾病の場合には、業務が他の競合する原因と比較して相対的に有力な原因といえるかどうかで判断されます。私生活の要因との比較になる点が、負傷の場合との違いです。
具体例で考えよう
昼休みに社員食堂で同僚とふざけて転倒したのであれば私的行為とされますが、老朽化した階段の手すりが外れて転落したのであれば事業場施設の管理に起因するものとして業務災害になり得ます。
試験対策ポイント
業務起因性は業務と傷病等との間の一定の因果関係。休憩時間中の災害は事業場施設又はその管理に起因することが証明されない限り私的行為に起因するものと推定される。疾病については業務が相対的に有力な原因かどうかで判断する
関連法令
労働者災害補償保険法7条1項1号、昭25.6.8基災収1252号
関連用語
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