ひとことで言うと
労働者が労働契約等に基づいて事業主の支配下にある状態のことです。業務災害かどうかを判断する2段階のうち、最初に確認する入口の要件にあたります。
解説
業務遂行性とは、労働者が労働契約等に基づいて事業主の支配下にある状態をいいます。会社の指揮命令や管理が及ぶ場所・時間にいたかどうかを見る、いわば「場所と立場」の要件です。これが認められて初めて、次の段階である業務起因性の検討に進みます。
くわしく解説
業務災害と認められるためには、業務遂行性と業務起因性の両方が必要です。判定の順序は固定されていて、必ず業務遂行性から検討します。事業主の支配下にすらいないのであれば、業務との因果関係を論じる余地がないからです。
業務遂行性が認められる典型的な場面は次のとおりです。
・所定労働時間中に事業場内で作業している
・出張中である(原則としてその過程全般が事業主の支配下にある)
・事業場施設内で休憩時間を過ごしている
3つ目に注目してください。休憩時間中も事業場施設内にいる以上は事業主の支配下にあるため、業務遂行性は認められます。それにもかかわらず休憩時間中の災害が原則として業務災害にならないのは、業務起因性のほうが否定されるからです。
このように業務遂行性と業務起因性を分けて考える実益は、「支配下にはいるが、原因は私的」というパターンを説明できる点にあります。片方だけで結論を出そうとすると必ず詰まります。
具体例で考えよう
生産ラインで作業していた従業員が工具の落下で足をけがした場合、事業主の支配下にあるため業務遂行性が認められます。一方、休日に私用で会社の駐車場に立ち寄っただけであれば、労働契約に基づく支配下にはないため業務遂行性は認められません。
試験対策ポイント
業務遂行性は労働契約等に基づき事業主の支配下にある状態。業務災害の判定は業務遂行性→業務起因性の順で、業務遂行性が前提となる。休憩時間中も事業場施設内にいれば業務遂行性は認められるが、業務起因性が原則として否定される
関連法令
労働者災害補償保険法7条1項1号
関連用語
「労働者災害補償保険法」の他の用語
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